変わり者のトワと、変わり者の園子。二人にしか分からない世界。
コンビニで働く女の人・園子に片想いをしている植木屋でトワは、毎日植木屋で働きながら、彼女がどんな人か想像している。
なんとか話したいと思った彼がついに思いついたのは、木の葉をコンビニの前から自分がいる場所まで並べて、彼女を誘うことだった。二人は言葉を交わすようになり、周囲にはよく理解できない会話で仲を深めていくのだが、園子にはトワにうまく言い出せないことがあり…。
世の中に馴染めない、おかしな2人が繰り広げるメロドラマ。世の中の〈普通〉に馴染めない、おかしな二人のおかしな会話の応酬で繰り広げる『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前田弘二×脚本・高田亮コンビの最新作。
主演に『夏、至るころ』(20)、『OUT』(23)と主演作が続く倉悠貴、ヒロインに『ソワレ』(20)、『ひらいて』(21)の芋生悠を迎え、成田凌、宇野祥平らが脇を固める。また、川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、松井愛莉らも名を連ねる。
前田監督のインタビューが到着!
『まともじゃないのは君も一緒』でもコンビを組み、20 年以上の親交がある前田弘二監督と脚本家の高田亮。
前田監督は「高田さんの脚本を読み終わった時、こんな世界があってもいいよねと気持ちが軽くなりました。トワが木の葉を並べたら、それを追って園子がやって来て、二人でケーキと餃子を食べて、ただ「おいしいね」と言い合う。
それだけで成立する関係性に感動して、『この二人に会いたい』と強く思いました」と、脚本を読んだ時の気持ちを明かし、「いろんな要素が盛りだくさんにあって、今撮らなければいけないと感じました。『まともじゃないのは君も一緒』の時もそうでしたが、へんてこな物語です。へんてこなものを、なるべくへんてこなまま出さないと壊れてしまう。ジャッジしようがないものも含めて、このままの形で届けたいと思いました」
と語った。主人公のトワと園子を演じた、倉悠貴と芋生悠の演技については「まっすぐ演じてくれているのを見て、こちらが余計な面白みを出そうとするとわざとらしくなるので、この空気を汚さないようにしようという気持ちになりました。素直な二人の演技を、邪魔しないように見届けようと思いました」と話し、なるべく二人のそのままの演技を活かして撮影が行われたという。
トワが園子を誘い出すため落ち葉を並べるシーンでは、監督自ら撮影に使う落ち葉を集めたらしく「苦労したのは、木の葉をどうするかですね。緑の葉っぱは地面が暗いと埋もれるし、落ち葉の茶色は全然画にならない。季節柄、黄色い葉っぱがいいのではと置いてみたら、目立ちました。撮影当日の朝に、監督補の薮下くんと懐中電灯を持って神社へ出掛け、黄色い葉っぱを集めました」と、印象的なシーンの撮影裏話を明かした。
最後に「観てくださった方が、少しでも楽になる作品になっていれば、いいなと思います」と本作に込めた想いを語った。映画『こいびとのみつけかた』は本日より全国公開中。
『こいびとのみつけかた』
監督:前田弘二 脚本:高田亮 音楽:モリコネン
倉悠貴 芋生悠 成田凌 宇野祥平 川瀬陽太 奥野瑛太 高田里穂 松井愛莉
©JOKER FILMS INC.
企画・製作・配給:ジョーカーフィルムズ