『悪は存在しない』はひと事ではない話にしていこうとした/濱口竜介監督インタビュー<後編>
自然豊かな町にグランピング場開発計画が持ち上がる。それはコロナ渦のあおりを受けた芸能事務所が政府の補助金狙いで計画したものだった。森の環境や町の水源を汚染しかねないずさんな計画に住民たちは動揺し、関わる人々に余波が及び出す・・・。
濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』は、『ドライブ・マイ・カー』で濱口と組んだ石橋英子からライブパフォーマンス用の映像の制作の依頼を受けたことが起点となった。試行錯誤と対話の末、従来の手法でひとつの映画を完成させ、そこからライブパフォーマンス用映像を生み出すことを濱口は決断。石橋のライブ用サイレント映像『GIFT』と長編映画である本作が誕生することになった。
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