デビュー以降、徹底して「人間」を、「ひと」を描きつづけ、時代の先駆者でありつづける橋口亮輔監督。この度、『お母さんが一緒』の公開を記念し、改めてその魅力を探るべく、橋口監督の作品群の中から『ぐるりのこと。』『二十才の微熱』『渚のシンドバッド』の3作品を<「ひと」を描く映画監督 橋口亮輔作品 特別上映>と題し、7月1日(月)から3夜連続でユーロスペース(渋谷)にて特別上映することが決定した。各回上映終了後には橋口監督が登壇し、『ぐるりのこと。』で主演のひとりを務めたリリー・フランキーらスペシャルゲストとともにトークショーを開催する。
特別上映の初日(7/1)を飾るのは、2008年に公開された『ぐるりのこと。』。何事もきちんとしたい妻・翔子(木村多江)と、法廷画家の夫・カナオ(リリー・フランキー)が、バブル崩壊後の90年代初頭から9.11テロに至るまでの10年間を舞台に、初めての子の死をきっかけにうつになっていく翔子と彼女に寄り添うカナオ、決して離れることのない夫婦の姿を通して、ひととひとの間に生まれる希望を描き、日本アカデミー賞主演女優賞(木村多江)ほか数々の映画賞を受賞!木村多江、リリー・フランキーらが、映画初主演を果たした作品でもある。主演の一人、リリー・フランキーがトークショーゲストに決定している。
2日目(7/2)の上映作品は、1993年に公開、『夕辺の秘密』(89)で1989年度「PFFアワード」グランプリを受賞した橋口監督が、スカラシップを受けて制作した長編劇映画デビュー作でもある『二十才の微熱』。昼間は大学生、夜はゲイバーで男たちに体を売る主人公(袴田吉彦)の姿を通して、生きづらさや孤独を抱えるひとびとの心に寄り添い、彼らをそのまま肯定する橋口監督のまなざしはデビューから一貫している。映画評論家の森直人がゲストに登場、橋口監督にデビュー当時の話を聞く。
最終日(7/3)を飾るのは1995年に発表された橋口監督長編第2作『渚のシンドバッド』。橋口監督の出身地・長崎を舞台に、同性の同級生・吉田(草野康太)に恋する伊藤(岡田義徳)、転校生の相原(浜崎あゆみ)ら高校生6人の心の揺れを、瑞々しく鮮やかに映した青春群像劇であり、ひとがひとを好きになることの美しさと残酷さが描かれた傑作。ゲストには、劇映画2作目となる『ぼくのお日さま』(9/6公開)が2024年カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され国内外で注目を集める新進気鋭の映画監督、奥山大史。
デビュー作『二十才の微熱』(93)から前作『恋人たち』(15)まで、これまで発表した長編映画は5本。寡作ながらどの作品も国内外で高い評価を受け、国内の映画賞を数多く受賞している橋口監督の珠玉の名作をスクリーンで堪能できる貴重な機会となる。
<イベントタイトル>
映画『お母さんが一緒』公開記念
「ひと」を描く映画監督 橋口亮輔作品 特別上映
※各回上映終了後にゲストによるトークショーを予定。
<上映日時>
★7/1(月) 『ぐるりのこと。』<上映開始:19:00〜>
監督・脚本・原作・編集:橋口亮輔
出演:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子
140分/35mm上映
© 2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ
ゲスト:橋口亮輔監督、リリー・フランキー(予定)
★7/2(火) 『二十才の微熱』<上映開始:19:00〜>
監督・脚本:橋口亮輔
出演:袴田吉彦、片岡礼子、遠藤雅
114分/16mm上映
©ぴあ/ポニーキャニオン
ゲスト:橋口亮輔監督、森直人(映画評論家) (予定)
★7/3(水)『渚のシンドバッド』<上映開始:19:00〜>
監督・脚本:橋口亮輔
出演:岡田義徳、草野康太、浜崎あゆみ
114分/35mm上映
©1995 TOHO CO., LTD.
ゲスト:橋口亮輔監督、奥山大史監督(予定)
<会場>
ユーロスペース(渋谷区円山町1-5 3F)
※チケットは各上映日の3日前0時よりユーロスペースオンラインにて発売。
https://www.euro-ticket.jp/eurospace/schedule/
<料金>1,200円圴一