世界3大映画祭のひとつ、第80回ベネチア国際映画祭の受賞結果が2023年9月9日、審査員長のデイミアン・チャゼル監督らから発表された。

作品賞に当たる金獅子賞にはヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演の『哀れなるものたち』が選ばれた。日本では2024年1月26日公開が予定されている。ベネチアのルールでは金獅子賞受賞作は他の賞を受賞できないため、エマ・ストーンは女優賞を受賞できなかったが、フランケンシュタインのモンスターの女性版のようなキャラクターを見事に演じ、絶賛されていた。ランティモスはエマが(俳優組合ストのため)来場できなかったことを大変残念がっていた。
次点に当たる銀獅子賞(審査員賞)には日本の濱口竜介監督の新作『悪は存在しない』が選出された。ある農村に浮上したアウトドア施設建設をめぐる地元住民の葛藤を描いた作品で、日本は来年公開予定。また監督賞には『イオ・カピターノ』のマッテオ・ガローネ監督が受賞。女優賞はエルヴィス・プレスリーの妻だったプリシラ・プレスリーを描く『プリシラ』のケイリー・スピーニーが、男優賞は『メモリー』のピーター・サースガードが受賞。またクラシック部門の復元映画賞に相米慎二監督の『お引越し』が選ばれた。
主な賞一覧は以下の通り。

金獅子賞 『哀れなるものたち』(ヨルゴス・ランティモス監督)
銀獅子賞(審査員大賞)『悪は存在しない』(濱口竜介監督)
銀獅子賞(女優賞)ケイリー・スピーニー(『プリシラ』原題)
銀獅子賞(男優賞)ピーター・サースガード(『メモリー』原題)
銀獅子賞(監督賞)マッテオ・ガローネ(『イオ・カピターノ』原題)
脚本賞 パブロ・ラライン、ギレルモ・カルデロン(『伯爵』原題)
審査員特別賞 『グリーン・ボーダー(原題)』(アグニェシュカ・ホランド監督)

オリゾンティ部門
作品賞 『エクスプラネーション・フォー・エブリシング(原題)』(カーポル・ライス監督)

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