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あの監督も長編デビューはサーチライト!新たな才能を発掘!
一本一本の製作費が限られているので、当然のごとく新しい才能に門戸を開きやすいのがサーチライトの特徴。初長編をバックアップし、その才能を開花させ、人気監督に導くケースが目につく。マーク・ウェブのようにサーチライト作品で成功を収めたことで、直後にメジャースタジオの大作を任されるパターンもある。ドリュー・バリモアなど俳優の初監督作に関わることも多い。
新人監督ということで、いま最も注目が集まるのがテイラー・スウィフト。14分の短編で監督・脚本を務めたことのある彼女が、サーチライトの下で長編映画監督デビューを果たすことが決定。詳細は明らかになっていないが、サーチライトの新監督発掘として最大の話題になるのは間違いない。
マーク・ウェブ『(500)日のサマー』
それまでミュージックビデオを手がけてきたマーク・ウェブが初長編で共感度満点のラブストーリーを完成。ウェブは「アメイジング・スパイダーマン」2作を任された後、再びサーチライトと組んで『gifted/ギフテッド』(2017)を撮った。
ジェイソン・ライトマン『サンキュー・スモーキング』
名監督の息子であるジェイソン・ライトマンの監督デビュー作もサーチライトが製作。タバコを巡るブラックユーモアも効かせた野心作。ライトマンは次の『JUNO/ジュノ』(2007)でもサーチライトと組み、さらなる大成功を収めた。
エヴァ・ロンゴリア『フレーミング・ホット!チートス物語』
今年のアカデミー賞で主題歌賞にノミネートされた本作は、「デスパレートな妻たち」などで知られる俳優エヴァ・ロンゴリアの監督デビュー作。人気スナック、チートスの会社での昇進物語。サーチライト製作でディズニープラスでの配信。
配給でも良作に光を当てる!買付センスもバツグン!
サーチライトは自社製作の映画と、配給のみを目的とする、他社製作映画の“買付”という両輪で成り立っている。1年の始めのサンダンス国際映画祭など、世界各地の映画祭やマーケットで自社のカラーに合う作品を発掘。
イギリスを中心に、ロシア、フランスなど北米以外の作品も対象で、それらの世界配給を手がけることで、知られざる名作にスポットライトを当てるのが会社としての使命のよう。『スラムドッグ$ミリオネア』にイチ早く目をつけたことも有名。
ただし近年は買付の価格争いの激化によって、製作の方に重きを置いているという。ウェス・アンダーソンのように同じ監督でも製作から関わる作品と、『犬ヶ島』など買付作品に分類できる。
『リトル・ミス・サンシャイン』
サーチライトでインターナショナルの配給チームが軌道に乗るきっかけを作ったのが本作。バス旅行を通して崩れかけた家族の再生が描かれ、日本でも口コミでヒットした。アカデミー賞に絡む作品が量産されるのも本作あたりから。
『ザ・メニュー』
近年のサーチライト作品の中でインパクト絶大の一本。人気シェフがもてなす孤島のディナーが衝撃の事態へなだれ込む本作は、R15+指定。ディズニー傘下となった後も、サーチライトの買付の方向性がブレないことを証明した。
『ナイト・ウォッチ』
ロシアのファンタジーアクション大作の可能性を発見したサーチライトが、本作と次の『デイ・ウォッチ』(2006)を世界配給して大成功。監督のティムール・ベクマンベトフは、その後『ウォンテッド』(2008)でハリウッド進出を果たした。