30年ぶりに復活した「ゴーストバスターズ」シリーズ作品に関わっているジェイソン・ライトマンは制作技術の評価を活発に行っており、新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』制作と並行して、同僚たちとゲームエンジンを使ったリアルタイム映像制作、映画の世界に入り込んだ体験の試作などを行い公開してきた。新作の公開に合わせて、技術評価のバックストーリーを紹介する。

■リアルタイム映像制作

近年ゲーム制作技術の発達は目覚ましく、実写に近い映像をリアルタイムに描画できるようになってきている。これを映画制作にどう活用できるかを試したのが今回のプロジェクトである。チームが取り組んだのは、大きく2つ、精密な街並みの3Dデータとその中で自動的に動いている車や人込みの中でロケハンから撮影までバーチャル空間内で行うこと、そして、モーションキャプチャ―技術で役者の動きや顔の表情をリアルタイムにCGキャラクターに反映して、それをあたかもその場で実際に巨大なマシュマロマンの前でカメラを回しているように感じながら撮影をすることである。

ゲームエンジンの中の世界で撮影をしているので天候や時間帯も自由に変えられ、また、従来は撮影後に長期間のCG制作をして仕上げていたマシュマロマンの演技や表情も、役者との間で演技を重ねながらその場でリアルタイムに改善していけるので、半日のモーションキャプチャ―撮影の間にたくさんのバリエーションを撮影でき、監督の目指す、表情豊かな演技が撮影できた。

この活動の様子と制作された短編映像は2023年8月に行われたCG業界で世界最大のイベントであるSIGGRAPHでジェイソン・ライトマン本人も交えたパネルで詳しく紹介され、その動画も公開されているので詳しく知りたい方はこちらを。

https://square.sony.com/ja/scc2023/previsualization/

画像: 『ゴーストバスターズ』の制作陣が試したリアルタイム映像制作技術が観客を映画の中へ連れて行く!

■映画の中に入り込む

ゲームエンジンの中で映画シーンを作りこむことの最大の利点は、シーンで起こる出来事をシーン内のどの地点・カメラアングルからでも、いつでもリアルタイムに再現できることである。2次元の映像で撮影・編集をする従来の映画制作の手法では実現できなかった、映画シーンそのものを映画以外のメディアに再展開することが容易にできる。それを端的に示したのが、ソニーグループがCES 2024で展示した、ゴーストバスターズの世界の中に入り込める体験だ。床と3方向の壁に映像が投射された部屋の中に15人程度で入り、ゴーストバスターズの短編映像の中のシーンをストーリーを追って、路上、屋内、ECTO-1など複数のカメラアングルで体験できる。また、映像音声に加えてこの体験では床全体に振動デバイスが埋め込まれていてマシュマロマンが近くを歩くと、その振動が体験者の全身に伝わる。マシュマロマンも小型・軽量のモバイルモーションキャプチャー『mocopi®』でリアルタイムに動いていて来場者の動きに合わせて身振り手振りでコミュニケーションができるなど、短編制作に使われた技術を没入型エンタメ体験に応用している。映画制作向け技術とテーマパークのような体験の間に、コンテンツと技術の両方が共通のものとして深く関わっていることが良くわかる。

この体験は映像だけではなかなかすべてを理解するのは難しいが、CESで話題になった体験であり、関連サイトや動画サイトでの投稿も多くあるので気になる方は確認してみてほしい。ソニーグループの紹介サイトはこちら。

https://square.sony.com/ja/ces2024/

■映画制作技術がファンの楽しみをさらに広げる

今回紹介をした制作技術や体験はちょうど試作を終えた段階で、今週公開の新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』に直接使われたわけではない。しかし、映画ファンにとっては映画シーンの映像や音声がどうやって作られたのか、作品を見た後で想像するのはとても楽しいし、感動した映画の中に入れるのであればぜひ体験してみたい。そういった夢を実現するために映画制作に関わるクリエイターが最新技術を常に試しているというのは、なんとうれしいことではないか。そういったことを胸に、ぜひ、新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』も楽しんでほしい。

画像: 『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年3月29日(金) 全国の映画館にて公開

『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年3月29日(金) 全国の映画館にて公開

This article is a sponsored article by
''.