呪物ホラー出演の新鋭に単独インタビュー!
『フンパヨン 呪物に隠れた闇』プーンパット・イアン=サマン
プーンパット・イアン=サマン プロフィール
1994年12月4日生まれ。バンコク出身。名門チュラロンコン大学在学中に芸能活動をスタートさせドラマ「GGEZ」「転校生ナノ」などに出演。アパレルブランドのデザイナーや歌手としても活動している。
“コンタクトレンズも外して演じました。変なものが見えたら嫌だったので(苦笑)”
──演じる「テ」役は心優しい自閉症で複雑なキャラクターです。役作りはどのようにされましたか。
どの作品でも準備には力を入れるのですが、今回、撮影に入る前からかなり長く準備しました。まず、タイの自閉症の子供の財団に行って子供たちとたくさん話して、子供たちの考え方のプロセスをある程度わかった上で、アクティングコーチと監督と何度も相談して少しずつ『テ』のキャラクターを作っていきました。
──撮影でいちばん苦労されたことは?
ほぼすべての撮影が大変でした。なぜかというとほとんどロケで移動が大変な場所だったからです。
──森のなかの寺院はセットではないのですか?
監督(ポンタリット·チョーティグリッサダーソーポン)は、お寺に寄進したり参拝したりするのがすごく好きで、偶然このロケ地に出会ってぜひ映画を撮りたいと思ったそうです。
──実際にあの場所での撮影だと怖いのが苦手なアップさんは辛かったのでは?
森のほうを見ないように、コンタクトレンズも外して演じました。変なものが見えたら嫌だったので。(苦笑)ロケ地には本物のフンパヨンが置いてあったのが怖かった。その代わり役に入り込めました。でもどんなに疲れたとしても大変だったとしても、役者もスタッフも精一杯頑張っていたので撮影現場がとても楽しかったです。
──タイの映画には呪いをテーマにしたものも目立ちますが、信じている人が多いのでしょうか。
この作品に出るまで僕自身はフンパヨンのことを知らなかったので知らない人も多いかも。ほとんどのタイ人は悪事を働いたらそれが自分に戻ってくると思っているし、呪物も含めて信じていると思います。ただ、うちの家族は仏教でお坊さんのほうを信じています。呪物は黒魔術のイメージがあって密かに恐れています。
──「徳を積む」と言うセリフもよく出てきますね。
個人的にはタンブン(善行を行う、徳を積む)をするのは、自分の気が楽になるからです。僕は教育に関する寄附をすることがあって、教育の機会が少ない地方の子供たちの学校を支援しています。
──今後の抱負を聞かせてください。
毎日自分を向上させたい。訪れたチャンスは全て受けたい。どんな役を引き受けても新しいステップアップになると思うし新しい学びがあると思います。なので毎日精一杯頑張るのが目標です。次回作は新しい作品のオファーをもらっているので検討中です。
『フンパヨン 呪物に隠れた闇』
タイに古くから伝わるお守りであり呪術の人形でもある“フンパヨン”をテーマに若手スターが主演する“新世代”ホラームービー。出家した兄に会うため島の寺院を訪れたタームは村に住む自閉症の青年テと出会う。フンパヨンへ盲信的な信仰を寄せる村の人々と寺院の秘密によって、しだいに恐怖の世界が展開されていく。
『フンパヨン 呪物に隠れた闇』
公開中
2023/タイ/配給:ギークピクチュアズ/1時間47分
監督:ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン
出演:プーンパット・イアン=サマン、プーウィン・タンサックユーン