【ネタバレ注意】本記事には『ソウ』と『ソウ2』の物語の展開に関するネタバレが含まれています。ご了承の上お読みください。
伝説のシリーズの幕開け
『ソウ』(2004)/監督:ジェームズ・ワン、脚本:リー・ワネル
薄汚いバスタブで目を覚ましたアダム(リー・ワネル)は足首を鎖で繋がれ、同じように拘束されている医師のゴードン(ケイリー・エルウィス)と、血まみれの死体を見つける。突如、謎の男・ジグソウ(トビン・ベル)のゲームの参加者となった二人にゴードンの妻子が人質となる脱出ゲームが課せられる。
二人が脱出の手がかりを探す中で、ゴードンがジグソウに末期の脳腫瘍を宣告した医師であることが判明。脱出のための協力関係や過去の悪行への恨みによる疑心暗鬼、様々な感情が渦巻く中、決定的な解決策はなくタイムオーバーとなる。ゴードンは妻子が殺されたと思い、糸鋸を自身の足首に押し込んでは引いてを無我夢中で繰り返し、切り落とすことで脱出に成功する。残されたのは、未だ脱出に希望抱くアダムと死体、しかしその死体はジグソウからの最後のサプライズだった。
さらに本作では、最新作にも登場するアマンダ(ショウニー・スミス)が別のゲームの参加者となっていたことも語られる。薬物中毒になり命を粗末にしているとしてジグソウに目を付けられたが、シリーズでも人気の通称“逆トラバサミ”にて唯一のゲーム成功者として生き延びる。
「ソウ」シリーズのすべての始まりとなった本作は、ジェームズ・ワン(監督)とリー・ワネル(脚本/アダム役)の斬新なストーリー構成と想像を絶する残虐な映像で人々を魅了。120万ドルという低予算ながら全世界で1億ドル以上の興行収入をたたき出した。密室など限定的な空間で恐怖が描かれる“ソリッド・シチュエーション・スリラー”としての確固たる存在感を放ち、今日までの20年にもわたるシリーズの華々しい幕開けを飾った。
同僚を殺したジグソウの捜索に執念を燃やす元刑事役でダニー・グローヴァ―(「リーサル・ウェポン」シリーズ、『プレデター2』)が出演しているのも注目だ。