Photo by Ferda Demir/Getty Images for ZFF
遂に58歳の誕生日を迎えたマッツ・ミケルセン。この世に星の数ほど存在する“イケオジ”の中でも、年を重ねるにつれ魅力が増し、その人気が常に上昇し続けている、才能あふれる類い稀な俳優の1人。今回は、そんな彼の誕生日を祝して、マッツの歩んできた軌跡を振り返ってみましょう。(文・山村祥子/デジタル編集・スクリーン編集部)
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58歳を迎えたマッツ・ミケルセン

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11月22日に58歳の誕生日を迎えたマッツ・ミケルセン。“イケオジ”のイメージはすっかり定着し、ここ1年半ほどでまた新しいファンが増えた印象がある。

きっかけは『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)と『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)なのだが、マッツ自身の魅力とこれまでのキャリアを考えると、それも当然だと思えるのだ。

マッツは1965年、デンマークのコペンハーゲンで生まれた。映画デビューはニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』(1996)。公開時、マッツは30歳。それまではダンサーとして活動しており、遅めのキャリアスタートだった。

母国の作品を中心に出演を重ね、転機が訪れたのは40代のとき。『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)で、知性と残虐性のある悪役ル・シッフルを演じ、鮮烈な印象を残したのだ。

国内外でオファーが増えるなか『偽りなき者』(2012)では、子供の小さな嘘から性犯罪者扱いされてしまう男性の悲哀を好演し、カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞。

熱狂的なファンが続出した「ハンニバル」シリーズ

そして実力と人気を決定づけたのが「ハンニバル」シリーズ(2013~2015)。優雅で気品に溢れながらも、裏で殺人を繰り返し、華麗な手さばきで調理するレクター博士像が大ウケし、熱狂的なファンが続出した。

50代に入ると『ドクター・ストレンジ』(2016)『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)と、人気シリーズ大作が続けて公開。

一方、故郷デンマークでの映画出演も大切にしていて『アナザーラウンド』(2020)では、上手くいかない人生を変えるために酒をあおる中年教師を伸び伸びと、人間味たっぷりに演じている。

そして「ファンタスティック・ビースト」と「インディ・ジョーンズ」である。「ファンタビ」では、魔法界の繁栄という信念から世界を支配しようとする“史上最悪の魔法使い”グリンデルバルトを、「インディ」では、科学と歴史を愛し、インディと対立する元ナチスの科学者フォラーを演じ、深みのあるヴィラン像を見せた。

マッツが演じることで活きる説得力と人間的な深み

マッツを見ていると“本当は別の世界線で生きているのでは?”と思うことがある。

逞しい骨格と綺麗な立ち姿。繊細で美しい顔立ちに、絶妙な角度でかかる前髪。年齢を重ねているからこそ醸せる余裕と色気。特にグレイヘア×オールブラックコーデ×タバコのコンボは、歩いているだけでも絵になる。

それでいて私服はジャージ、コカ・コーラ好き、という抜け感もあり、どこか別の次元の、漫画やアニメのキャラクターのようにも感じられるのだ。

『ポーラー 狙われた暗殺者』(2019)は、グラフィックノベルの世界観にも違和感なく馴染むマッツのビジュアルを、崇めずにいられなかった。

唯一無二の存在感に、演技という努力と感性が加わって、魅了されないわけがない。

“演じる上で大事にしているのは、キャラクターの思考プロセスを理解すること”と語るマッツのアプローチは特に悪役で活きていて、一般的な思考から離れたキャラクターでも、マッツが演じることで説得力と人間的な深みが増し、“彼の考えも一理ある”と思わせてくれる。

近寄りがたさと、内なる共感要素。そのバランスが絶妙で、引き込まれてしまうのだ。「ハンニバル」「ファンタビ」「インディ」と、ヴィランを演じる度にファンが増えてきたのも納得だ。

マッツが今年2度目の来日! 東京コミコン2023

自身のファンを大切するのもマッツの素敵なところで、今年5月には大阪コミコン2023で来日し、ファンとの触れ合いを満喫。

「日本のファンはスイートで思いやりがある。次回はもっと時間を取りたいと思っているよ」と語っていたが、その思いを早くも行動に移してくれた。12月8日からは東京コミコン2023で、3日間にわたりファンとの撮影とサインに応じる予定なのだ。

世界的な人気を得ても、ファン一人ひとりと向き合うことを大切にしているのがマッツらしい。

そんなマッツの今後の俳優活動はというと、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(2012)で組んだニコライ・アーセル監督の『The Pro–mised Land』、「ハンニバル」で脚本を手掛けたブライアン・フラーの初監督作『Dust Bunny』、冷戦下で暗躍したスパイの物語『The Billion Dollar Spy』。

さらに『ポーラー 狙われた暗殺者』の続編『The Black Kaiser』も控えていて、次はどんな姿を見せてくれるのか、期待が膨らむ。

57歳までのマッツはとても素敵だった。歳を重ねゆくマッツもきっと魅力的で、私たちを一層ときめかせてくれるに違いない。

58歳も素晴らしい一年になりますように!

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