信じる勇気をくれる
『ファッション・リイマジン』(2023/9/22 公開)
イギリスのブランド《Mother of Pearl》のデザイナー、エイミー・パウニー。彼⼥は2017年4 ⽉、VOGUE の新⼈賞を受賞し、10万ポンドの賞⾦を得て、⾃分の⽣き⽅のルーツにつながるサステナブルなライン《No Frills》を⽴ち上げる。
《No Frills》は、ロンドン・ファッション・ウィーク唯⼀のサステナブルブランドとして⼤注⽬を浴び、ファッション業界は⼀気に変⾰︕ その注⽬はマスコミだけに留まらず、当時皇太⼦だったチャールズ英国王が企画した《キャンペーン・フォー・ウール》10周年記念スカーフのデザインを依頼されるほど。しかし、そのコレクションデビューの裏には、発表まで18ヶ⽉というタイムリミットの中、理想の素材を求めて、地球の裏側まで旅することになったエイミーとチームの、たくさんの出会いと挑戦の物語があった――。
ファッション業界を国に例えると、その⼆酸化炭素排出量は、中国、アメリカに次いで世界第3位であり、デニムパンツ1本を作るために使う⽔の量1500ℓ は、1⼈の⼈間が飲む2年分の⽔に値するなど、衝撃の事実を知ったデザイナー、エイミー・パウワー。この恐るべき現実を変えようと、志を同じくする仲間とともに世界を巡り、⽴ちはだかる困難を⼀つずつ乗り越えて実現していく姿には<⾃分を信じる勇気>を伝えてくれる。
『ファッション・リイマジン』
9月22日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
配給:フラッグ
©2022 Fashion Reimagined Ltd
選択に勇気をくれる
『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』(2020)
悩める少⼥の揺れ動く⼼をフレッシュに、そしてユーモアたっぷりに描き、初単独監督作品ながら⾒事アカデミー賞にノミネートされた『レディ・バード』のほか、⼥性監督として歴代No1の北⽶オープニング興⾏収⼊を樹⽴した現在公開中の『バービー』など、⼿がける作品いずれも話題が沸騰するグレタ・ガーヴィグ監督が、⾃⾝の愛読書でもあったルイーザ・メイ・オルコットの⼩説「若草物語」を映画化。
南北戦争時代を慎ましくもたくましくマーチ家に暮らすのは、メグ、ジョー、ベス、エイミーの個性豊かな4姉妹。優しくて美しい姉のメグが⼤好きな次⼥のジョー(シアーシャ・ローナン)は、病弱な妹ベスを労り、そして、おしゃれにしか興味のないエイミーと衝突する⽇々を送りながらも、⼼には「作家で成功する」という固い信念を持っていた。
やがて、近所に引っ越してきた資産家の息⼦ローリー(ティモシー・シャラメ)と⼼惹かれ合うジョー。そして、ローリーからプロポーズを受けるも、⼥性にとって作家と家庭の両⽴は難かしいと考えたジョーは、その申し出を断ってしまう。“裕福な男性と結婚することが⼀番の幸せ”と考えられていた時代、⾃分の幸せを⾃分の意思で選ぶが、同時に「この選択は正しかったのか︖」と何度も悩むジョー。ジョーが信念に突き進んでいく姿を通して、⾃分のやりたいこと、そして<⾃分の選択に勇気を持つ>⼤切さを教えてくれる作品です。
真摯に向き合う勇気をくれる
『最強のふたり』(2012)
事故で⾸から下が⿇痺してしまった富豪の男フィリップ(フランソワ・クリュゼ)と、その介護⼈となった刑務所を出たばかりの、移⺠の貧⺠層の男ドリス(オマール・シー)。全く共通点のなかった2⼈が交流、やがてお互いを受け⼊れ、友情を育んでいく実話基づいたヒューマンドラマ。
失業保険を受給するため、不採⽤になる前提でフィリップの介護⼈の⾯接を受けに来たドリス。しかし、障害者である⾃分を全く意に介さず“容赦無く普通に”扱うドリスに興味を持ったフィリップはドリスの意に反して、彼を採⽤してしまう︕やがて、フィリップの元で働くことになったドリスは、初めての介護に悪戦苦闘するも、持ち前のユーモアとタフさで奮闘、フィリップの固くなっていた⼼も少しずつほぐれていくー。特別な事件ではなく、会話や相⼿を思う⼼によって、少しずつ距離が近づき、理解と友情が深まっていく本作。⽬の前にある仕事や⼈に<真摯に向き合う勇気>が、本当の幸せへとつながる⼀歩になることも教えてくれます。
⽴ち⽌まる勇気をくれる
『プラダを着た悪魔』(2006)
⼀流ファッション誌の編集部で偶然働くことになった⼥性が、“悪魔のような”上司に理不尽に翻弄されながらも、前向きに奮闘、仕事を通して成⻑していく姿を描き出したゴージャス&ファッショナブルなヒューマンドラマ。
ジャーナリストを⽬指すため、NYにやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)。オシャレに興味のなかった彼⼥だったが、偶然世の⼥性たちが羨む仕事<⼀流ファッション誌のカリスマ編集⻑ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタント>というポストを⼿に⼊れてしまう。仲間たちと呑気に就職祝いをするアンディだったが、実はそれは、今まで何⼈もの犠牲者を出してきた“恐怖のポスト”だったー。
休⽇、平⽇に関わらず、24時間無理難題を押し付けられ、気が狂いそうになるアンディだったが、誠⼼誠意仕事に向き合うことで徐々にミランダの信頼を獲得、仕事への充実感も⼿に⼊れ始める。しかし、同時に私⽣活は乱れ、彼⽒の誕⽣⽇は祝えず、友⼈にも愛想をつかされてしまう⽇々。キャリアのためとはいえ、本当にこのままでいいのか︖私の本当にやりたかったことは︖翻弄される仕事の中で、⾃分にとって⼤事なことを⾒つめ直すため<冷静に⽴ち⽌まる勇気>を与えてくる作品です。