巨匠が映し出す美しいイタリアの風景とその撮影方法
最新作にして最終章を飾る『イコライザー THE FINAL』の日本公開を目前に控え、SNS上では公開を楽しみに待つファンから「新作をどれほど待ち望んだことか!!!」「絶対に映画館で観る!」「イコライザー復習完了!後は公開を待つだけだ」など期待の声で溢れており、いかに本シリーズが多くの映画ファンに愛されているかがうかがえる。
全米では公開後初登場No.1の大ヒットスタートを切り、今最も注目のアクション映画との呼び声も高い本作において、アントワーン・フークア監督が撮影監督に起用したのは、オリヴァー・ストーン、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノなどハリウッドを代表する錚々たる監督の作品の撮影監督として知られ、過去に『JFK』(1991)、『アビエイター』(2004)、『ヒューゴの不思議な発明』(2011)でアカデミー賞を実に3度も受賞している巨匠ロバート・リチャードソン。
「イコライザー」チーム初の海外ロケで、物語に深みを持たせるのに相応しい舞台として新たに選ばれたのがイタリアだった。リチャードソンは過去にジュリア・ロバーツ主演の『食べて、祈って、恋をして』(2011)でイタリアロケの経験があり、本作で再びイタリアへ戻ることに胸を踊らせていたという。
映画のクライマックスでマッコールが最後の決着をつけるためだけでなく、自らの暴力への渇望を終わらせるために戦うとき、リチャードソンはナポリの通りを暗転させた。「人々の顔に火の明かりを当てているだけなんです。前面からの光はほとんど当てず、自然光のみです。ハードなバックライトを多用し、ほとんどすべての色を消してしまいます。雨を降らせ、細い石畳の道での苦悩を表現しました」と緊迫感溢れるシーンとなったクライマックスの撮影について、イタリアに馴染み深いリチャードソンだからこそ表現することの出来たその貴重な手法を明かした。
フークア監督とリチャードソンは2022年に公開されたウィル・スミス主演の伝記映画『自由への道』からの付き合いだが、本作に参加を決めた経緯についてリチャードソンは「アントワーンとはまるで兄弟のように感じているんです。私たちは双子のように同じことを考えていたりするし、二人の間の略語も色々あります。それに、アントワーンと一緒に仕事ができるという要素に加え、この映画を撮りたかった理由のもうひとつは、デンゼルとずっと仕事をしてみたかったからです。彼は本当に偉大な役者です。彼と一緒に撮影をし、彼の仕事ぶりを見て、彼が関わった唯一のシリーズ作に携わることができたのは非常に光栄なことだったのだと実感しました」と語り、抜群の相性を誇るフークア監督に加え、偉大なる名優デンゼル・ワシントンとの仕事に喜びを滲ませた。
デンゼルの名演ぶりはもちろん、巨匠だからこそ映し出すことの出来た美しいイタリアの風景や、どこを切り取っても絵画のようなロケーション、そしてシリアスかつハードに描かれるマフィアとの死闘の行方はーー。
『イコライザーTHE FINAL』
10月6日(金)全国の映画館で公開