ジョン・クラシンスキー監督は共演者としても最高!
──ビーの役が決まったときのお気持ちからお聞かせください。
正式なオファーはzoomで受けましたが、驚きのあまり、多分、口があんぐり開いてしまっていたのではないかと思います。作品が完成し、自分がこの作品の主演として、日本のみなさんに取材を受けている今でさえ、信じられないくらいです。ジョンが私の中の何かを見つけてくれたのだと思いますが、本当にわくわくでいっぱいでした。
──脚本を読んでいかがでしたか。
興味深いアイデアだと思いました。しかも最近では珍しいオリジナル。最初に脚本を読んだときから心の琴線に触れ、改稿されるたびにそれが深まっていきました。ジョンのビジョンをちゃんと形にできていればいいなと思っています。
──ジョン・クラシンスキー監督はどのような方でしたか。
常にクリエイティブでいいアイデアを出してくれ、監督としても共演者としても素晴らしい方です。ティナ・ターナーの楽曲を使ったシークエンスはどうしたらこんなに素敵なことを思いつくんだろうと思ってしまいました。『クワイエット・プレイス』と同じ監督とはびっくりです。私にとってはスーパーヒーローのような存在で、すごく尊敬をしています。ジョンのことを悪く言う人は世界のどこを探してもいないのではないかと思えるくらい最高の方です。また一緒にお仕事がしたいです。
――監督が父親役を演じていましたが、その点ではいかがでしたか。
監督が出演もされるのは私にとって初めてのことだったので、どんな感じなんだろうとちょっと心配していましたが、まったくの杞憂でした。ジョンはものすごく自然で、私をのびのびと演じさせてくれました。現場でのジョンは私にとってまるでイフのような存在だったように思います。すべてにおいてベストでした。
──"空想の友達"=イフ(イマジナリーフレンド)という存在は日本ではあまり馴染みがありません。アメリカでは一般的な存在なのでしょうか。
私にはイフはいませんでしたが、イフがいる人は結構いるので、存在としては認知されています。今回の撮影にあたって、ジョンが児童心理学をリサーチしたところ、子どもは自分の状況に合わせて、必要なイフを作り出すそうです。学校でいじめを受けていたら、抱きしめて守ってくれるような大きなイフを想像するようにね。それを聞いて面白いなと思いました。自分のためにいてくれる存在ですから、子どもに限らず、大人でも必要であればいてもいいと思います。
──共演されたライアン・レイノルズはいかがでしたか。
本当に長けている方です。これは決してお世辞ではありません。撮影中、ずっと彼の様子を見ていましたが、ユーモアに溢れていますし、コメディのタイミングは抜群だし、アドリブも上手いし、全てにおいて素晴らしいのです。
例えばイフとのシーン。現場には大抵、イフの代わりになるものがあったのですが、たまにないときもありました。もちろん、見えないだけで、イフは存在していますけれどね(笑)。そんなときはやっぱり不安になるのですが、ライアンを見ると、何もないものに対してちゃんと演技しているし、それがカッコいいんです。
そんな風に側から見るとバカバカしいようなことでもカッコよくしてしまうのが、ライアンだと思いました。
──ライアンからいろいろ学んだのではありませんか。
ライアンは本当に忙しい方で、一度にいろんなことをやっていますが、それぞれにちゃんと時間を掛けていて、どれも余裕を持って成し遂げていました。私は同時にいくつものことをできないので驚きましたが、仕事への姿勢は見習いたいと思いました。
─ビーはご自身よりも若い役でしたが、演じるときに何か意識しましたか。
撮影当時、私は15歳で、ビーは12歳でしたが、正直、年齢のことはあまり意識しませんでした。キャラクターとして、ビーは年齢の割に成熟している女の子で、感情と行動がしっかりと連動していますが、気持ちを抑制してしまうところがあります。でも、抑制していた気持ちがいっぱいになってしまうと一気にあふれ出てくる。実は私もそういうタイプです。
順撮りをしていることもあって、成長していくビーの気持ちを素直に演じることができたので、そこをご覧いただければと思います。
──監督からはどのような演出がありましたか。
現場では特に何も言われませんでした。でも、オーディションのときに「そのままの自分でいていいよ」と言われて、いつもの自分のままジョンやライアンと演技したら起用してもらえたので、ジョンが求めているのはそういうことだと思って、現場でもそのままの自分でいました。
憧れのマンディ・ムーアの振り付けで踊れて感動!
──ブロードウェイのミュージカルのようなシーンがあり、とても素晴らしいダンスを披露されていました。楽曲はティナ・ターナーのもので、振り付けは『ラ・ラ・ランド』などのマンディ・ムーアでしたが、いかがでしたか。
私も気に入っているシーンの1つです。
私は1歳からダンスをやっていて、ずっと「ダンスと演技を組み合わせたい」と思っていました。ジョンは私が踊れると知って、私をあのシーンに入れてくれたのですが、涙が出るくらいうれしかったです。しかも振り付けが私の憧れのマンディ・ムーア! 夢のような時間を過ごすことができました。
ティナ・ターナーについて存在は知っていましたが、楽曲は撮影するまで知りませんでした。でも撮影をしてから、あの曲が頭から離れなくなってしまって、曲を聴くたびにこのシーンのことを思い出して、笑顔になってしまいます。
──ビーが父親に自分の物語を伝えるシーンはかなりの長セリフでしたが、ビーの思いが痛いほど伝わってきました。
あのシーンはセリフを覚えるのが大変でした。というのも、脚本を読んでいるだけで涙が止まらなくなってしまうのです。しかも私は泣くと体力がすごく消耗するタイプなので、撮影はホットチョコレートを飲んだり、おやつを食べたりしながら乗り越えました。
ジョンは私があのシーンの感情をリアルに感じていることを理解してくれていたので、現場の人数を最低限にし、必要なこと以外しゃべらない静かな状態を保つなど、しっかりケアをしてくれました。結果として長回しのワンショットに近いものになり、リアルさを追求できたと思います。ジョンも「自分は目を閉じていたけれど、思わず涙がこぼれてしまって、自分で自分にカットを掛けなくてはいけなかった」と言っていましたが、それは本当です。私はその涙を見ました。
──完成した作品をご覧になっていかがでしたか。
私はジョンの意向で、完パケまで作品を見たことがありませんでした。ですから、初めて見たときは「こうなったんだ!」「こうなったんだ!」と驚くことばかり。3回目くらいでやっと落ち着いて見られるようになりました。信頼しているジョンから「見ない方がいいよ」と言われていたので我慢していましたが、待った甲斐がありました。
──ビーとして注目してほしいシーンを教えてください。
ネタバレになってしまいますから、詳しくは言えないのですが、作品の後半で、ライアンと私だけのシーンが2つあります。とてもリアルで、見ていて、絶対に涙してしまうはず。私にとって、特別なシーンとして印象に残っています。
――「スター・ウォーズ」続三部作の主人公レイの幼少期や、「ウォーキング・デッド」のジュディス役、Disney+の「ロキ」でメインキャラクター・シルヴィの少女時代を務めるなど、注目作に出演されています。作品によって現場の雰囲気はかなり違いますか。
現場ってどの作品も違うんです。「ウォーキング・デッド」は外でのロケが多くて、「ロキ」はスタジオでのセットでしたが、なかなかクールなセットでした。この作品ではライアンのアパートが私のお気に入りでした。他にはコニー・アイランドもよかったです。
普通の世界から一歩、セットに足を踏み入れるといきなりその世界観に没入する。でも反対に、セットから一歩でも出れば、普通の世界が待っている。そこが面白いです。
──今後、出演してみたいジャンルや演じてみたい役どころはありますか。
今後というよりも、まさにこの作品がずっと願っていた作品でした。私には従兄弟や従姉妹がたくさんいるので、年齢に関係なく、大勢の方が楽しめる映画に出演したいと思っていたのです。
そんなときにこの作品の出演が決まり、家族がみんな見てくれて、すごく気に入ってくれました。しかも、この作品は見て楽しむだけでなく、ぬいぐるみやTシャツといったグッズもあるので、本当に夢のようです。
──日本は初めてとのことですが、いかがですか。
日本のことが大好きになりました。まだ来日して間もないので、あまり探索できていませんが、美しいところが多いですね。ホテルの窓から見える夜景が素敵です。
日本に来る前からラーメンにトライしてみたいと思っていました。今回、ホテルの近くに小さいお店を見つけました。お客さんがいっぱいで混んでいましたが、母と兄と一緒に入ってみました。初めてのラーメン。私はスパイシーなものが好きなので辛いタイプを選んだのですが、すごくおいしかったです。
兄がお寿司にトライしたいというので、お寿司のお店にも行きました。お寿司は私の好みではなかったのですが、兄が喜んでいる姿を見ているだけでうれしくなりました。
日本で出会う方々がみなさん親切で、また来たいと思っています。
プレゼント
ケイリー・フレミングサイン入りクリアファイル 1名様
ご希望の方は下記フォームより必要事項についてご回答ください。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
https://screenstore.jp/shop/enq202406180
応募締切:6月23日(日)23時59分
『ブルー きみは大丈夫』2024年6月14日(金)公開
<STORY>
幼い頃に母親を亡くした12歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)は、ある日、おばあちゃんの家で、子供にしか見えない不思議な"もふもふ"ブルーと出会う。ブルーが友達だった子供は、今は大人になり彼の事を忘れてしまい、居場所が無くなったブルーは、もうすぐ消えてしまう運命に。少女は、大人だけどブルーが見える隣人の男(ライアン・レイノルズ)の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子供を探すのだった。
<STAFF&CAST>
監督・脚本:ジョン・クラシンスキー 「クワイエット・プレイス」 シリーズ
出演:ケイリー・フレミング TV「ウォーキング・デッド」シリーズ、ライアン・レイノルズ『デッドプール』シリーズ、ジョン・クラシンスキー
声の出演:スティーヴ・カレル、マット・デイモン、エミリー・ブラント、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、オークワフィナ、サム・ロックウェル、ルイス・ゴセット・Jr
吹替え版声優:宮田俊哉(ブルー)、稲垣来泉(ビー)
配給:東和ピクチャーズ
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公式サイト:https://blue-movie.jp/