2020年代の幕開けを予感させた『佐々木、イン、マイマイン』に刻み込まれた、将来に希望も持てない閉塞感の中で煮詰まった自意識が爆発するパッションやマインドは本作『若き見知らぬ者たち』にも受け継がれ、一人の青年が、自分の中にある“最後の砦”と向き合う生き様がこれでもかと苛烈に描かれる。そして、大切な人を失った遺された者たちも、信じるべきものを信じるために闘っている。あらゆる理不尽にまみれても、自分の正義を守り懸命に生きようとする、“名もなき者たちの魂の叫び”―。内山拓也監督が身近な見聞にインスパイアされた自身のオリジナル脚本による、今を生きるすべての人たちに送る物語だ。
また本作はフランス・韓国・香港・日本の共同制作作品でもあり、企画の段階で海外3つの国と地域での配給が決定。ポストプロダクションの最後の工程、音仕上げ(サウンド・ミックス)はフランスで行われ、内山監督も現地に出向き、文字通り日仏チームの共同作業となっている。
この度解禁された予告編の冒頭では、彼を忘れたくない母・麻美(霧島れいか)、彼を支える恋人・日向(岸井ゆきの)、彼を心配する友人・大和(染谷将太)、彼の夢を背負う弟・壮平(福山翔大)と、主人公・彩人(磯村勇斗)をとりまく人々との日常が映し出される。難病を患う麻美を自宅で介護し続ける彩人と壮平だったが、ままならない生活とたちゆかないほどの貧困で満身創痍の状態が続いていた。「もう限界だって…」とつぶやく壮平に「やめろ」と一蹴する彩人。身体は疲れ切っているようだが、家族を守りたい彩人の意思は固かった。
彩人の突然の死。彼の生きた証を探し、想い続ける者たち。彩人の無念の死が遺された者たちを突き動かしていく。亡き父・亮介(豊原功補)がいたころの幸せだった記憶、彩人を気遣う日向、背負ったものの重さと虚しさに飲み込まれまいと、肩を震わせむせび泣く彩人など、彩人が確かに生きた軌跡の映像が連なる。
「この世のあらゆる暴力から自分の範囲を守るんだよ」自分に言い聞かせながら生きてきた彩人。理不尽な世界で、彼は何を思い、何を願ったのか。そして、何が彼を殺したのかー。自分の正義を守り懸命に生きようとする名も無き人々の姿が胸に迫る予告編となっている。また彩人と彼の家族、恋人たちとの日常を切り取った場面写真も一挙7点解禁された。
『若き見知らぬ者たち』
10月11日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:クロックワークス
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