ほら、あの作品も！敏腕プロデューサースティーヴン・スピルバーグ

2024-12-15

スクリーン編集部 @ SCREEN

スペシャルスティーヴン・スピルバーググレムリンバック・トゥ・ザ・フューチャーツイスターズ

12月18日は、スティーヴン・スピルバーグ監督の78回目の誕生日。2024年は監督作の公開こそありませんでしたが、『カラーパープル』『ツイスターズ』『トランスフォーマー／ONE』とプロデュース作が3本も日本の劇場で公開されました。そこで今回は、スピルバーグ監督を語る上で欠かせないプロデューサーとしての1面にフォーカスを当てて、その敏腕ぶりに迫りたいと思います。（文・渡辺麻紀／デジタル編集・スクリーン編集部）
カバー画像：Photo by Taylor Hill/FilmMagic

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脚本から演出まで積極的にアドバイス

“製作総指揮”は“製作”と異なり、名前がクレジットされるだけで作品とは深くかかわらない場合が多い。が、そういうハリウッドの慣例に反してスピルバーグは積極的にアドバイスを出すタイプだと言われている。前記の『ジュラシック・ワールド』のトレボロウは「スティーヴンと６，７カ月かけて脚本をブラッシュアップしていた」というし「クリス（・プラット）のキャラはスティーヴンのアイデア」とも。マイケル・ベイも同じように「スティーヴンはいつも脚本に目を通している」というから、脚本の段階でさまざまなアドバイスをしているようだ。だからなのかスピルバーグの監督への言葉は「いい物語を伝えてくれ」、そして「予算を越えるな！」だ。

こんなアドバイス・協力を！

『トゥルー・グリット』（2010）

コーエン兄弟の映画でスピルバーグが製作総指揮というのはかなり意外だが、兄弟曰く「彼のおかげで完成した」。本作はリメイク作品なので映画化権を持っているスタジオと交渉してくれたのがスピルバーグだったという。

『トゥルー・グリット』

Blu-ray：2,619円（税込）
DVD：1,572円（税込）
発売元： NBCユニバーサル・エンターテイメント

『カウボーイ＆エイリアン』（2011）

スピルバーグが伝授した監督ジョン・ファヴローへのアドバイスは「ジョン・フォードに教えてもらった西部劇における地平線の置き方」。つまり『フェイブルマンズ』のラストのフォードのエピソードを教えてくれたのだ。素敵すぎる！

『ツイスターズ』（2024）

スピルバーグはラストの空港での主人公ふたりのお別れシーンでのキスをカットするようアドバイス。監督のリー・アイザック・チョンは撮影していたのに。そのほうが“続き”を感じられ、ふたりが共通の情熱で結ばれていることがわかるからだ。

『ツイスターズ』

発売中
【初回仕様】4K ULTRA HD&ブルーレイセット（2枚組／日本オリジナルアート版ポスター付）8,580円（税込）
発売元：ワーナー・ブラザースホームエンターテイメント
販売元：NBC ユニバーサル・エンターテイメント

プロデュースと並行して監督作もバリバリ進行中！

78歳を迎えてもなお、バリバリの現役らしく、新作が目白押し！　監督作は、スティーブ・マックィーンが主演した『ブリット』に登場する刑事フランク・ブリットを描くタイトル未定のプロジェクト。ブリットをブラッドリー・クーパーが演じる。もう1本、注目はミニシリーズの「ナポレオン」。敬愛するスタンリー・キューブリックの未完の企画を監督＆製作総指揮する。スピルバーグは同監督の未完の作品『A.I.』（01）を完成させた経験がある。シリーズものではピーター・ジャクソンが監督する『タンタンの冒険』の最新作をプロデュース。前作『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』（11）ではスピルバーグが監督、ジャクソンが製作に回っていた。製作作品の新作は20本を数える多忙っぷり。78歳にしていまだハリウッドの中心にいるスピルバーグなのだ。