『ミッドナイトスワン』(2020)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、主演に山田涼介、ヒロインに浜辺美波を迎えてオリジナル脚本で描く最新作、映画『サイレントラブ』(2024年1月26日公開)。音楽を久石譲が担当し、優しく、切ない音色で物語に花を添える。ラブストーリー映画初主演となる山田と様々な作品でヒロインを演じてきた浜辺。繊細な表現で切なく美しい物語を紡いだ二人は、初共演でお互いにどのような印象を抱いたのか。撮影現場での思い出や、芝居を通じて感じたこと、内田監督の演出や好きな恋愛映画について語ってもらった。(文・タナカシノブ/デジタル編集・スクリーン編集部/写真・野口貴司(SanDorago))

山田涼介 プロフィール

1993年5月9日生まれ。東京都出身。Hey! Say! JUMPのメンバーとして2007年にCDデビュー。アーティストとしてのみらず、俳優としても活躍。

『映画 暗殺教室』(2015)で日本アカデミー賞新人俳優賞、『グラスホッパー』(2015)で日本映画批評家大賞新人男優賞受賞。

以降「鋼の錬金術師」(2017、2022)シリーズや『記憶屋 あなたを忘れない』(2020)など話題作に主演。

2023年の出演作は、ドラマ「王様に捧ぐ薬指」、映画『BAD LANDS バッド・ランズ』など。本作は自身初の恋愛映画主演作。

浜辺美波 インタビュー

2000年8月29日生まれ。石川県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞し芸能界入り。その後、ドラマや映画、CMなど多岐にわたり出演。

2017年公開の映画『君の膵臓をたべたい』で、第41回「日本アカデミー賞新人俳優賞」などを受賞。2023年は連続テレビテレビ小説「らんまん」でヒロインを務め、劇場アニメ『金の国 水の国』では主人公の声を担当。映画『シン・仮面ライダー』、『ゴジラ-1.0』でもヒロイン役を務めている。

山田涼介×浜辺美波インタビュー

画像: 山田涼介×浜辺美波インタビュー

──蒼、美夏というキャラクターをどのように感じましたか?

山田 人生を諦めていた中で、美夏という光のような存在に出会います。美夏とどうなりたいというよりも全力で守りたいという気持ちが蒼には何よりも大切。多くは語らない二人にとって音や仕草、表情はとても繊細になる印象があり、大切にしたいと思いながら演じていました。

浜辺 絶望の中にいたところに現れた蒼のあたたかさは美夏にとって一つの光のように見えていたと思います。その救いの手のありがたさを感じ、しがみつくように、縋ってくような気持ちになっていく。蒼は美夏に光を照らしてくれるような存在だと感じました。

──本作が初共演。お互いにどのような印象を持っていましたか

浜辺 小さい時からテレビで観ていました。

山田 本当かーー?

浜辺 観てました!

山田 ありがとう(笑)。僕はみなさんが抱くイメージと同じ感じだと思います。『本当に綺麗な子だな』って。

浜辺 またまたー!

山田 本当に。小さい頃からこの世界にいる浜辺さんの姿を見てきたけれど、実際にご一緒して、いい意味で年相応な感じがしない、ものすごく大人という印象を受けました。

浜辺 『左目探偵EYE』や『金田一少年の事件簿』は家族みんなで観ていましたし、バラエティなどでもその姿があって。よく観る方ではあるけれど、同じ業界に居てもやっぱりテレビの中の人というイメージでした。

生身の山田さんを観たときは、『あ、本当に存在するんだ』って(笑)。クールな印象を勝手に持っていましたが、実際の山田さんは雰囲気がすごく柔らかくて、人間らしくてあたたかみのある方でした。

──お互いの中に役と通じる部分を感じることはありましたか?

山田 積んできた経験が豊富ということも含めてだと思うけれど、物怖じせずブレないところは、一度決めたらこうだと真っ直ぐに突き進む美夏と通じる部分だと思ったし、7歳下だけどとても頼もしく感じました。

浜辺 主演として座長として引っ張っていく力や存在感の大きさは蒼とすごく共通している部分。むしろ、山田さんが演じるから、蒼があんなにも説得力のある役柄になったのだと思います。

──本作は恋愛映画ということで、お二人の好きな恋愛映画を教えてください!

山田 『ロミオ&ジュリエット』。あまり恋愛映画は観ないけれど、レオナルド・ディカプリオは別格。多分30回以上は観ています(笑)。

本当かどうかは分からないけれど、ジュリエット役のオーディション来た女優さんがみんなディカプリオに惚れちゃうっていう、そんな逸話も含めてこの映画が大好きです。

浜辺 私は『パーム・スプリングス』。ハッピーな感じの恋愛映画が好きなので、ポップなポスターに惹かれて観ました。ハッピーだけど視点によって全く違う感情が湧く意外性のある恋愛映画でしたが、ちょっと憧れるロマンチックさがあって。私の好きな部類のロマンチックでした。

山田 僕はハッピーより切ないのが好き。『私の頭の中の消しゴム』とか、涙止まらないです!

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映画『サイレントラブ』2024年1月26日(金)公開

画像: 映画『サイレントラブ』2024年1月26日(金)公開

蒼(山田涼介)がある日出会ったのは、事故で目が不自由になった音大生の美夏(浜辺美波)。ピアニストになるという夢を諦めない美夏に心を奪われた蒼は、彼女をすべての危険から守ろうとする。

しかし、美夏に想いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。蒼の不器用すぎる優しさが、ようやく美夏の傷ついた心に届き始めた時、運命の濁流がふたりをのみこんでいく。

沢田蒼(山田涼介)

画像1: 映画『サイレントラブ』山田涼介×浜辺美波インタビュー/“君にとって、ただ一人のヒーローでありたい”

声を発することをやめた不器用な青年。希望もなくただ生きているだけの生活を送っていたが、美夏に出会い、心を奪われ、次第に交流を深めていく。

甚内美夏(浜辺美波)

画像2: 映画『サイレントラブ』山田涼介×浜辺美波インタビュー/“君にとって、ただ一人のヒーローでありたい”

不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがく音大生。ピアニストになるという夢を持っている。

『サイレントラブ』
2024年1月26日(金)公開
日本/2024/1時間56分/配給:ギャガ
監督・脚本・原案:内田英治
音楽:久石譲
出演:山田涼介、浜辺美波、野村周平、古田新太 ほか

©2024「サイレントラブ」製作委員会

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