カバー画像:Photography credit: Jonny Marlow / Amazon MGM Studios
敬意と愛を持ち、様々な役に挑戦し
一歩ずつキャリアの階段を昇る努力家
端正な顔立ちと品のある佇まいで人気急上昇中の俳優ニコラス・ガリツィン。イギリス出身の彼は、19歳の時に音楽を通して自分の居場所を見つけていく少年を描いた映画『The Beat Beneath My Feet(原題)』(14年)で主演に抜擢され、俳優デビューを果たした。日本では未公開&未配信ではあるが、ニコラスの初々しい芝居やギターを演奏する姿などが見られるため、輸入盤DVDを入手してでも押さえておきたい作品。本作の後、バイオリニストを演じた『ハートビート』(16年)、ラグビーのスター選手を演じた『ぼくたちのチーム』(16年)、思春期の性犯罪をテーマにした『シェア~私に何が起こったか~』(19年)などの映画やホラードラマ「チェンバース:邪悪なハート」に出演し、着実にキャリアを築いていったニコラス。
『ハートビート』
DVD好評発売中
価格:4290円(税込)
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
© 2015 High Strung, LLC
そんな彼が大ブレイクしたのは、カミラ・カベロ演じるシンデレラの相手ロバート王子役に大抜擢されたAmazon映画『シンデレラ』(21年)。王子ルックがよく似合うニコラスは、劇中で伸びやかな歌声を響かせ、カミラとの甘いデュエットも披露している。この作品で彼の歌の上手さに驚いた人も多いのではないだろうか。個人的にニコラス出演作の中で一番好きなのが、アーティストとしても活躍するソフィア・カーソンと共演したNetflix映画『パープル・ハート』(22年)。シンガーを夢見る女性と給付金目当てで偽装結婚をする海兵隊の青年を演じており、優しくて紳士的なカッコいいニコラスを見ることができる。
男女の正統派ラブストーリーを描いた『パープル・ハート』の後、さらにニコラス人気を加速させたのは、アメリカ大統領の息子・アレックスとイギリスの王子ヘンリーの恋の行方を描いたロマンティックコメディ配信映画『赤と白とロイヤルブルー』(23年)。イギリスの王子という彼にピッタリの役に大きな期待を持って鑑賞し始めたが、アレックス役のテイラー・ザハール・ペレスとニコラスのやり取りは想像以上にチャーミングで、物語も面白く大満足の内容だった。爆発的な人気を得た本作は続編の製作も決定。
その後ニコラスは、アン・ハサウェイとの共演作『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』(24年)でも大きな注目を集めた。本作で彼が演じたのは、40歳のシングルマザーと恋に落ちる24歳の人気ボーイズバンドのボーカル。劇中のライブシーンでは、ステージで歌い踊る姿を披露して新たなファンを獲得。さらに今後は『バービー』が大ヒットした米マテル社のアクションフィギュア「マスターズ・オブ・ユニバース」シリーズの実写映画で主演を務めることも発表されたニコラス。新たなムービースターを予感させる彼の作品をぜひチェックしてみてほしい。
Filmography
2014 『The Beat Beneath My Feet(原題)』
2015 「レジェンズ」
2016 『ハートビート』
『ぼくたちのチーム』
2017 『The Changeover』
「The Watcher in the Woods(原題)」
2019 『シェア〜私に何が起こったか〜』
「チェンバース: 邪悪なハート」
2020 『ザ・クラフト: レガシー』
2021 『シンデレラ』
2022 『パープル・ハート』
2023 『ボトムス 〜最底で最強?な私たち〜』
『赤と白とロイヤルブルー』
2024 『アイデア・オブ・ユー 〜大人の愛が叶うまで〜』
ニコラスをさらに知る3つのポイント
ラグビー選手への夢が断たれ、演技の道へ
父親はロシアの貴族の末裔で、母親はギリシャ系アメリカ人。ロンドンにある私立の名門男子校出身で、プロのラグビー選手を目指していたが、度重なる怪我によりその道を断念。18歳の夏休みには、エディンバラ・フェスティバルで上演される友人の劇に「出演して」と誘われ、好きな女の子が来るという理由からニコラスは出演を快諾したという可愛いエピソードも!
様々な作品で音楽の才能も発揮!
デビュー作でのギター演奏や『ハートビート』でのバイオリン、『シンデレラ』での歌唱シーンや『アイデア・オブ・ユー』でのライブパフォーマンスとサウンドトラックへの参加など、出演作で音楽の才能を発揮してきたニコラス。2022年6月にはデビューシングル「Comfort」をリリースし、TikTokではアコースティックギターの弾き語りも披露している。
かなりの映画通!? なニコラス
お気に入りの映画はウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』で、最近では韓国映画に夢中だと公言し、イ・チャンドン監督の『バーニング』に出演するスティーヴン・ユアンやユ・アインの才能を褒めるなど、かなりの映画通なニコラス。ライアン・ゴズリング、ジェームズ・マカヴォイ、ロバート・パティンソン、トム・ハーディらの名前を目標の俳優として挙げている。