型破りなフレンチのシェフ尾花夏樹の奮闘を描いたドラマ「グランメゾン東京」から5年。映画『グランメゾン・パリ』で尾花が挑むのは、フランス料理の本場パリでの三つ星獲得。尾花を生き続けてきた木村拓哉。本作から新たにチームに加わった正門良規。事務所の先輩と後輩でもある二人は、現場で何を感じたのか。(文・杉谷伸子/写真・奥田耕平(THE96)/デジタル編集・スクリーン編集部)
画像1: 映画『グランメゾン・パリ』木村拓哉×正門良規 インタビュー

木村拓哉 プロフィール

1972年11月13日生まれ。東京都出身。アーティストとしても俳優としてもトップを走り続けるなか、数々のドラマが社会現象を起こし、「HERO」をきっかけに検事を目指す若者が増えたと言われるなど、演じた主人公の職業も注目を集めてきた。主演連続ドラマが映画化されるのは「HERO」シリーズに続き、2作目。「グランメゾン東京」と「グランメゾン・パリ」の間を描くスペシャルドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)が、12月29日(日)にオンエア。

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正門良規 プロフィール

1996年11月28日生まれ。大阪府出身。2024年5月にAぇ! groupとしてCDデビューする以前から、連続テレビ小説「スカーレット」や「和田家の男たち」、さらには主演を務めたスペシャルドラマ「京都のお引越し」など、俳優業でも活躍。この秋、主演を務めた舞台「Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド〜虚空に触れて〜」でイギリスでの初演の演出も手がけたトム・ウォリスとのタッグで、登山家の壮絶な体験を演じた。

──舞台をパリに移しての劇場版。お二人は今作にあたってどのような準備をされましたか。

木村「フランスの住人になることですね。コロナ禍を経て2024年にもう一度お会いすることになる5年間に、“あいつ、何やってたかな”って考えて。その間のことはSPドラマ(今冬O A)で描かれているんですけど。で、パリにいる日本人だったら、“もうこれくらいいっといていいですか?”みたいな感じで思い切ってしまい、初全頭ブリーチしたんですよ。監督は“うわ、こうしたか”みたいなリアクションだったんですけど、俺、後からすごい恥ずかしかった。パリで三つ星をとってる日本人シェフがいることは知ってたけど、その小林圭のビジュアルを知らなくて。衣装合わせが終わったくらいの“今かい?”っていうタイミングで画像検索して、衝撃でスマホを落としそうになった。“俺が被せに行ってるじゃん!”って」

正門「でも、パリにいる日本人としてのマインドは、正しかったわけですよね。僕は包丁の扱いとか下処理とか、ひたすら料理のことを教えてもらいました。実際に一品作る機会も設けていただいて、キーマカレーを作ったんですよ。コミ(見習い)役なので、料理の後の片付けとかもちょっと教えてもらいました。いろいろと質問することが多かったですね。」

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──正門さんが演じる小暮のヘアスタイルも特徴的ですよね。

正門「あれは、とにかく爆発させたいという塚原さんのこだわりで。自分で言うのは恥ずかしいですけど、僕がすごく真面目そうに見えるということで。グレちゃん(小暮の愛称)の個性を出すために思い切った髪型にしてみるのもいいんじゃないかと、爆発がテーマでセットしてもらってました」

──皆さん温かく迎えてくださったと思いますが、映画からの参加は緊張されますよね。

正門「もちろん、もちろん。グランメゾンの世界が目の前にある現場は、震える感じでしたね。衣装合わせからドキドキしました。名前が入っているコックコートを着たりして、実感が湧くにつれて緊張感が高まってきてたので。でも、こんな贅沢な現場はないぞと思って、できることを一生懸命やろうと思いました」

木村「グランメゾンというチームに食らいついてる感がすごく伝わってきた。もちろん、ウェルカムな我々はいたつもりだけど、尾花としては設定上そこまでベタベタじゃないし、直属の後輩というのもあって、こっちにもきっと若干の照れがあっただろうし。でも、今だから言うけど、心地よい、モチベーションとしての体育会系のノリがあったし。グループ名まで含めて名前かいっていうくらい、毎回挨拶のたびに“Aぇ!groupの正門良規です!”っていうのにも、手荷物の中にしっかりグループというものを持参してる感じがして。今後、おたがいが自分をどう磨いていくのかによって、それぞれが出会える作品も変わってくるだろうけど、素敵な作品に出会ってほしいなとすごく思います」

正門「いや、ありがたいです。ほんま、“Aぇ!groupの”からが自分の芸名みたいなものだと思ってるので。体育会系のノリがあるとも言っていただいて、野球やってて良かったと思いました。良かった、そのとき声張ってて」

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──厨房でのお二人の印象的なやり取りもあります。あのシーンの最後の尾花の台詞は木村さんのアドリブなのかなと。

木村「アドリブっていうか。それまでの尾花と小暮の間でずっと存在していた筋肉の緊張みたいなものが、あの瞬間でコンって抜けるシーンなので、なんかないかなと。3パターンぐらいやったんですけど、自分的にアレンジしてみたかったのは関西弁。今回はそれぞれが相手の国の言葉で返したりしてるじゃないですか。でも、尾花は小暮にだけ関西弁で返してないんですよ。だから、本編で使われていたのとは別に、関西弁で返してるのもあるんですよ」

正門「めっちゃ覚えてます。ちょっとピリついてるシーンでの会話ですけど、試写で客観的に見た時に、なんだか尾花が、もう一人の尾花に喋ってるようにも感じて。小暮からポロっと出た言葉をその場で聞いてた倫子さんが、“うん”って頷いてくださってたんですけど、その一瞬もあの空間も素敵すぎて。自分で言うのも恥ずかしいですけど、大好きなシーンですね。演ってるときは緊張しましたけど、 時間が経って観てみるとまた違う感じ方をするんだなと思いました」

[木村拓哉]hair&make/高村明日見  styling/遠藤和己 衣装/レッドウィング【問い合わせ】レッドウィング・ジャパン、マービンズ
[正門良規]hair&make/花井菜緒  styling/寒河江

※全文はSCREEN2025年1月号に掲載

映画 『グランメゾン・パリ』

画像1: 映画 『グランメゾン・パリ』

尾花夏樹は早見倫子(鈴木京香)とパリで新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘していた。しかし、巨匠たちがしのぎを削る本場では、日本人シェフが満足のいく食材を手に入れることにすら高い壁が。そんななか、あるガラディナーでの失態が原因で、尾花は「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出て行く」という約束を恩師と交わしてしまう。連続ドラマからのキャスト陣も再集結し、塚原あゆ子監督と脚本・黒岩勉のタッグも続投。映画からの新キャストに、パティシエ役のオク・テギョン(2PM)、コミ役の正門良規(Aぇ! group)。料理監修を、実際に2020年にアジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが手掛けている。

画像2: 映画 『グランメゾン・パリ』

尾花夏樹(木村拓哉)

料理に関しては一切の妥協を許さない、型破りなフレンチのシェフ。フランス料理の本場パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘している。

画像3: 映画 『グランメゾン・パリ』

小暮佑(正門良規)

「グランメゾン・パリ」で働くコミ(見習い)。関西弁で人懐っこく、店のスタッフとも仲が良いムードメーカー。尾花の料理への情熱や行動力を尊敬しているが、もっと周りを頼ってほしいとも思っている。愛称はグレちゃん。

映画 『グランメゾン・パリ』
2024年12月30日(月)公開
日本/2024/1時間58分/配給:東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:塚原あゆ子 脚本:黒岩勉
出演:木村拓哉、鈴木京香、オク・テギョン、正門良規(Aぇ! group)、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、寛一郎、吉谷彩子、中村アン、冨永愛、及川光博、沢村一樹ほか

©2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

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