ヒップホップが溢れる街で育ったネネは、パリのオペラ座バレエ学校に入学したばかりの12歳の黒人少女。ネネの才能は誰の目にも明らかだったが、彼女の生い立ちや肌の色が伝統ある学校にはそぐわないと同級生や一部の教師から差別を受けていた。それでも持ち前の情熱とひたむきさで、エトワールを目指し日々バレエに打ち込むのだが、彼女の入学に最初から反対していたマリアンヌ校長との衝突などトラブルが次々と起こっていく。そんな最中、マリアンヌの隠された秘密が明らかになる。
フランス映画界期待の新星ラムジ・ベン・スリマンが監督・脚本を務め、若きバレリーナである主人公のネネ役をルイ・ガレルとヴァレリア・ブルーニ・テデスキの養女であるオウミ・ブルーニ・ギャレルがエネルギッシュなダンスで見事に演じ、元スターバレリーナから校長に転身しネネに立ちはだかる校長マリアンヌ役を名優マイウェンが、オペラ座の演出家役をセドリック・カーンが熱演する。さらに、ストリートダンス振付にコンテンポラリーダンスの新星メディ・ケルクーシュ、クラシックダンスアドバイザーにパリ・オペラ座の現役ダンサー、ジュリアン・メザンディが加わり、スター・ダンサーであるエトワールのレオノール・ボラックが本人役で踊るという本格的バレエシーンも見どころ。バレエの美しさと厳しさを鮮やかに描くのと同時に、人種差別や才能への僻み妬みで苦しみながらも常に前向きに生きるネネの姿を通して、その周りの人々も成長していく感動作。
本作で本人役として登場し、華麗なダンスを披露しているのが、スター・ダンサーであるエトワールのレオノール・ボラック。1990年5月10日にパリで生まれ、パリ・オペラ座学校を卒業し、2008年にパリ・オペラ座バレエに入団。カドリーユ(オペラ座バレエ団の5つの階層の1番下)を5年間つとめ、代役ばかりで舞台になかなか上がれないという厳しい状況を長く経験する。しかし、2014年にコリフェ(下から2番目の階層)に昇進し、前芸術監督のバンジャマン・ミルピエが『くるみ割り人形』の主役に抜擢したことで状況が一転。順調に昇進を重ね、2016年12月31日、バスチーユ・オペラ座でマチアス・エイマンをパートナーに『白鳥の湖』を踊り、終演後にバレエダンサーのトップ、エトワールに任命された。オレリー・デュポンが芸術監督就任後、女性ダンサーとして最初に任命されたエトワールとなった。エトワールに任命された『白鳥の湖』では、エトワールのローラ・エケが負傷により降板したため、オデット/オディール役の代役であったボラックがたった一度きり、初めて演じた役でのエトワール任命であった。そんなボラックが本作の中で披露しているのが「ライモンダ」で、妖精のような可憐なオーラを纏いつつ、優雅さと力強さを兼ね備えたダンスで観る者を魅了する。
名だたる一流ダンサーによる圧巻のダンスシーンも魅力の『ネネ -エトワールに憧れて-』は11月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開。
『ネネ -エトワールに憧れて-』
11月8日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:イオンエンターテイメント
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