東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する。
今年は本映画祭で生誕120年となる小津安二郎の特集を組むことになっており、その小津の代表作の1つである『東京物語』にオマージュを捧げるようなイメージで、現代の東京(撮影場所は東京駅近くのKITTE丸の内の屋上庭園)を舞台に、『東京物語』の中の笠智衆さんと原節子さんのように、親子で奥田瑛二と安藤桃子を撮り下ろした。ビジュアル監修は昨年同様コシノジュンコで、東京都近郊の映画館で8月18日(金)から掲出予定。
そして、安藤桃子が今年の本映画祭のナビゲーターに就任することも決定。これまで「アンバサダー」という形で俳優・女優が就任してきたが、今年は映画祭をより楽しんでもらうための案内人として、映画監督であり、高知で映画館の代表も務め、自身で映画祭も企画するなど様々な形で映画にコミットしている安藤桃子が「アンバサダー」改め「ナビゲーター」として立つ。
■安藤桃子(映画監督)コメント
争いも限界もなく、どんな存在にも光を当て、時間も空間も飛び越えて、自由自在に生きられる世界。
映画はあらゆる物語を具現化できる。
映画は世界を変えられる。
映画で世界が変わる。
本当に、そうなんだと思っている。
映画は人の心を映し出す。
目に見えない風や小さな生き物たちも、すべてのイノチを映し出す。
心の内にある、過去も未来も記憶し、記録する。
2023年の今、私たちは何を見つめ、どこへ導かれるのだろう。
映画祭は世界の羅針盤だ。
いま、ここ、東京から。
また、今年は新たに東京国際映画祭のミッション(理念)を下記一文にて策定。こちらも併せて発表された。これまで本映画祭ではその年ごとにテーマやポイント等を設定してきたが、今後はこのミッションを基本理念として貫きながらスタッフ一同映画祭の運営にあたっていくという。
東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する。
この1年でスタッフ一同で意見を出し合い、「東京」「国際」「映画」「祭」をきちんと言葉通りに体現できるようにということで考えられたもの。
「映画の可能性」にはアート作品からエンタメ大作まで様々な作品が生み出される可能性、人生や文化、世界を変える可能性、過去の遺産の継承(旧作)・現在の多様性の享受(最新作)・未来の開拓(野心作)への可能性、など様々な思いを込め、「多様な世界」には国・人種・性別・民族・宗教・言語・価値観・世界観などの様々なボーダーを越えたもの、国外だけでなく国内も含み、製作者と観客のボーダーも越えたものといったことを意図し、映画の力で多種多様な世界をよりカラフルにしていけたらという思が込められている。
なお、10月23日(月)のオープニングセレモニーに関しては、昨年同様東京宝塚劇場で行うほか、クロージングセレモニーはTOHOシネマズ日比谷(スクリーン12)、会期中の上映劇場は昨年から加わった丸の内 TOEI、丸の内ピカデリー、TOHOシネマズ 日比谷の大型劇場に加え、ヒューリックホール東京が新たに加わり、この他に角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテとなる。上映本数は昨年よりもさらに拡大する予定。
また、三井不動産、三菱地所といった日比谷・丸の内地区の有力企業ともより連携を深め、東京都、千代田区、中央区などの行政、全銀座会等の地元団体とも様々な協力体制を敷き、街ぐるみの映画祭となっていく。