第二次大戦下に、イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニが沈めた敵国船の乗組員を救助したという実話を基に、戦時下においても決して失われることのない海の男たちの誇りと絆(シーマンシップ)を描いた重厚な戦争秘話。CGでは再現できない本物の質感とクルーたちの過酷な勤務描写が、潜水艦映画の傑作『U・ボート』と比肩するクオリティを堅持、「潜水艦映画」に目の肥えた観客たちを唸らせるだろう。監督は本作で2度目のヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されたエドアルド・デ・アンジェリス。主演のサルヴァトーレ・トーダロ艦長を演じるのは数々のイタリア映画の巨匠たちに重宝される名優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
この度解禁となったのは、戦時下において海の男たちの誇りと絆を描く本作の重厚な人間ドラマを紡ぎだす船員たちの姿を垣間見ることができるキャラクター映像。
サルヴァトーレ・トーダロ艦長は“誇り”を体現し、イタリア海軍としての強い決意を語り、船員への的確な戦闘指示、作戦を遂行する姿、また熱血漢な一面が映像から伝わってくる。
そんな艦長の右腕のマルコン副長は船員たちを第一に考える“責任”があり、サルヴァトーレ・トーダロ艦長とぶつかるシーンが見て取れる。
“食”を重視していたと言われるイタリア軍。潜水艦コマンダンテ・カッペリーニ号の料理人ジジーノは「イタリア中の料理の全レシピを知ってます」と胸を張る姿や、音楽で船員を盛り上げ、皆からの愛されっぷりが印象的。
“勇気”を体現するのは海を愛する潜水士のヴィンチェンツォ。ある出来事で潜水を止めていた彼だが、緊急事態に陥ったコマンダンテ号を救うべく、命を懸けてハッチの外(潜水中の海)に出ていこうとする姿が切り取られている。
“潜水艦映画”は砲撃や爆破シーンなどの戦闘シーンに注目が集まることが多く、もちろん本作も敵艦のみならず空からも襲撃されるなど、さまざまな危機がコマンダンテ・カッペリーニ号に襲い掛かり、応戦するなど戦闘シーンも楽しめる。しかし今作の最大の見せ場は、艦長を中心とした船員たちが極限状態で織りなす重厚な人間ドラマにこそある、ということが、このキャラクター映像に込められている。
『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』
7月5日(金)より、TOHOシネズ日比谷ほか全国公開
配給:彩プロ
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