2023年11月10日(金)『法廷遊戯』公開。久我清義役を演じた永瀬廉にインタビュー。(文・杉谷伸子/デジタル編集・スクリーン編集部/写真:奥田耕平(THE96))

永瀬廉

1999年1月23日生まれ。東京都出身。O型。2018年にKing & PrinceとしてCDデビュー。

「信長のシェフ」(2013)でドラマ初出演後、映画・ドラマでも活躍し、『うちの執事が言うことには』(2019)で映画初主演。連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)ではヒロインの幼馴染みを演じ、“りょーちん”として幅広い層の支持を得る。

『法廷遊戯』の主題歌であるKing & Princeの14thシングル「愛し生きること」は11月8日リリース。

“普段大切にしている事は直感ですね。自分の直感はわりと信じています。”

法曹の道を目指し、共に学んだ同級生3人。1人は弁護士となり、1人は被告人になり、1人は命を失った。弁護士でもある五十嵐律人による同名小説の映画化『法廷遊戯』で永瀬廉が演じるのは、弁護士の道に進み、衝撃的な事件を担当することになる“セイギ”こと久我清義。

伏線が張り巡らされた本格ミステリーは、同時にそれぞれの想いが絡み合う濃密な人間ドラマでもある。それは、青春の苦悩や屈折を繊細に体現してきた永瀬を、演技者としてさらに飛躍させる世界だった。

──無辜ゲームと呼ばれる模擬法廷を司っていた結城馨が命を落とし、幼馴染である織本美鈴が殺人の容疑者となる。

永瀬さん演じる久我清義は、事件の第一発見者にして、美鈴の弁護を担当するという複雑な役柄です。初の弁護士役ということで撮影前に裁判の傍聴にも行かれたそうですね。

裁判のシーンもありますし、裁判所の雰囲気や裁判の緊張感は自分の目で見て、肌で感じておきたかったんです。実際に行ってみると、厳粛な雰囲気に圧倒されましたね。被告人の方や弁護士の方の動きも注意深く見て、その空気感を頭に入れて演じていました。

役作りの面でいうと、本読みの時に(深川栄洋)監督が“空気感はその感じでいい”と言ってくださったので、あとはシーン毎でどこまで感情を出していくのかの相談をさせてくださいとお伝えして現場に臨みました。台本を最初に読んだ時にまず考えたのが、そこだったんですよね。

事態が二転三転するなかで、揺れ動く清義の感情をどこまで出すべきなのか。美鈴や馨も含め、現場でみんながどういうバランスで来るのかによるなと思いながら台本を読んでいました。

──清義という人間を演じるときに大切にされたのはどういうことですか。

清義自体はすごい正義感が強くて大胆なところもある。でも、過去に大人の汚い部分を目の当たりにしていて、人をなかなか信じられない。しかも、過去に犯した過ちでちょっと歪んでしまっていた自分の中の正義感が、馨と出会ったことによって二転三転していく。

その清義の感情の細かいグラデーションはかなり意識していました。わかりやすくはっきり表に出すわけではないと考えていたので、そこの加減は難しかったです。

──そうした感情のグラデーションが永瀬さんらしい繊細さで表現されていますが、演じながら清義に共感できた部分はありますか。

清義の人生にはいろんなことが起きているんですけれども、たくさん迷いを重ねて、自分で最後の決断を下す。その迷いから決断までのストロークは、日々、状況によって変わっていくし、それこそ体調によっても変わるくらいのレベルで悩み抜いているわけですよね。

僕自身はこれほどまでの悩みを抱えたことはないですけど、それでもこの世界に入って、決断をしなければならなかった経験はいっぱいあるので、決断までの厳しさや難しさはすごく共感できましたね。

清義が下した決断は自分がもともと持っていた正義感による部分が一番強かったと思うんですけど、大事なのは、結局、自分が何をするべきかというところなのかな。

──深川監督はひとつの場面をさまざまなかたちで検討されるので、現場でいろいろお話しされることも多かったとか。演出で印象的だったことはありますか。

“息遣いを大事にしてほしい”と言われたのを覚えてます。

前が見えなくなる感覚というか、雲の上を歩くような感覚みたいな。本当に歩けているのかというような清義が感じる息苦しさを、息遣いというかたちでちゃんと表してほしいと、何回も言われました。息遣いが荒くなってくる感じも、“徐々に荒くしてみて”と。

現在のシーンでも過去のシーンでも、清義の中で生まれてる感情を息遣いでも表現してみてということは、ことあるごとに言われましたね。そこらへんはちょっと難しかったです。

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『法廷遊戯』2023年11月10日(金)公開

画像: 『法廷遊戯』2023年11月10日(金)公開

法曹の道を志し、ロースクールで共に学んだセイギこと久我清義と幼馴染の織本美鈴。そして、学生たちの間で繰り広げられる “無辜ゲーム”と呼ばれる模擬法廷を主宰する異端の天才・結城馨。無辜ゲームの場で起きた悲劇をきっかけに、3人の隠された真実が暴かれていく。

原作は、五十嵐律人が司法修習生時代に刊行され、第62回メフィスト賞を受賞したデビュー作。監督は、『白夜行』『神様のカルテ』などを手がけ、人間ドラマに定評のある深川栄洋。

永瀬廉、杉咲花、北村匠海という若手実力派が体現する愛や苦悩を、柄本明、生瀬勝久、筒井道隆らがさらに味わい深いものにしている。

久我清義(永瀬廉)

画像: 久我清義(永瀬廉)

弁護士を目指し、名門・法都大学の法科大学院=別名・ロースクールで学ぶ。過去に起きた事件をめぐり、在学中に誹謗中傷のビラを撒かれた経験も。

“無辜ゲーム”と呼ばれる模擬法廷を司っていた馨が命を落とした事件で、容疑者となった幼馴染の美鈴の弁護を担当。友人たちからは“セイギ”と呼ばれている。

『法廷遊戯』
2023年11月10日(金)公開
日本/2023/1時間37分/配給:東映
監督:深川栄洋
原作:五十嵐律人
出演:永瀬廉(King & Prince)、杉咲花、北村匠海、戸塚純貴、黒沢あすか、倉野章子、やべけんじ、タモト清嵐、柄本明、生瀬勝久、筒井道隆、大森南朋

Ⓒ五十嵐律人/講談社 Ⓒ2023「法廷遊戯」製作委員会

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