【インタビュー】「正解のない違和感」を娯楽として描く『名無し』城定秀夫監督
目に見えない凶器が引き起こす惨劇。『名無し』はファンタジックな設定を借りながらも、観る者の倫理観を激しく揺さぶる徹底した不条理スリラーだ。俳優・佐藤二朗が放つ尖った脚本を鬼才・城定秀夫監督はいかにして映画の論理へと翻訳したのか。犯人への同情をあえて突き放し、丸山隆平やMEGUMIらと共に人間の底知れない狂気を炙り出した演出の裏側には、暴力を「娯楽」として描くことへの監督独自の葛藤と覚悟があった。「変な映画」であることを自負し、既存の枠をはみ出した挑戦作。城定監督が本作に込めた並々ならぬ執念と、制作の舞台裏に迫る。(取材・文/ほりきみき)