話題のエンタメ作品に続々出演！映画『ほつれる』田村健太郎の魅力に迫る

「もはやしずか」「ザ・ウェルキン」で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞した加藤拓也が、初長編映画『わたし達はおとな』（22）を経て臨んだ、オリジナル脚本・長編監督映画2作目となる本作。ある出来事をきっかけに、夫や周囲の人々、そして自分自身とゆっくり向き合っていくひとりの女性の姿を捉える。主人公・綿子役を門脇麦、夫・文則役を田村健太郎、綿子の心の支えとなる木村役を染谷将太、さらに綿子の親友・英梨役を黒木華が演じる。

本作で田村健太郎は、主人公綿子の夫・文則を演じる。綿子との夫婦関係は冷めきっているが、どうにか関係をより良い方へ改善しようと模索する夫を繊細に演じている。文則は、向き合う事を避けようとする綿子に対し、関係の修復を図ろうとする行動をとっているように感じるが、劇中では何故か、どことなく不穏な存在感を放ち、綿子と上手く向き合えない夫を見事に演じている。

今回は『ほつれる』公開に先駆け、田村健太郎が近年出演した多種多様なエンタメ作品を振り返る。

◇映画『死体の人』　(23/草苅勲監督）

役者を志していたものの、気がつくと“死体役”ばかりを演じるようになっていた吉田広志(奥野瑛太)。開いたスケジュール帳はさまざまな方法で“死ぬ予定”でいっぱいだ。「厳密にリアリティを追求するなら……」と演じることへの強いこだわりを持つ彼だが、効率を重視する撮影現場では、あくまで物言わぬ“死体”であることを求められる。常に死体役として、死に方を探求する日々を送っていた彼が、人生を変えられるような運命的な出会いを果たす。田村は、撮影現場で「死体の人」と再会を果たす大学の劇団時代の後輩を演じている。

◇TVドラマ「ブラッシュアップライフ」(23/NTV)

バカリズムが脚本を担当する、不思議な日常を描くタイムリープ系ヒューマンコメディ。地元の市役所で働く近藤麻美（安藤サクラ）、33歳、独身。家族や幼なじみの夏希（夏帆）、美穂（木南晴夏）の３人に囲まれながら、このまま平凡な人生が続くと思っていたのだが…その夜、トラックにはねられ、あっけなく死んでしまう――。気が付くと麻美は真っ白な空間にいる麻美に、死後の世界の案内人なる男（バカリズム）から、もう一度、近藤麻美として同じ人生をやり直して徳を積めば人間に生まれ変わる確率が上がると聞いて、「だったらそれがいいです」と人生のやり直しを選択する。平凡な人生をゼロからやり直す麻美！徳を積みながら自分や周りの人生をちょっとずつ変えていく――。奇想天外な“ブラッシュアップライフ”の行方は――！？田村は本作で主人公麻美の妹の彼氏を好演している。

◇舞台「綿子はもつれる」（劇団た組）

加藤拓也が脚本・演出を務める劇団た組、安達祐実主演の舞台、「綿子はもつれる」。映画『ほつれる』の主人公と同じ名前“綿子”の登場に、両方の作品を知っている人は驚くかもしれない。舞台「綿子はもつれる」で、田村健太郎は映画『ほつれる』とは全く違う役どころを演じている。舞台「綿子はもつれる」は、夫婦関係が破綻している綿子と悟が、綿子と不倫相手のある出来事によって、夫婦は再構築を始める、というストーリー。10月に台湾公演が決定。映画公開と合わせて、益々注目が高まっている。

映画、ドラマ、舞台と、活躍の場所を定めず様々な場面で色々な表情を見せる田村健太郎。これまでの彼の印象とは違う演技で観る者にインパクトを残す『ほつれる』にも注目だ。

田村健太郎プロフィール

1986年12月15日生まれ、東京都出身。07年、本格的に演劇活動を開始。近年の主な出演作品に、テレビドラマ「ここは今から倫理です。」(21/NHK)、「ブラッシュアップライフ」(23/NTV)、「どうする家康」(23/NHK)、映画『猫と塩、または砂糖』(20/ 小松孝監督）、『すばらしき世界』(21/ 西川美和監督 )、『マイスモールランド』(22/ 川和田恵真監督 )、『犬も食わねどチャーリーは笑う』(22/ 市井昌秀監督 )、『死体の人』(23/草苅勲監督）など。加藤拓也監督作品では舞台「ザ・ウェルキン」、「綿子はもつれる」にも出演している。M＆Oplaysプロデュース「リムジン」が１１月より上演予定。

『ほつれる』
9月8日(金)、新宿ピカデリーほか全国公開
ⓒ2023「ほつれる」製作委員会＆COMME DES CINÉMAS
配給：ビターズ・エンド