『ボレロ 永遠の旋律』8/9公開
8月9日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
スネアドラムのリズムに導かれ、わずか2種類の旋律が楽器を替えて繰り返されるという、斬新かつシンプルな構成が聴衆の五感を虜にし、17分間の作品を貫くクレッシェンドが、カタルシスに満ちた壮大なフィナーレへと誘う「ボレロ」。だが、驚くべきことに、この音楽史上において最も成功したベスト&ロングセラー曲は、それを生み出したフランス人作曲家モーリス・ラヴェル本人が最も憎んでいた曲だったのだ。
1928年、著名な作曲家のラヴェルは、深刻なスランプに苦しんでいた。振付師のイダ・ルビンシュタインからバレエの音楽を依頼されたのだが、一音も書けずにいた。失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくるラヴェル。第一次世界大戦での挫折、叶わないと知るほどに溢れ出すミューズへの愛、無償の愛で全存在を肯定してくれた母の死──その時々に舞い戻り、引き裂かれた魂に深く潜り、そこで追体験したすべてを注ぎ込み、ついに「ボレロ」として誕生させるが・・・。
ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に加え、「亡き王女のためのパヴァーヌ」「道化師の朝の歌」などの名曲を、ヨーロッパを代表するピアニストの一人でラヴェルのファンであることを公言するアレクサンドル・タローが披露。
監督は、実話を基にしたヒューマン・ドラマの名手として知られるアンヌ・フォンテーヌ。マルセル・マルナによるラヴェルの伝記をベースに、ラヴェルという人物の神秘的な生涯を豊かなイマジネーションで描き上げている。
『ボレロ 永遠の旋律』
8月9日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
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『タレンタイム〜優しい歌』7/20公開
7月20日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて公開
マレーシアのある高校で、音楽コンクール“タレンタイム” (マレーシア英語で学生の芸能コンテストの意味)が開催される。ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転校生ハフィズに成績トップの座を奪われ、わだかまりを感じている。マヘシュの親類に起きる悲劇、ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母、闘病を続けるハフィズの母。民族や宗教の違いによる葛藤も抱えながら、彼らはいよいよコンクール当日を迎える――
ドビュッシーの「月の光」をはじめ、マレーシアの人気アーティストであるピート・テオが作曲した数々の楽曲などがかけがえのない青春を彩る。2009年7月に51歳の若さで亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの長編映画としての遺作でもあり、日本でも多くのファンを生み続けてきた名作が、没後15年となる今年リバイバル公開となる。
『チャイコフスキーの妻』9/6公開
9月6日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
「白鳥の湖」「くるみ割り人形」などで知られるロシアの天才作曲家、ピョートル・チャイコフスキー。その妻アントニーナを主人公に、心をさいなむほどの狂愛を鬼才キリル・セレブレンニコフが衝撃の映像化。
かねてから同性愛者だという噂が絶えなかったチャイコフスキーは、恋文で熱烈求愛する地方貴族の娘アントニーナと世間体から結婚する。しかし女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーの結婚生活はすぐに破綻し、夫から拒絶されたアントニーナは、孤独な日々の中で狂気の淵へと堕ちていく・・・・・・。
ラヴェルと同時代を生きたチャイコフスキーと、妻アントニーナの愛と欲望の協奏曲の行方にぜひ注目を。
『パリのちいさなオーケストラ』9/20公開
9月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開
現在も精力的に活躍するディヴェルティメント・オーケストラを立ち上げた一人の少女と仲間たちの実話を描く感動作。パリ近郊の音楽院でヴィオラを学んできたザイアは、パリ市内の名門音楽院に最終学年で編入が認められ、指揮者になりたいという夢を持つ。しかし、女性が指揮者を目指すのはとても困難な上、超高級楽器を持つ名家の生徒たちに囲まれ、ザイアは圧倒的にアウェーな環境にあった。
主要キャスト以外の配役は現役音楽家を抜擢。数々の美しい有名クラシック音楽が、実際に演奏しながら撮影されており、ラヴェルの「ボレロ」のほかベートーヴェン、ドヴォルザーク、バッハなど物語を彩る楽曲にも注目だ。監督は、『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』のマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール。