『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でダニエル・クレイグが最後のジェームズ・ボンドを務めた後、次の007は誰だ?という噂がひっきりなしに飛び交っています。そこで7代目を演じることが期待されている俳優たちを総ざらいして、今、最もボンドに近い人物を探ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)

次のボンドは40歳未満で5フィート10インチ以上が条件?

まず、「ジェームズ・ボンドを演じるための相応しい条件」というものが、製作者バーバラ・ブロッコリやマイケル・G・ウィルソン、キャスティング・ディレクターのデビー・マクウィリアムズら(彼らは今年の始めにはまだ新ボンド役を検討することは始めていないと言っていた)のインタビューなどによって語られている。

それによると彼らが現在探しているボンド俳優に望ましい条件として、「年齢は40歳未満、30代後半あたりが理想的で、身長は5フィート10インチ(約178センチ)以上」とのこと。

身長に関してはダニエル・クレイグの高さを基準にしていると思われる。クレイグは他の歴代ボンド俳優(いずれも185~190センチの高身長)の中で一番背が低かったことで、選ばれた当初問題視する人もいたようだ。

年齢に関してはボンドの若返りを図りたいようだが、20代ではまだそれなりに経験のあるボンド役に相応しい重みが感じられないので、少なくとも30代になっている方が好ましいという(これまでの最年少ボンドはジョージ・レーゼンビーの30歳)。

ブロッコリによれば「イギリス人であることを望む」ということだが、これまでにも例外はある。女優が演じるボンドの可能性については「ジェームズ・ボンドは男性という設定なので、女性には女性に相応しい別のスパイ映画を作るべき」という見解を示している。

また「臆することなく、魅力的で、身体能力があり、役柄を越えてそこにいるだけで華やかさを伴う人物」という厳しいリクエストもあり、10年間で3作に出演できることも重要らしい。これらをすべてクリアする俳優探しはかなり難しいようだ。

しかしオーディションはたびたび行われているようで、受けた俳優はその事実をにわかには認めないが、噂になる俳優の名前は次々聞こえてくる。

最近では『TENET テネット』(2020)や『ブレット・トレイン』(2022)などで活躍するアーロン・テイラー=ジョンソンなど。テイラー=ジョンソンは1990年生まれで180センチと年齢や身長の条件は満たしている。本人も否定的な話はしていない。有力な候補の一人だろう。

だが彼には来年公開のマーベル作品『クレイヴン・ザ・ハンター』がシリーズ化される可能性もあり、そちらが優先されるかもしれない。

画像: アーロン・テイラー=ジョンソン 1990年6月13日バッキンガムシャー生れ Photo by Getty Images

アーロン・テイラー=ジョンソン 1990年6月13日バッキンガムシャー生れ

Photo by Getty Images

テイラー=ジョンソン以外に以前から名前が出ていたのは『ヴェノム』(2018)のトム・ハーディや、『ビースト』(2022)のイドリス・エルバ、“スーパーマン”ことヘンリー・カヴィルなど。いずれもありそうな候補だが、彼らは“40歳未満”という条件からは外れてしまう。

同じようにファンからの要望が高い「ロキ」シリーズのトム・ヒドルストンや「アウトランダー」シリーズのサム・ヒューアン、「ホビット」シリーズのルーク・エヴァンスなどの人気スターも可能性が低くなるかもしれない。

逆に“スパイダーマン”ことトム・ホランド(本人はやる気満々)や『エターナルズ』(2021)のハリー・スタイルズは若すぎるということになるだろう。実はヘンリー・カヴィルも22歳の時にボンド役のオーディションを受けていたが、若すぎると判断され、ダニエル・クレイグに決まった過去がある。

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