『エルヴィス』(22)、『デューン 砂の惑星 PART2』(24)などのオースティン・バトラーと、『最後の決闘裁判』(21)のジョディ・カマー、そして『マッドマックス 怒りのデスロード』(15)、『ヴェノム』シリーズで知られるトム・ハーディら、ハリウッドの豪華スター陣が初共演を果たし、『テイク・シェルター』(11)、『ラビング 愛という名前のふたり』(16)のジェフ・ニコルズが監督・脚本を務めた『ザ・バイクライダーズ』が11月29(金)に公開される。この度、トム・ハーディ、オースティン・バトラーらキャスティングの経緯なども明かしたジェフ・ニコルズ監督のインタビューが届いた。

実在した伝説的モーターサイクルクラブのインスパイアムービー

本作は、アメリカの写真家ダニー・ライオンが、60年代シカゴに実在したバイク集団”OutlawsMotorcycle Club (アウトローズ・モータサイクル・クラブ)”の日常を描写した1st写真集「The Bikeriders」(1968年初版)にインスパイアされている。

キャストにも豪華な顔ぶれが続々!ヴァンダルズで異彩を放つ存在ベニーには『エルヴィス』(22)、『デューン砂の惑星 PART2』(24)などのオースティン・バトラー。本作のストーリーテラーで、ベニーのパートナーでもあるキャシーを演じたのは『最後の決闘裁判』(21)のジョディ・カマー。ヴァンダルズのカリスマ的リーダーのジョニーにはトム・ハーディ。ヴァンダルズのメンバー・ジプコには『ブレット・トレイン』(22)で知られるマイケル・シャノン、ヴァンダルズを取材する写真家ダニーには『チャレンジャーズ』(24)、『ウエスト・サイド・ストーリー』(21)のマイク・フェイスト、放浪のバイカー・ソニーには「ウォーキング・デッド」シリーズのノーマン・リーダスなど個性派たちが顔を揃えた。

<STORY>
1965年アメリカ・シカゴ。不良とは無縁の生活を送っていたキャシー(ジョディ・カマー)が、出会いから5週間で結婚を決めた男は、喧嘩っ早くて無口なバイク乗りベニー(オースティン・バトラー)だった。地元の荒くれ者たちを仕切るジョニー(トム・ハーディ)の側近でありながら、群れを嫌い、狂気的な一面を持つベニーの存在は異彩を放っていた。

バイカ―が集まるジョニーの一味は、やがて“ヴァンダルズ”という名のモーターサイクルクラブへと発展するが、クラブの噂は瞬く間に広がり、各所に支部が立ち上がるほど急激な拡大を遂げていく。その結果、クラブ内は治安悪化に陥り、敵対クラブとの抗争が勃発。ジョニーは、自分が立ち上げたクラブがコントロール不能な状態であることに苦悩していた。

一方、バイクと暴力に明け暮れるベニーの危うさにキャシーは不安を抱え、ベニーは自分を束縛しようとするキャシーとの将来に葛藤していた。そんななか、暴走が止まらない“ヴァンダルズ”で最悪の事態が起こってしまう――。

画像1: 実在した伝説的モーターサイクルクラブのインスパイアムービー

本作はシカゴのバイク乗りたちに密着した、ダニー・ライオンの最初の写真集<The Bikeriders>にニコルズ監督が出会ったことから生まれた。2014年、ダニー本人と交流した監督は、「ダニー・ライオンはアメリカ写真界の象徴」と言及する。

「ニュージャーナリズムにおいても、ですね。彼はニューヨークの歯科医の息子ですが、フォトジャーナリストになりました。20代前半に<TheBikeriders>を撮る前、アメリカ南部を旅し、公民権運動の一員として南部非暴力調整委員会のスタッフ・フォトグラファーとなり、公民権運動の象徴的な写真を撮ったのです。当時、彼は19歳でした」と語り、本作をダニー本人観てもらった際「本当に誇りに思ってくれたし、とても気に入ってくれました」と明かす。そして、「彼は、『私の本が60年代の写真運動を決定づけたというのは、大きな議論の余地があると思う。しかしあなたはこの映画で私が手にしたことのない、かけがえのないものを与えてくれた』と言ってくれました。この言葉は嬉しかった」と笑顔を見せる。

ベニーの“運命の人“となったキャシーが語り部として進んでいくことも本作の特徴だが、その理由については「(記録として残されていた)キャシー本人のインタビューが一番説得力があったから」だという。「彼女が初めてバーに入ったときの描写から、ベニーが一晩中彼女の家の外で待っていたことまで、ダニーの本に書かれています。この物語への導入としては、最も完成度が高いように思えたから、彼女をストーリーテラーにしました」「彼女をこの世界を観察するためのフレーミング装置、レンズの役割にするのは理にかなっている。でも、私は彼女を単なる観察者ではなく、参加者であってほしいとも考えました」そして「最終的に彼女が表現しているのは、この作品全体の緊張感、つまり男らしさの緊張感であり、サブカルチャーの緊張感なのです。暴力、安定性の欠如、無秩序など。一方で、美しくロマンチックな瞬間もある。キャシーがその緊張の中心なのです」とその思いを語る。

画像2: 実在した伝説的モーターサイクルクラブのインスパイアムービー

『乱暴者』や『イージー・ライダー』など、1960年代当時を象徴するバイカー映画が本作劇中に多数出てくることついては「バイカーカルチャーを研究する上で、バイカー映画のポピュラーカルチャーを取り上げるのは興味深い。つまり、『乱暴者』を見ると、冒頭でマーロン・ブランドが偽物のオートバイに乗り、リアプロジェクションを使った安っぽいショットで始まる。とても陳腐です。そして『イージー・ライダー』は、60年代後半から70年代前半のフィーリングを表現しようとした、実に有機的で奇妙なアート映画です。これ以上美学的に異なる映画はないでしょう。たった10年しか違わないのに。でも、バイカーカルチャーに関連する時代の流れを示す、完璧な道しるべだと思いました」と理由を解説。

バイク集団“ヴァンダルズ“のリーダー・ジョニー役にトム・ハーディにキャスティングするにあたって「数ヶ月かかりました」と振り返る。「彼のマネージャーはマイケル・シャノンの共同マネージメントもしていて、古くからの友人でした。彼に脚本を渡したのは間違いではなかった。トムのマネージャーは電話をしてきて、『この役をやれるのはトムしかいない。新しいマーロン・ブランドだ』と」。

その後、監督はロンドンに渡って、ハーディと話し合いを重ねた。「トムはかなりたくさんの質問をしてきました。とても激しいミーティングになりました。彼が引き受けるかどうか、ほとんどリアルタイムで考えているのが分かりました。そして彼は、『この役を他の人にやらせるなんて考えられない』と言ったんです」「トムの出演は、映画の展開に大きな影響を与えました。キャンプファイヤーのそばで、ジョニーがベニーに初めてクラブを差し出すシーン。あのシーンは脚本にはない、トム・ハーディのアドリブなのです。あのセクシーさ、激しさ、それはすべてトムのおかげなのです」と絶賛する。

画像3: 実在した伝説的モーターサイクルクラブのインスパイアムービー

ベニー役にオースティン・バトラーがキャスティングされた経緯については「彼に会う2日前に『エルヴィス』の予告編が公開されたばかりだった。予告編の2、3ショットを見ただけで、『ああ、この人はすごい仕事をする人だ』と思いました。そして、オースティン・バトラーとのミーティングで、彼が部屋に入ってきたときに空気がガラリと変わるのを感じました。彼は人間的にも素敵な人だし、明らかに才能もあります。そして、彼を観れば、観客の誰もが、キャシーがベニーのバイクの後ろに乗ったことに納得するだろうと思いました。そして、ジョニーがベニーにヴァンダルズを引き継ごうとすることにも疑問は持たないだろうと。彼は、それだけ説得力のある魅力に溢れているのです」と振り返る。

そして最後「この映画については、40代半ばの男が初めて自分の人生を振り返り作った映画のように感じられる部分があります。<ノスタルジック」>という言葉、それが意味するもの、そしてそれが人生に与える影響を初めて理解できる人が書いた作品という感じ。そういう意味では、とても個人的な映画と言えますね」「また、男性の性や労働者階級への思い入れについて語ることもできる。見どころがたくさんあります。物語の構成や、物語がどのように語られ、観客にどのように伝わるか、とてもこだわりをもって撮った作品なのです。今の私自身を投影したような作品と言えるかもしれません」と本作への思いを語った。

『ザ・バイクライダーズ』
11月29日(金)TOHO シネマズ シャンテ、ホワイトシネクイント他 全国ロードショー  
監督・脚本:ジェフ・ニコルズ『テイク・シェルター』
出演:オースティン・バトラー、ジョディ・カマー、トム・ハーディ、マイケル・シャノ  ン、マイク・フェイスト、ノーマン・リーダス
2023年/アメリカ/シネマスコープ/116分/カラー/英語/5.1ch/原題『THE BIKERIDERS』 字幕翻訳:松浦美奈/映倫区分:G
配給:パルコ ユニバーサル映画
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