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ハリウッド大作で活躍するも日本描写では悔しい思いも
これを機に、活動の拠点をハリウッドに移行。ジャッキー・チェンと共演した『ラッシュアワー3』(2007)、『ライフ』(2017)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)といった話題作に出演したのはご存知のとおり。また、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)や『47 RONIN』(2013)、『モータルコンバット』(2021)、『ブレット・トレイン』(2022)、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)といった、日本を舞台にしたハリウッド作品では、『ラスト サムライ』のときと同様に、出演とともに日本に関する描写についてアドバイザー的な役割を務めた。とはいえ、俳優の立場には限界があり、必ずしも意見が作品に反映されるわけではない。意見が通らず、悔しい思いをしたことも何度かあったという。
『47RONIN』
Blu-ray発売中/2,075円(税込)
発売元・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
©2013 Universal Studios. All Rights Reserved.
『ライフ』
ブルーレイ2,619円(税込)
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2017 Skydance Productions, LLC. All Rights Reserved.
『モータルコンバット』
ブルーレイ 2,619円(税込)
DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
MORTAL KOMBAT, the DRAGON LOGO and all related characters and elements are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.
Mortal Kombat © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
『ブレット・トレイン』
ブルーレイ+DVDセット5,280円(税込)
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2022 Columbia Pictures Industries, Inc. and TSG Entertainment II LLC. All Rights Reserved.
熱意とこれまでの努力が導いた「SHOGUN 将軍」の成功
そんな限界を超えたのが「SHOGUN 将軍」だった。ジェームズ・クラヴェルの小説をもとに、16世紀末の日本に漂着した英国人の視点から、安土桃山時代末期の戦乱を描いた本作で、真田は徳川家康をモデルにした武将を熱演。また、プロデューサーという役割に就いたことにより、クリエイティブな立場から作品に意見することが可能になった。日本人の所作や武士の振る舞い、殺陣、美術など、日本の伝統を正しく描くことに努め、それはダイレクトに作品に反映されると同時に、物語に重厚な味わいをあたえる。「SHOGUN 将軍」が高評価を得た背景には、そんな彼の熱意があった。そしてそれは、『ラスト サムライ』から20年にわたり、やりたいこと、やれること、やるべきことを積み重ねてきた真田のキャリアの大きな到達点でもある。
「SHOGUN 将軍」は好評を受け、シーズン2、3の製作も決定。シーズン1がこれほどの賞賛を得た以上、プロデューサー兼主演の身は、ますます忙しくなるだろう。真田広之、64歳。今後のハリウッドの開拓に注目したい。