【怖いSF映画】「エイリアン」だけじゃない！ 見る者を震撼させる恐怖のSF映画選 PART1

人間ではない何かが地球を狙っている

怖いSF映画の中でも昔から手を変え品を変え描かれるのが、地球を狙う侵略者の恐怖を描いた作品。侵略者は『遊星からの物体X』のように人間の姿を借りた地球外生物だったり、『クワイエット・プレイス』のように凶悪なモンスターだったり、時には人の眼を欺くような姿で人類を震え上がらせることも。地球は常に世の中に紛れ込んだ何者かに狙われていると考えると、やはりぞっとするもの。もしもの時、人間はどうやって危機から逃れられるだろうか？

『遊星からの物体X』（82）

寄生した生き物に同化・擬態する宇宙生命体がいつの間にか隣に?

雪に閉ざされた南極基地の隊員たちが謎の地球外生命体によって一人、また一人と侵略されていく。その生命体は寄生した生物に同化・擬態する能力があり、恐ろしい勢いで増殖するため、人類が完全に侵略されるのを防ぐために通信機やヘリも破壊し、基地は孤立状態に。誰が侵略された者で誰が人間のままなのか判断ができない中、体を奪われた隊員はグロテスクな生き物に変貌する。ジョン・カーペンター監督がSF短編「影が行く」を51年版に続き2度目の映画化。侵略SFの代表的名作に。2011年に前日譚を描く『遊星からの物体X　ファーストコンタクト』が製作されている。

『SF／ボディスナッチャー』（78）

ある日、良く知る人物がいつもと違う人格に？

SF小説の古典「盗まれた街」はこれまで4回映画化されているが、これはフィリップ・カウフマン監督による2番目の映画化作。宇宙から来た侵略者が人間に気づかれないうちに一般人の体を次々乗っ取り、その人物のふりを続け暮らしている…。異変に気が付いた主人公マシューは街から逃げ出そうとするが…。07年にはニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ共演でリメイクされたが（『インベージョン』）、恐怖度は本作が一番？

『宇宙戦争』（05）

宇宙からやって来た侵略者が人類を滅亡の危機に追いやる

H・G・ウェルズの同名名作小説をスティーヴン・スピルバーグ監督とトム・クルーズ主演で2度目の映画化（最初の映画化はジョージ・パル監督の53年版）。ある日突然世界各地に異星人が操作する巨大な三脚歩行機械「トライポッド」が出現し、人類を攻撃し始める。主人公レイは子供たちと危険地帯からの脱出を試みるが……。スピルバーグのサスペンス演出が冴え、異星人との遭遇シーンなどハラハラドキドキの場面が連続。

『10 クローバーフィールド・レーン』（16）

何者かによって有毒物質で汚染された外界にいたものは

アメリカの大都市が謎の怪獣に襲われるモキュメンタリー『クローバーフィールド／HAKAISHA』の姉妹編的作品。自動車事故に遭い大けがしたミシェルが目覚めるとルイジアナの農場の地下室に、もう一人の見知らぬ男と監禁されていた。農場主ハワードは「外界は何者かに攻撃され、有毒物質で汚染されているので誰も出せない」と主張。果たして彼の言うことは真実か？　やがてミシェルは外に出ることになるが、そこにいたものは…。

『ブロブ／宇宙からの不明物体』（88）

謎の人食いアメーバ的な生物が街中を飲み込んでいく

ある日、米国の田舎町に空から落ちてきた火の玉には粘液状の物体が付着していた。一人の老人を食いつくしてしまったそのアメーバ的な物体は、人々を飲み込みながら巨大化していく。そこにやってきたのは政府の科学調査団と名乗る一行。このままでは街中を飲み込みかねない物体を凍らせる作戦に出るが、この粘液状の生命体には本当の正体が隠されていた…。『マックィーンの絶対の危機』（58）のリメイクで監督はチャック・ラッセル。