いよいよお楽しみの2025年お正月映画のラインナップが勢ぞろい。その中でも注目したい期待作の見どころをご紹介! まずはマーベルの最新作『クレイヴン・ザ・ハンター』から。(デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『クレイヴン・ザ・ハンター』より MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

作品紹介

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マーベル最新作で、原作コミックではスパイダーマンの宿敵として描かれたヴィランにして、強靭な肉体に野獣のようなパワーとスピード、研ぎ澄まされた五感を持ち、動物との意思疎通もできる“ハンター”、クレイヴンを主人公にしたバイオレンス・アクション。

クレイヴンことセルゲイ・クラヴィノフを演じるのは『ブレット・トレイン』などのアーロン・テイラー=ジョンソンで、彼の冷酷な父親ニコライを『ヴァチカンのエクソシスト』のラッセル・クロウが演じる。またヒロイン、カリプソに『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ、セルゲイの義弟ドミトリに『グラディエーターⅠⅠ英雄を呼ぶ声』のフレッド・ヘッキンジャー、クレイヴンの敵ライノとなるアレクセイに『アムステルダム』のアレッサンドロ・ニヴォラが扮する。

監督は『アメリカン・ドリーマー理想の代償』のJ・C・チャンダー。撮影を『キック・アス』のベン・デーヴィス、音楽を『エイリアン:ロムルス』のベンジャミン・ウォルフィッシュが担当している。

あらすじ

画像: セルゲイ(アーロン・テイラー=ジョンソン)は超人的パワーを持つハンター“クレイヴン”となる

セルゲイ(アーロン・テイラー=ジョンソン)は超人的パワーを持つハンター“クレイヴン”となる

「強者が生き残る。相手をすべて獲物と思え」という哲学を持つ冷酷な父ニコライ(クロウ)の元で育った少年セルゲイ。ある日、ニコライと狩猟に出かけた時にライオンに襲われるが獲物を仕留めることができず、父は彼を弱者とみなす。しかしこれをきっかけにセルゲイは百獣の王のパワーを体に宿し、容赦ないハンター、クレイヴン(テイラー=ジョンソン)と化す。彼が狩る対象は金儲けのために罪なき動物をハントする人間たち。クレイヴンは次々と強欲な人間を狩り、彼らを動かす巨大な組織へと近づく。そんなクレイヴンの前に立ちはだかる敵は全身が固い皮膚で覆われた怪物ライノ。さらに病弱な弟ドミトリ(ヘッキンジャー)が危険にさらされる事態もクレイヴンを激昂させる。やがてクレイヴンは“裏社会の殺戮者”と呼ばれるニコライと対峙することになるが…。

新たなマーベル作品『クレイヴン・ザ・ハンター』の見どころとは?

新登場のクレイヴン・ザ・ハンターとはどんなキャラクターなのか、今回の映画化ではどこが注目ポイントなのかをおなじみのアメコミ映画ライター、杉山すぴ豊さんに解説してもらいましょう。
(文・杉山すぴ豊)

『クレイヴン・ザ・ハンター』(以下『クレイヴン』)はマーベル原作映画ですが、いわゆるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ではありません。スパイダーマンのコミックに登場するキャラクターの映画化権を持つソニーピクチャーズが独自に展開する作品群の一つです。同じようなケースでは「ヴェノム」3作、『モービウス』『マダム・ウェブ』があげられます。

面白いのは、この一連の映画の主人公たちは、コミックではスパイダーマンの世界の住人ですが、映画版ではスパイダーマンは出てこないんです。ちょっとややこしいんですが、ソニーはトム・ホランドの演じるスパイダーマンだけ、ある意味“MCUに貸し出している”状態なので、これらの作品にスパイダーマンを出すと混乱が生じてしまうのでしょう。正直、スパイダーマン抜きでこうしたキャラの映画が作れるのかと最初は思ったのですが「ヴェノム」シリーズの成功を見ていると「あり」ですし、またこのクレイヴンはとてもユニークなヒーロー(というかヴィラン)なので単独でも十分イケるでしょう。

 まずコミックに登場したクレイヴンについてお話すると、彼の本名はセルゲイ・クラヴィノフといってロシア系。ハンター(狩人)という呼び名があるように、卓越した身体能力を持ち、それを使って猛獣たちを捕まえる狩人でした。彼は自分を世界最高のハンターと自負しているのですが、あることがきっかけで“スパイダーマンを捕らえる”というミッションに挑みます。

 しかし結局はスパイダーマンに逃げられてしまう。プライドを傷つけられた彼は、以来スパイダーマン狩りに執念を燃やします。1964年のアメイジング・スパイダーマン誌15号でデビュー。スパイダーマンの敵としては古参です。イメージとしてはターザン×傭兵みたいなタフガイ。従ってニューヨークを舞台にビルからビルへと飛び移ってスパイダーマンと鬼ごっこ的なチェイス&バトルを繰り広げます。

彼は持ち前の身体能力だけでなく、神秘の薬によって超人的な肉体を手に入れたという設定です。どうやら映画は高い身体能力を持ったハンターという設定を活かした、映画オリジナルのバイオレンス・アクション映画に仕立てているようです。予告とか見る限りランボーのように相手を肉弾戦で殺しまくってますからね。

 時代の背景なのか、コミックでは猛獣狩りをしていましたが、映画では逆に動物たちを守るため密猟者みたいな悪党をハントしていく(狩っていく)ようです。ヴェノムもそうですが、基本は人間を捕食するモンスターですが食べるのは悪人ばかり、とすることでヒーローでもありますよね? この映画版クレイヴンも人を平気で殺すような男ですが、悪人たちを狩って殺すハンターなのかもしれません。

画像: セルゲイの冷酷な父、ニコライ(ラッセル・クロウ)は裏社会の殺戮者と呼ばれる要注意人物

セルゲイの冷酷な父、ニコライ(ラッセル・クロウ)は裏社会の殺戮者と呼ばれる要注意人物

 映画では主人公をアーロン・テイラー=ジョンソンが演じます。彼は「キック・アス」シリーズのキック・アス、『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』のピエトロ・マキシモフ、『キングスマン:ファースト・エージェント』のアーチーと、アメコミ・ヒーロー映画の主人公などを多く演じています。また次の007候補との噂もある。従っていま最も注目されるアクション・ヒーロー俳優の一人です。その彼が肉体派のクレイヴンを演じるわけですから期待は高まりますね。

 一方、この映画にはアメコミ・ヒーロー映画らしいスーパーヴィランも登場します。サイ男のライノです。コミックでは猛獣のサイを模したアーマーを着ている怪力怪人。映画『アメイジング・スパイダーマン2』のラストに出てきた怪人もライノでした。しかしこの映画ではアーマーではなく、ハルクのように皮膚が変化しています。これも映画独自ですね。加えて注目なのは主人公の父を演じるのがラッセル・クロウです。DC映画『マン・オブ・スティール』ではスーパーマンの実の父ジョー・エルを演じていましたね。2度目のヒーローの父です。本作が『ヴェノム』等とつながるのか、マルチバース設定でトム・ホランドのスパイダーマンともクロスするのかは不明ですが、こうした他のアメコミ映画要素とのリンクがなくても十分楽しめそうなアクション映画になっている予感がします。

『クレイヴン・ザ・ハンター』
2024年12月13日(金)公開
アメリカ/2024年/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
監督:J・C・チャンダー
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、アリアナ・デボーズ、フレッド・ヘッキンジャー、アレッサンドロ・ニヴォラ、ラッセル・クロウ

MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

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