中條ていによる小説「アイミタガイ」(幻冬舎文庫)の映画化が決定し11月1日(金)に全国公開。3人の監督が関わり、作り手たちの想いが繋がった本作の映画化の経緯とは?
画像: 様々な群像劇を描いてきた草野翔吾が佐々部清から繋がれたバトンを胸に『アイミタガイ』を映画化「ものすごく勇気が必要でした」

2013年に刊行された小説「アイミタガイ」が一本の映画に生まれ変わった。主演は黒木華、共演に中村蒼、藤間爽子ら実力派俳優が集結し、人間ドラマのアンサンブルを奏でる。メガホンを取るのは、『彼女が好きなものは』(21)などで知られる草野翔吾監督。韓国・釜山にて10月2日~11日に開催予定の第29回釜山国際映画祭で、映画祭を代表する部門の一つでもあるコンペティションのジソク(Jiseok)部門へ選出され 正式出品が決定し、公開に向けて期待が高まる。

兄を突然なくし、80歳になる両親を慰めるために言葉ではなく小説に想いを載せるように書き始めたと話す中條ていが2013年に発刊した連作短編小説「アイミタガイ」(幻冬舎文庫)。「人間って何歳になっても自分が考えてもいなかったようなことが、ある日突然起こるんだなと思うようになり、それまで全く思いもよらなかった人生がたった一歩から始まる可能性っていうのもある」と自身の経験と大切な存在を失い立ち止まってしまった人の姿を重ねて、中條なりの“死”への向き合い方を描いた作品となっている。今回が初の映像化となり、中條は「この『アイミタガイ』という言葉とその心が世代を継ぐ若い監督によって、切なくも温かな映画作品として生まれたことに感謝と喜びを覚えます」と語っている。

本作の映画化には3人の監督が関わるかたちとなった。脚本の初稿を手掛けたのは『台風家族』(19)などで知られる市井昌秀。市井が土台となる構成を完成させ、それを読んだ名匠・佐々部清が物語に惹かれて2017年から本格的に映像化に向けて動き出した。ところが2020年に佐々部が急逝し、コロナ禍の影響も受けて一旦ストップしていた企画が、パンデミックの状況下で“相身互い(アイミタガイ)”の精神を映画にしたいという思いがよみがえり、再始動する。

そして、バトンを受け取ったのは、『彼女が好きなものは』(21)や、連続ドラマでも「消えた初恋」(EX/21)、「こっち向いてよ向井くん」(NTV/23)などのメイン監督を担当するなど、数多くの群像劇を作りあげ、来年2月に『大きな玉ねぎの下で』の公開も控え、今後の活躍が期待される草野翔吾。3人の映画監督の想いが紡がれた本作に草野は、「『佐々部清』という名前の重みは大きく、その名が入った脚本の表紙をめくるまでにはものすごく勇気が必要でした」、「最初に読んだ印象を大事に、自分ができることを精一杯やりました。この映画が誰かにとっておまじないのようになってくれたら嬉しいです」とコメントしている。一期一会の小さな奇跡が作り手の想いを繋げ、立ち止まってしまった心を灯す作品が完成した。この秋、一番の心温まる感動作『アイミタガイ』は、11月1日(金)より全国公開。

『アイミタガイ』
2024年11月1日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ショウゲート
© 2024「アイミタガイ」製作委員会

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