第96回アカデミー賞のノミネーションが1月23日に発表されました。現在賞レースのトップランナーとなっているのが、3月29日の日本公開が発表された話題作『オッペンハイマー』。作品賞・監督賞の本命候補であり、演技部門なども含めて最多13部門でノミネートを果たしました。

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第96回(2024)アカデミー賞スケジュール※現地時間

1月23日(火) ノミネート発表
3月10日(日) 授賞式
※授賞式は日本時間3月11日(月)

『オッペンハイマー』は名匠ノーラン監督の“最高傑作”の呼び声も

アカデミー賞ノミネート部門
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、音響賞

今度のアカデミー賞授賞式は日本時間2024年3月11日(月)に開催。そのノミネーションが発表されたが、最多13部門にノミネートされたのが巨匠クリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』。

『オッペンハイマー』は世界初となる原子爆弾を開発し、「原爆の父」と呼ばれた理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの実話を映画化した作品。世界の運命を握ると同時に、世界を破滅する危機に直面するという矛盾を抱えた一人の男の知られざる人生を、上映時間約3時間という壮大なスケールで描き出す。

現在世界興行収入は9億5000万ドルに達し、実在の人物を描いた伝記映画として歴代ナンバーワン作品に。『インセプション』(2010)『ダンケルク』(2017)『TENET テネット』(2020)など数々の話題作を送り出してきたノーラン監督の“キャリア最高傑作”とも評されている。

日本公開は世界から遅れたものの、3月29日(金)に公開されることが決定。配給会社は「本作が扱う題材が、私たち日本人にとって非常に重要かつ特別な意味を持つものであるため、さまざまな議論と検討の末、日本公開を決定いたしました」とコメントを発表している。

この1月に授賞式が行われたゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ部門)・監督賞・主演男優賞(ドラマ部門)・助演男優賞・作曲賞の最多5部門を制した本作は、目下のところアカデミー賞でも大本命と目されている。

米老舗業界紙「バラエティ」はこの年末の予想記事の中で本作を作品賞の本命候補に、また監督賞の本命にもクリストファー・ノーラン監督を挙げている。ただし「『バービー』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『哀れなるものたち』との対決は避けられない」とも。

米有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」も年末予想で作品賞本命に『オッペンハイマー』を選出。各メディアの予想はあくまで流動的なものではあるが、現時点では『オッペンハイマー』は作品賞・監督賞に最も近い作品と言っていいだろう。

さらに本作は演技部門でもアカデミー賞を席巻することが予想され、主演を務めたキリアン・マーフィー、その妻を演じたエミリー・ブラント、原子力委員会の委員長ルイス・ストローズ役のロバート・ダウニー・Jr.の三人が候補入りを果たしている。

強力なライバルもひしめく中で、本作が何部門を制するのかが今度の授賞式の焦点の一つとなる。

主演男優賞 ノミネート
キリアン・マーフィー(ロバート・オッペンハイマー役)

ノーラン作品常連だが主演は初

『オッペンハイマー』の主人公ロバート・オッペンハイマーを演じるのはノーラン監督の盟友キリアン・マーフィー。『バットマン ビギンズ』(2005)『ダンケルク』などノーラン作品の常連だが本格的な主役を演じるのはこれが初で「多くの重荷が肩にのしかかった」ことを告白している。

矛盾を抱えたオッペンハイマーの複雑な内面を見事に表現した彼の演技は共演者からも絶賛の嵐。今回の候補入りはマーフィーにとって初めてのノミネートとなる。

助演男優賞 ノミネート
ロバート・ダウニー・Jr.(ルイス・ストローズ役)

画像: 助演男優賞 ノミネート ロバート・ダウニー・Jr.(ルイス・ストローズ役)

三度目の候補で初受賞なるか注目

『アイアンマン』(2008)のロバート・ダウニー・Jr.が演じるのは原子力委員会の委員長ルイス・ストロース。オッペンハイマーと彼の緊張関係が物語の重要な部分を担う。

マーフィーは彼との共演について「今まで仕事をした中で最も魅力的で、存在感があり、予測不可能なほど素晴らしい俳優」と称賛。

ダウニー・Jr.は『チャーリー』(1992)『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)に続いて3度目のノミネート。受賞すれば初となる。

助演女優賞 ノミネート
エミリー・ブラント(キティ・オッペンハイマー役)

画像: 助演女優賞 ノミネート エミリー・ブラント(キティ・オッペンハイマー役)

候補入りを果たしノーラン作品初の快挙

主人公ロバート・オッペンハイマーの妻キティを演じるのは「クワイエット・プレイス」シリーズのエミリー・ブラント。キティはオッペンハイマーの人間関係における最重要人物であり、出演時間は限られているものの、彼女の登場シーンは本作のハイライトシーンに数えられている。

ブラントがアカデミー賞にノミネートされたことで、ノーラン監督作で女優としてアカデミー賞候補になった最初の一人に。ブラント自身の候補入りも初。

監督賞 ノミネート
クリストファー・ノーラン監督

“無冠の天才監督”がついに戴冠なるか

本作のメガホンを取ったのは「いま世界でもっとも新作が待ち望まれる監督」として名高いクリストファー・ノーラン。

本作は伝記映画として史上最高の興行収入を記録しただけでなく、第二次世界大戦を題材にした映画としても最大のヒットになるなど数々の新記録を樹立し、“ノーラン史上最高傑作”の呼び声も。

ノーランはプロデューサー・監督・脚本家としてアカデミー賞で5回候補になっているが受賞はなく、今回初の戴冠なるかが注目される。

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『オッペンハイマー』
2024年3月29日(金)公開
監督:クリストファー・ノーラン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画

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