【 大好きだから続きが見たくなる！シリーズ映画の愉しみ 】「2作目に良作無し」は本当か？　実は意外に多い続編映画の名作セレクション

『トップガン マーヴェリック』（22／ジョセフ・コジンスキー監督）

トム・クルーズが86年に主演した大ヒット作『トップガン』の続編製作に関しては、かなり前から企画に上がっていたものの、実現までにはかなりの時間がかかった。トム自身も戦闘機パイロット、マーヴェリックのその後を演じるには年齢が行き過ぎているのではと思われたが、難関を乗り越え、36年ぶりに完成した続編は、実際に観客もコックピットに乗っているような迫力の映像と年齢を感じさせないトムの演技力、前作をリスペクトした感動的な物語で、旧作ファンと新たなファンを集め予想を超える特大ヒットに。圧倒的な支持を得た本作はアカデミー賞作品賞など6部門で候補になり音響賞を受賞した。

『トップガン マーヴェリック』

ブルーレイ＋DVD：5,280円（税込）

発売・販売元：NBCユニバーサル・
エンターテイメント

© 2022 Paramount Pictures.

『エイリアン2』（86／ジェームズ・キャメロン監督）

リドリー・スコット監督が生み出した第1作は、初公開時、それまで見たことのなかった凶悪な宇宙生命体が宇宙船クルーを獲物のようにハントするSFホラーとして大ヒットするとともに傑作の評価も受けた。このオリジナルを越えることは難しいと思われていたが、続編を依頼されたキャメロン監督は同じリングに上がるのは不利と感じて、戦法を変え、SFアクション映画に変更。1匹だけでも相当恐ろしかったエイリアンが大量に登場し、海兵隊員たちと激闘を展開して、ヒロイン、リプリーも前作では不気味なエイリアンから逃げることに必死だったが、今度は少女を守るためパワーローダーなどを駆使してがっつり勝負に出る。1作目の設定を踏襲しつつ新たな傑作が誕生したとファンを興奮させた。

『スター・ウォーズ／帝国の逆襲（エピソード5）』（80／アーヴィン・カーシュナー監督）

歴史的ヒットを記録した第1作（『新たなる希望（エピソード４）』）から3年後、ジョージ・ルーカスは監督を大学の恩師カーシュナーに依頼した。「単純な続編にしたくなかった」というルーカスの希望に応え、ファンの間では「シリーズ最高傑作」という評価も出るほどの成功を収めている。デス・スターを破壊された帝国軍の猛反撃と共に、ルークやレイアたちキャラクターの人間像を深めるエピソードが描かれ、「I Love You／I Know」「I am Your Father」などの名セリフも生まれた。痛快なエンターテインメントというだけでなく、奥深い人間ドラマも絡ませて、前作以上に愛される特別な続編になっている。

『インディ・ジョーンズ／魔宮の伝説』（84／スティーヴン・スピルバーグ監督）

前作で往年の連続冒険活劇映画のスピリットを復活させ、オスカー候補にもなったスピルバーグ監督が、その続編ではやはり冒険映画の体裁を保ちながら、様々な映画ジャンルを行き来するスリリングな演出を展開。まずミュージカル調でスタートし、ラブコメディ、犯罪ミステリー、ホラーなどまさにジェットコースターのようにあらゆるタイプの映画的記憶をちりばめながら傑作ノンストップ・アクションを成立させる。グロテスクなシーンもあり苦手な人は注意だが、それもスピルバーグらしい無邪気さが漂う。トロッコ・チェイスなど楽しめるシーンも多く、「前作より好み」という観客の声も少なくない。