遺族を使用人として雇い始まった奇妙な共同生活の辿り着く先とは?
息子が起こした交通事故の罪を被り、刑務所に収監されていた家族の長の帰還を祝う宴の準備が進められている。
収監されている間、妻と息子は、協力しあって家族と家計を守り、亡くなってしまった男の妻と子供たちを引き取り使用人として面倒を見ていた。しかし、宴の日が近づくにつれて後ろめたさと悲しみが再びあらわれ、「失った者」と「失わせた者」との間の平穏はかき乱されていく…エンドロールを迎えた時、あなたの心はあぶりだされるー。
『ローサは密告された』『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』など、フィリピン社会の暗部をえぐり、社会問題や社会的リアリズムを通してそこで強くたくましく生きる庶民の姿をリアルに描いてきた、フィリピンを代表する社会派監督ブリランテ・メンドーサ監督最新作は、フィリピンの田舎町で巻き起こった交通死亡事故から始まる当事者家族同士の心の機微と赦しをテーマに描く。
しかし、それだけでは終わらないのがメンドーサ監督。ただのハートフルムービーではなく、ストーリーは次々と観るものの予想を裏切る展開を見せ、抒情的な映像の奥で、大きな疑問符をわれわれ観客に突きつける。凝り固まった映画ファンの映画的常識に挑むメンドーサ監督からの挑戦であり、野心作とも言えるだろう。
フィリピンを代表する俳優陣が夢の共演
主演には、平均視聴率40%を誇り、7年にわたり放送されたフィリピンの国民的人気ドラマ「プロビンシャノ」の主演を務め、国民的スターの地を不動のものとしたココ・マーティン。
そして、メンドーサ作品の常連であり2016年カンヌ国際映画祭にて東南アジアで初の主演女優賞を獲得したジャクリン・ホセ、人気アクション俳優であり現在は上院議員を務めるリト・ラピッド、子役からスタートし数々の作品に出演し敵役に定評のあるグラディス・レイエスなど、フィリピンの人気俳優が集結した。また、東南アジアの色鮮やかな野菜や肉・魚を使った大皿料理の調理シーンも見ごたえ十分である。
11 月1 日は、主演を務めたココ・マーティンの誕生日。日本の公開が決定したことを受け、「日本の皆さん、そして日本にいる同胞の皆さんに、この『FEAST』を観て頂けることを願っています」とコメントを寄せた。
『FEAST -狂宴-』
2024年春、公開決定
監督:ブリランテ・メンドーサ 脚本:アリアナ・マルティネス
出演:ココ・マーティン、ジャクリン・ホセ、グラディス・レイエス、リト・ラピッド
配給・宣伝:百道浜ピクチャーズ
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