“集団狂気”を描くサスペンス・スリラー
本作は、『スパイの妻』(20)で、第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した黒沢監督の最新作で、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンス・スリラー。
「誰かに狙われている――?」転売で稼ぐ吉井の仕事が軌道に乗り出した矢先、周囲で不審な出来事が重なり、これまでの「日常」が壊されていく……。「ラーテル」というハンドルネームを使い、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を菅田将暉、吉井の謎多き恋人・秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年・佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男・三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長・滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩・村岡役を窪田正孝が演じている。
初主演作は黒沢組!の“松重豊”の出演が明らかに
このたび追加キャストとして発表されたのは8名。
まずは、ドラマ「どうする家康」や映画「青春18×2 君へと続く道」のほか、ラジオのパーソナリティーやエッセイの執筆など様々なフィールドで活躍、日本を代表する名バイプレイヤーの松重豊。松重は2021年にデジタルリマスター版が公開された黒沢清監督作の『地獄の警備員』で映画初主演。警備員の富士丸を演じ、圧倒的な存在感で業界に名を響かせた。その後、黒沢組には『カリスマ』、『リアル〜完全なる首長竜の日〜』に出演。本作は11年ぶりの出演となる。
さらに、今にも倒産しそうな町工場の社長・殿山宗一役に劇作家の赤堀雅秋。演劇以外でも『葛城事件』など映画監督としても作品を発表し、ドラマ「不適切にもほどがある!」などに出演、役者としても多方面で活躍。黒沢組には「贖罪」、『岸辺の旅』に出演。
その殿山の妻・千鶴役に、大河ドラマ「どうする家康」に出演、多くの映画・ドラマ作品に出演し黒沢組初参加の山田真歩が演じ、岡山演じる三宅が出会う謎の男・矢部役を、黒沢組常連で黒沢監督が今年発表した配信作品『Chime』で主演を務めた吉岡睦雄。
人生を見失った男・井上役を『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』での好演も記憶に新しい黒沢組初参加の三河悠冴。吉井を不審視する警察官・北条役を、硬軟織り交ぜた演技で数々の映画・ドラマ作品に出演、満を持して黒沢組初参加となる矢柴俊博。
下町の模型店の店主・室田役を、北野作品にも多数出演、黒沢組では『回路』『アカルイミライ』に出演した森下能幸。猟師役を演出家としても活躍し、黒沢組には『岸辺の旅』『予兆 散歩する侵略者』に出演した千葉哲也が演じる。
日本エンタメ最前線で活躍する実力派バイプレイヤーたちが勢揃いし、本作の主人公・吉井を取り巻く、不穏な空気感をより一層際立たせている。
『Cloud クラウド』
9月27日(金)、TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー
配給:東京テアトル 日活
©2024 「Cloud」 製作委員会