カバー画像:© Hartswood Films 2016
海外ドラマの中でも英国ドラマは独特の魅力があり、その世界観にどっぷりとハマる人が多い。時間をかけて丁寧に作られた英国ドラマには質が高い作品が多く、俳優たちの演技には重厚感があり、芸術性を感じさせる。
かつて日本に上陸する英国ドラマはミステリーものが多かったように思うが、ほかにもブラックユーモアに溢れたコメディや、ウィットに富んだ掛け合いが見どころの人間ドラマなど、ジャンルも多種多様。その中から、ぜひ見てほしい10作を紹介しよう。
「SHERLOCK シャーロック」
現代ロンドンを舞台に稀代の名探偵が天才的な推理を展開
名探偵シャーロック・ホームズが現代を舞台に活躍。ベネディクト・カンバーバッチが自らを「高機能社会不適合者」と呼ぶシャーロックを快演。マーティン・フリーマン演じるワトソンとのブロマンスが世界中のファンを惹き付けた。
しびれるような名推理はそのままに、ほかのホームズ作品とは全く違うスタイリッシュな演出が魅力。
「ダウントン・アビー」
英国貴族階級とその使用人たちが織りなす人間ドラマ
1910年代から始まる、イングランド郊外の大邸宅“ダウントン・アビー”で暮らす貴族の一家と使用人たちのヒューマンドラマ。
登場人物一人一人の詳細な描写に引き込まれ、階級制が存在する中、使用人であろうと高いプライドを持って仕事をしている姿が魅力的。愛憎渦巻く人間模様が面白く、一度見たらハマらずにはいられない!
「ザ・クラウン」
英国王室の赤裸々な内部に興味津々の衝撃ドラマ
女王エリザベス2世と英国王室の人々の素顔を綴る、莫大な予算をかけて製作された実話に基づくドラマ。
女王が健在だった2016年からスタートし、女王自身もお気に入りだったという傑作シリーズだが、ここまで赤裸々に内部を描いていいのかと毎回驚くこと必至。現国王チャールズの成長の過程も知ることができて非常に興味深い。
「Fleabag フリーバッグ」
ダメダメな主人公の赤裸々な日々から目が離せない!
「キリング・イヴ/Killing Eve」の企画・製作総指揮などで高い才能を発揮し、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)への出演でも知られるフィービー・ウォーラー=ブリッジ主演・製作総指揮のコメディドラマ。
性に奔放すぎるし、性格も良いとは言えない、ダメダメな主人公の赤裸々な日常が気になって仕方なくなるヒット作。
「ドクター・フー」
異星人ドクターの冒険を描く国民的長寿SFシリーズ
1963年から放送されている、世界最長のSFテレビシリーズ。時空を自由に行き来できる異星人の主人公ドクターは人種性別問わず別の体に再生できるため、複数の俳優たちがドクターを演じてきた。
「ザ・クラウン」のマット・スミスや「グッド・オーメンズ」のデヴィッド・テナントなど人気俳優が嬉々として好演していて楽しい。
「グッド・オーメンズ」
天使と悪魔が結託? 奇想天外なファンタジー・コメディ
「プロディガル・サン」のマイケル・シーンと「ドクター・フー」のデヴィッド・テナントが天使と悪魔に扮し、気に入ってしまった人間の文化を守るためにハルマゲドンを避けようと結託するファンタジー・コメディ。
人気俳優2人の掛け合いがたまらなく面白いのだが、特に心優しい天使役のシーンのキュートな表情が魅力的だ。
「名探偵ポワロ」
灰色の脳細胞と呼ばれる名探偵の推理劇に引き込まれる
デヴィッド・スーシェがエルキュール・ポワロを演じる大人気シリーズ。
ケネス・ブラナー版の映画シリーズも話題だが、スーシェ版は「最も原作に近いポワロ」と称賛され、名推理を披露する上で助手のヘイスティングス、ジャップ警部、秘書のミス・レモンとのユーモラスな掛け合いが非常に面白い。英国ドラマを代表する1作だ。
「アウトランダー」
時空を超えた大冒険ロマンスに世界中が熱狂!
ベストセラー小説のドラマ化。世界中でファンを虜にしている大ヒットファンタジー作品。
主人公クレアの時空を超えた大恋愛、雄大なスコットランドの情景の映像美、そして官能的なラブシーンの数々が魅力。歴史劇としても楽しめ、クレアの冒険ロマンスに釘付けになる。主演のカトリーナ・バルフとサム・ヒューアンは本作で大人気スターに。
「ピーキー・ブラインダーズ」
実話を基にした重厚な味わいのギャング・ドラマ
第一次世界大戦後を舞台に、実在したギャング「ピーキー・ブラインダーズ」を題材に描く重厚なドラマ。
『オッペンハイマー(原題)』の主演でも注目を浴びているキリアン・マーフィーが組織を仕切るトミー役を熱演。冷酷で頭が切れるが家族を大事にするトミーの生き様が見どころ。ユダヤ系ギャングのボス役のトム・ハーディも見逃せない。
「Mr.ビーン」
台詞がほとんどないのにおバカな主人公に大爆笑必至!
自己中心的で変わり者なのに、その言動から目が離せない主人公・ビーンをローワン・アトキンソンが演じて大人気となったコメディ。
セリフがほとんどないため、ビーンの表情と動きだけで笑えるのが見どころ。ビーンの暮らしぶりから英国文化を知ることができる。アトキンソンは入念にリハーサルをし、細部にまでこだわって演じたという。