2023年10月23日(月)~11月1日(水)に開催致します第36回東京国際映画祭では目玉企画として「小津安二郎生誕120年」を記念した特集上映やイベントを実施。Nippon Cinema Now部門で、城定秀夫監督の特集を行うなど次々主要企画の全貌が発表されている。

本年より「アニメーション部門」と名称を変更し、国内のみならず海外の話題作も上映

小津安二郎生誕120 年記念企画 SHOULDERS OF GIANTS

今年は小津安二郎の生誕120 年、没後60 年。今、あらためて小津作品に光をあて、わたしたちが小津から何を学び、どう未来につなげてゆくべきかをグローバルな視点で考える。今回、新たにデジタル修復した多くの作品を初公開する他、国立映画アーカイブでの小津安二郎監督週間(1 0/24 24~2 99)の貴重なフィルムでの上映と合わせるとほぼ全ての小津作品が網羅される大々的な特集となる。また、世界的に活躍する映画監督を招いてそれぞれの視点から小津を考える国際シンポジウムも実施。企画のテーマである SHOULDERS OF GIANTS は、「小津という偉大な監督の肩にのって、映画の未来をみてみよう」という思いを表している。

①小津安二郎生誕120 年記念特集上映
特集上映ではワールド・プレミアを含む小津作品のデジタル修復版1 8 作品を上映。国内外で愛される小津の名作を美しい映像で鑑賞できる。

画像: 「突貫小僧」 ©1929 松竹株式会社_A Straightforward Boy

「突貫小僧」 ©1929 松竹株式会社_A Straightforward Boy

【東京国際映画祭上映作品】
『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(1929)、『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(1932、★WPWP)、『非常線の女』(1933 ★) ※世界的なトランペッター黒田卓也による生演奏付き上映、『菊五郎の鏡獅子』(1936 、★WPWP)、『父ありき』(1942 ★)、『長屋紳士録』(1947 ★)、『風の中の牝雞』(1948 ★)、『晩春』(1949 ★)、『宗方姉妹』(1950 ★)、『麥秋』(1951 ★)、『東京物語』(1953 ★)、『東京暮色』(1957 ★)、『彼岸花』(1958)『お早よう』(1959)、『浮草』(1959 ★)、『秋日和』(1960)、『小早川家の秋』(1961 ★)、『秋刀魚の味』(1962)
※★は4K デジタル修復版
※WP は4K デジタル修復版としてのワールド・プレミア上映

画像: 「非常線の女」 ©1933 松竹株式会社_Dragnet Girl

「非常線の女」 ©1933 松竹株式会社_Dragnet Girl

【国立映画アーカイブ「小津安二郎監督週間」上映作品】
『学生ロマンス・若き日』(1929)、『大学は出たけれど』(1929)、『東京の女』(1930)、『淑女と髯』(1931)、『突貫小僧 パテベビー短縮版』(1929)、『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(1929)、『朗らかに歩め』(1930)、『その夜の妻』(1930)、『東京の合唱』(1931)、『青春の夢いまいづこ』(1932)、『出來ごころ』(1933)、『母を恋はずや』(1934)、『浮草物語』(1934)、『東京の宿』(1935)、『一人息子』(1936)、『淑女は何を忘れたか』(1937)、『戸田家の兄妹』(1941)

②小津安二郎生誕120 年記念シンポジウム S HOULDERS OF GIANTS
冒頭ヴィム・ヴェンダースによる小津へのオマージュ(讃辞)に続き、『お早よう デジタル修復版』(1959)を上映。上映後、黒沢清、ジャ・ジャンクー、ケリー・ライカートといった世界的に活躍する映画監督が登壇し、小津作品をめぐるトークセッションを行う。

③提携企画
A:小津安二郎生誕120 年×三越創業350 周年特別企画 音語り|東京物語〜小津安二郎を聞く〜
松竹、創業350 周年を迎えた三越、小津が多感な時期を過ごし三越の創業者三井高利との所縁も深い三重県松阪市による特別共催企画。公演の前半では、幼少のころ小津から孫のように可愛がられていた中井貴惠が思い出を語り、後半はジャズピアニスト松本峰明の演奏とともに『東京物語』の台本を朗読する。

B:小津安二郎生誕120 年企画 “SHOULDERS OF GIANTS GIANTS” J WAVE 公開収録
今年の東京国際映画祭のオープニング作品『PERFECT DAYS 』でヴィム・ヴェンダース監督と共同脚本・プロデュースを担当した高崎卓馬が、J WAVE 特番”SHOU L DERS OF GIANTS” を公開収録。ラジオパーソナリティ・クリス智子の進行による多数のゲストとの小津を巡るトーク、そして映画『PERFECT DAYS 』で劇中歌を歌う金延幸子のミニライブも開催。番組の放送は11 月3 日(金・祝)18 時から21 時55 分予定。

④関連上映
A:連続ドラマW OZU 〜小津安二郎が描いた世界〜
世界のOZU の原点である初期サイレント映画6作品を気鋭の映画監督6 人がWOWOW でオムニバスドラマとして現代リメイクしたものの3話分をTIFF シリーズ部門にて上映する。
【上映作品】『生れてはみたけれど』(監督 吉田康弘)、『非常線の女』(監督 松本優作)、『出來ごころ』(監督 城定秀夫)

B:山崎バニラの活弁小絵巻2023
『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(新たにフィルムが見つかったロングバージョン)を声優としても活躍している山崎バニラさんの活弁付きでユース部門にて上映。

Nippon Cinema Now 部門特集 〈城定秀夫監督〉

この1 年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する同部門では、デビューから100 本以上の作品を手がけ、昨年だけでも『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』など、話題作が立て続けに公開され、精力的に良作を生み出している実力派・城定秀夫監督を特集する。
【上映作品】
『アルプススタンドのはしの方』(2020)、『愛なのに』(2022)、『ビリーバーズ』(2022)、『銀平町シネマブルース』(2023)
※いずれも英語字幕付き上映

画像: 「アルプススタンドのはしの方」 ©「アルプススタンドのはしの方」製作委員会

「アルプススタンドのはしの方」 ©「アルプススタンドのはしの方」製作委員会

アニメーション部門特集

昨年までのジャパニーズ・アニメーション部門は、アニメーション部門として、今年からコンセプトも新たに再スタートする。まずひとつめの柱は「ビジョンの交差点」と題して海外での話題作も取り上げ、国内の最新作と合わせて9作品上映。またレトロスペクティブは「海外映画祭と監督」というテーマで、海外映画祭で賞に輝いた監督の作品を3作品上映する。
【上映作品】
『アートカレッジ1994 』(2023)、『深海レストラン』(2023)、『トニーとシェリーと魔法の光』(2023)、『ロボット・ドリームズ』(2024 年公開予定)、『リンダはチキンがたべたい!』(2024 年公開予定)以上洋画作品
『かがみの孤城』(2022)、『B LUE GIANT 』(2023)、『北極百貨店のコンシェルジュさん』(2023/10/20 公開)、『駒田蒸留所へようこそ』(2023 11/10 公開)
<海外映画祭と監督>
『夜明け告げるルーのうた』(2017 、湯浅政明監督)、 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019 、片渕須直監督)、『音楽』(2020 、岩井澤健治監督)

画像: 「BLUE GIANT」Blue Giant ©2023 BGP ©2013 S.I, S

「BLUE GIANT」Blue Giant
©2023 BGP ©2013 S.I, S

以上の他にもワールドフォーカス部門で「ラテンビート 映画祭」とのコラボレーションによるスペインや中南米の秀作に加え、台北駐日経済文化代表処 台湾文化センターとの共催による「台湾電影ルネッサンス2023 」、生誕100 周年を迎えるイタリアの巨匠・フランコ・ゼフィレッリ特集、スペインのバスク地方の映画の特集、アジアン・フィルム・アワード・アカデミーとの共催による香港映画の特集といった多彩な特集上映も行う。また、韓国での日本大衆文化開放25 周年の特別上映として『シュリ〔デジタル・リマスター版〕』(1999)と『Love Letter』(1995)の上映も行う。

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