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ドゥエイン・ジョンソン
Dwayne Johnson
プロレス界で頂点を極めたばかりか、今やハリウッドでも一、二を争うマネーメイキングスター。『スコーピオン・キング』で初主演を務めて以来、王道アクション路線を驀進している。しかし、それは彼のひとつの大きな側面に過ぎない。『スコーピオン・キング』の後には『Be Cool/ビー・クール』でゲイを演じるという、それまでのアクションスターの定石を外れたことをやってのけた。
『ウィッチマウンテン/地図から消えた山』などのディズニーのファミリームービーにも積極的に出演。『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』では筋肉以外に取り柄のないバカキャラを演じてみせた。もちろん、彼の主流路線はアクションだが、それ以外の作品に出演しても観客を楽しませることができるのは、彼の強み。アクションスターというよりも、一流のエンタテイナーというべきかもしれない。
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
「ワイルド・スピード」シリーズの当たり役である元FBIホブス捜査官を主人公のひとりに据えたスピンオフ作品。格闘アクションは言うまでもなく、好敵手にして腐れ縁の元傭兵にふんしたジェイソン・ステイサムとの相性も抜群。力技がさえるドウェインに、スピードのステイサム。おたがいに高め合う、この共演はある意味奇跡。
ジョン・シナ
John Cena
ドウェインに続けとばかりに、映画スターとしても順調にキャリアを重ねているジョン・シナ。リング上でドウェインと対等に張り合い、時には負かすこともあったが、裏を返せば、それはタレントの性の証明。なにしろハリウッド映画に劣らない、高度に練り込まれた筋書きを誇るWWEの頂点に立った男だから、それも当然だろう。
見た目だけなら自信にあふれた正統派の白人アクションヒーローだが、それに甘んじるつもりはなく、『シスターズ』や『ブロッカーズ』ではコメディにも挑戦。脇役出演もいとわず、芸域をジワジワと広げている。『バービー』のカメオ出演や、『ARGYLLE/アーガイル』での想像上のスパイ役も記憶に新しい。今夏全米ではオークワフィナとW主演したアクションコメディ『ジャックポット』が公開されるが、こちらも楽しみ。
『12ラウンド』
『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』に続く主演第2作。『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン監督の演出の下、凶悪脱獄囚に死のゲームを仕かけられた警官の奔走劇が展開する。肉弾戦のみならず、シナは飛ぶわ、走るわ、撃つわと、とにかく動き回り、スリルを盛り立てる。日本ではソフトスルーとなったが、見逃がすのはもったいない!
デイヴ・バウティスタ
Dave Bautista
こちらもWWEで頂点に立ったことのあるアクションスター。映画ファンには「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのドラックス役でおなじみだ。彼の映画界でのキャリアは主にバイプレーヤーとして築かれているが、筋骨隆々の頼もしさゆえにどの作品でも強い印象を残す。『007/スペクター』『DUNE/デューン 砂の惑星』などで悪役をこなしたのは、プロレス界でのヒールの経験の成果といえるだろう。
レプリカントにふんして格闘演技を披露した『ブレードランナー2049』や、カリスマ性を発揮したザック・スナイダー監督のNetflixオリジナル作品『アーミー・オブ・ザ・デッド』も忘れ難い。「ガーディアンズ~」シリーズを例に出すまでもなく、こちらもユーモアのセンスは抜群。今後も『マイ・スパイ』の続編をはじめとする公開待機作が目白押しで、ますます目が離せない。
『ブッシュウィック ―武装都市―』
武装集団のテロに巻き込まれたNYの下町を舞台に、若い女性と、彼女の窮地を救った元海兵隊員のサバイバルが展開。バウティスタはこの海兵隊員を演じる。戦場でさんざん殺し合いを見てきて、それにウンザリしながらも、なんとか生き延びようとする意志を体現。いつになくハードボイルドかつ頼もしいキャラクターで、強烈な印象を残す。