シリーズ完結編といわれている『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ですが、エディとヴェノムは今回どうなってしまうのか?公開直前まで謎に包まれたままの本作に関する噂や予想を中心に、おなじみアメコミ映画ライターの杉山すぴ豊さんが、見逃せないチェックポイントを解説!(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『ヴェノム:ザ・ラストダンス』より ©2024 CTMG. © & ™ 2024 MARVEL. All Rights Reserved.
副題の意味するところ。今回は泣きの映画?
本作はヴェノム映画の3作目です。アメコミ・ヒーロー映画の場合、『ダークナイト』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように3作をもって一旦終了みたいなパターンが多いのと、副題にわざわざ“ラスト”とついているのでトム・ハーディ出演のヴェノム映画は本作をもって「一旦」終了と考えるべきでしょうか?
予告をみる限りトム・ハーディ演じるエディと彼に寄生したシンビオートに何らかの別れが来ると思われます。ヴェノム映画の魅力はこの2人のかけあいにあります。特に最新の予告編がシンビオートとエディの今までの関係を“恋人同士”のように振り返っています。
さらに本作には前2作でエディの元カノだった、ミシェル・ウィリアムズ演じるアンが出ない模様。エディとアンの恋バナが描かれない分、エディとシンビオートの関係がさらに深化? そして最終的にこの2人が別れる(ということはどちらかが死ぬ?)という展開ならすごく切ない映画になるのでは?
敵は誰か? シリーズ初の大バトルロイヤル物に?
前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では殺人鬼とシンビオートが合体して生まれたカーネイジがメイン・ヴィランでした。本作ではまた新たなシンビオートが登場しますがその中に明らかに怪獣っぽいシンビオートの姿があります。これは原作コミックにおけるゼノファージというクリーチャーでシンビオートを捕食する危険な存在。ゼノファージとヴェノムが戦うことははっきりしていますが、ゼノファージというのは“手下”でしかありません。
つまりこいつらを操るボスキャラ的存在がいます。それがヌル。予告でも言及されていますがシンビオートたちの創造主であり、暗黒の宇宙神的存在です。コミックのヌルはシンビオートたちの反乱に遭いクリンターという惑星に幽閉されています。彼は復活とシンビオートたちへの復讐、そして再び宇宙を闇に鎮めようとしているのです。もし映画でもこの設定が活かされているのであれば、ヌルが何らかの目的で手下のゼノファージを地球へと送りこみヴェノムを狙っているのかもしれません。
さらにシンビオートを排除しようとする軍の組織も登場するよう。さらにヴェノム以外のシンビオートも沢山登場しそうです。ということはクライマックスはヴェノムVSゼノファージ(後ろにヌル)VS軍の特殊部隊VSその他のシンビオートが入り乱れての大バトルになる?
他のアメコミ映画との関係。スパイダーマンは出る?
ヴェノム映画はいわゆるマーベル・シネマティック・ユニバース/MCUと別の世界観であり、従ってトム・ホランド演じるMCUスパイダーマンとは交わらないわけですが、このヴェノムの映画世界とMCUはマルチバースの関係であることははっきりしています。
前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』とMCU映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』においてヴェノムがマルチバースを超えMCUの世界に行き、スパイダーマンたちの存在を認識するというところまでは描かれています。『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ではMCUの世界から元の世界に戻ってきているのでスパイダーマンが絡む要素はありませんが、また何らかのきっかけでMCUの方に来てスパイダーマンとついに出会う、みたいなおまけシーンがあるかもです。
また気になるのはヌルは原作コミックにおいてノーウェアという星の誕生に関わり、魔剣ネクロソードを造りました。ノーウェアはMCU映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズに登場、映画『ソー:ラブ&サンダー』でクリスチャン・ベール演じるゴアが手にする神殺しの剣がネクロソードです。つまりすでにMCUにはヌルに関係するアイテムや設定がちりばめられているので、ここがつながるという驚きの展開もあり?
また気になるのはこのヌルを誰が演じているかです。ファンの間ではトム・ハーディとバイク仲間であるノーマン・リーダス説も!『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の後は同じくスパイダーマン系のキャラを主人公にした『クレイヴン・ザ・ハンター』もあるのでそっちにつながるなにかもある?
デッドプール、ジョーカー、ヴェノムは似ている?
今年のアメコミ映画まわりでいえば、『デッドプール&ウルヴァリン』が大ヒットとなり、待望の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が公開されました。デッドプールはもとともX-MENの敵、ジョーカーはバットマンのヴィラン、ヴェノムはスパイダーマンのライバルとしてコミックでデビューしながら、人気が出て主役となり、相手方のヒーローがいなくても単独映画が作られ大ヒットとなったという共通点があります。デッドプール、ジョーカー、そしてヴェノムが同じ年にスクリーンに登場するというのも面白いですね。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』
2024年11月1日(金)公開(10月25日~27日先行上映)
アメリカ/2024/配給:ソニー・ピクチャーズ
監督 & 脚本:ケリー・マーセル
出演:トム・ハーディ、キウェテル・イジョフォー、ジュノ―・テンプル、
リス・エヴァンス、スティーヴン・グレアム
©2024 CTMG. © & ™ 2024 MARVEL. All Rights Reserved.Venom : The Last Dance