世界に誇る日本ファンタジーの原点「八犬伝」の実写映画化。八人の剣士の運命をダイナミックなVFXで描く「【虚】八犬伝パート」と、その物語を生み出す作家・滝沢馬琴と、浮世絵師・葛飾北斎の奇妙な友情を通じて描かれる「【実】創作パート」が交錯するエンターテインメント超大作で、八犬士の一人・犬坂毛野を美しく演じている板垣李光人。毛野を演じる上で気を配ったことや、撮影中のエピソードなどを語ってもらった。(文・清水久美子/写真・久保田司/デジタル編集・スクリーン編集部)

板垣李光人 プロフィール

2002年1月28日生まれ。主な出演作に、映画『約束のネバーランド』(20)、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(23)、『陰陽師0』(24)、『ブルーピリオド』(24)、ドラマ「silent」(22)、「フェルマーの料理」(23)、「マルス-ゼロの革命-」(24)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)、「どうする家康」(23)などがある。『はたらく細胞』が12月13日公開予定。初の個展「愛と渇きと。」が大阪・心斎橋PARCOで11月10日まで開催中。

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『八犬伝』板垣李光人インタビュー

──「八犬伝」の物語は、これまで何度も映像化されてきましたが、板垣さんは興味を持ったことはありましたか?

「物語を描いた絵を観たことはあったのですが、映像化作品は観たことがなかったです」

──薬師丸ひろ子さんと真田広之さんが出演した映画『里見八犬伝』をはじめ、八犬士たちの物語を描いた作品が多かったですが、今回の『八犬伝』は【実】と【虚】のパートがありますよね。脚本を読んだ時に、どう思いましたか?

「面白かったです。やっぱり、その二つのパートで描かれているのが良いと思いました。【虚】のパートはファンタジーで、【実】の方はリアリティがあって。僕が出るのは【虚】の方だけですが、映像ができあがったら、リアルとフェイクのギャップがどういう風につながるんだろうと、脚本を読んだ段階で、楽しみになりました」

──実際に完成した映画を観て、いかがでしたか?

「【実】のパートの方はリアルではあるんですけど、切れ味が良い印象だったので、【虚】のパートとの境い目がなだらかだなと感じました。段差がなく、うまくつながっていて、全く違和感なく観ることができました」

──今回、犬坂毛野役で出演することになった経緯を教えていただけますか?

「僕、2023年の大河ドラマ『どうする家康』でも、女装して踊りながら登場して、アクションに入るというのが最初のシーンで、そこが今回の毛野と同じなんですよね。なので、大河であのシーンを演じたことで、毛野役のお話をいただいたと思われる方もいらっしゃるかと思うんですけど、『八犬伝』の撮影の方が『どうする家康』より前だったんです。だから、本当にたまたま重なって、この役のお話をいただいたという感じです」

──板垣さんは美しいので、どちらの役もオファーしたくなる気持ちが分かります!

「(照れ笑いしながら)毛野は男性ではありますが、今まで女性が演じることが多かったそうなので、軽やかな殺陣と、女性らしく見せる舞いの両方に挑むのは、やっぱりチャレンジングでしたね」

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『八犬伝』板垣李光人インタビュー

──撮影は大変でしたか?

「舞いのシーンは、曽利(文彦)監督が、毛野だけじゃなく、この作品全体において、物凄く気合いを入れて撮るくらい大事にしている場面だと、お話しされていました。なので、僕自身も、力が入りました。山奥の撮影現場だったのですが、恐らくあのシーンにはCGは使っていないと思います。舞いのステージを用意していただいて、撮影に臨みました。家でも、ずっと舞いの練習をしたのを覚えています」

──アクションもかなり激しいですよね?

「アクション部の方が殺陣の動きをつけてくださったのですが、基本の型はありつつも、それぞれのキャラクターの個性が出るようにしたいということで。毛野は、素早さとしなやかさのある、踊るように動く殺陣でした。アクション監督の方とお話ししながら、仕上げていきました」

──ケガなどはしませんでしたか?

「それは大丈夫でした。大河ドラマでも殺陣は結構やったことがあったので、今回も楽しんでできたと思います」

hair&make/KATO(TRON) stylist/石井 大

※全文はSCREEN2024年12月号に掲載

八犬伝

画像1: 八犬伝

28年間、「八犬伝」を書き続けた原作者・滝沢馬琴の奇跡の実話と、物語を描出した迫力の映像が交錯する、前代未聞のエンターテインメント超大作。江戸時代の人気作家・馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。それは、里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、壮絶な戦いに挑むという、壮大にして奇怪な物語。北斎を魅了したこの物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、馬琴は義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける。失明してもなお、28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとは……。

犬坂毛野(板垣李光人)

画像2: 八犬伝

「智」の珠を持つ八犬士。玉梓に操られた関東管領・扇谷定正の命を狙う中、里見家にかけられた呪いを解く珠に導かれ、八犬士の仲間に引き寄せられる。女性とも見紛う美貌の持ち主。

『八犬伝』
2024年10月25日(金)公開
日本/2024/2時間29分/配給:キノフィルムズ
監督・脚本:曽利文彦
原作:山田風太郎
出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、小木茂光、丸山智己、真飛聖、忍成修吾、塩野瑛久、神尾佑、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、大貫勇輔、立川談春、黒木華、寺島しのぶ

©2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.

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