世紀末を無事に終えた神の子のイエスと、仏の悟りを開いたブッダが有休を取得し、地球という下界でバカンスを楽しむ姿を描いた中村光のギャグ漫画「聖☆おにいさん」。
今回、初の実写映画化『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』で福田雄一監督とタッグを組んだ松山ケンイチと染谷将太に、撮影秘話や共演者とのエピソード、好きなヒーローについて語ってもらった。

予測不能だからこそ新しいものが生まれた現場

ーー本作への出演が決まった時の心境からお聞かせいただけますか。

松山「基本的に僕はアパートの中だけで完結する物語だと思っていたので、“二人だけで長編の映画って成立するんだろうか?”と正直不安になりました。そしたら劇場版ではブッダとイエスが外に出ますと聞いて、さらに豪華なキャストも集結すると知って驚いて。こんなにすごい俳優陣が揃っているのに特に深いメッセージもなく、哲学とか神々の何かみたいな神々しさもなく、ただただ監督も俳優たちも笑わせようと奮闘するだけという(笑)。そこがおもしろいと思いました」

染谷「実は正式にお話をいただく前から映画化の噂を聞いていて、まさかとは思ったのですが、製作することが決定した時は正直驚きました。松山さんと同じで、“イエスとブッダは劇場版で一体何をするんだろう?”“原作のどの部分を映画化するんだろう?”とドキドキワクワクしていたら、先生が劇場版のために物語を書いてくださったと知って嬉しかったですね」

画像: 予測不能だからこそ新しいものが生まれた現場


ーー今回、賀来賢人さんや岩田剛典さん、窪田正孝さん、藤原竜也さんなど様々な方とご一緒されてみていかがでしたか?

染谷「ドラマ版の時と同じように、最初は自然体で演じていたはずなのですが、Team天界やTeam悪魔のキャストの方々とお芝居した瞬間に、我々(ブッダとイエス)のすべてが一度崩壊しそうになって(笑)。みなさんアドリブ合戦を繰り広げていたので、ブッダとイエスのいつもの感じを見失いそうになったんですけど、“いや、自分たちはこのままでいこう”と松山さんと話しながら演じたのを覚えています」

松山「みなさんから繰り出される想定外の演技に、僕たちだけじゃなくその場にいた全員が衝撃を受けていたよね?」

染谷「受けていましたね。(佐藤)二朗さんのシーンはカメラマンさんが堪えきれずに笑っちゃってカメラが少し揺れていましたよ(笑)」

松山「スタッフさんが思わず吹き出しちゃう声がうっすら聞こえたりして…」

染谷「聞こえていましたね。リハーサルもなく、ぶっつけ本番なのが福田組の時の二朗さんスタイルらしく、二朗さんが現場に入って来た途端にカメラが回るんです。本当に何が起こるかわからないままお芝居していました(笑)」

画像1: ©中村光/講談社  ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

©中村光/講談社  ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

ーー今回の福田雄一監督の現場の雰囲気や、演出方法などで印象に残ったことを教えて頂けますか。

松山「福田さんは現場でいつも笑っていたのが印象に残っています。アドリブ芝居によって何が起こるかわからない怖さもあるんですけども、だからこそ新しいものが生まれてきたりもする。いい意味で俳優さんのイメージが壊れる瞬間もあったと思いますし、意外な何かを引き出す力を持っているのはすごいなと改めて感じました。
どの作品でも学びや反省、気づきみたいなものはありますが、福田さんの現場の独特な空気感や世界観がすごくおもしろかったです」

染谷「福田さんの人間力もあると思いますが、ここまで豪華なキャスト陣が集まって、台本からさらに膨らませておもしろくしていく、“福田さんを笑わせたい”というエネルギーがすごかったです。だけどそれは決してやりたい放題のままではなく、福田さんが絶妙なバランス感覚とセンスで確実におもしろい作品に作り上げているので、ぜひ期待していただきたいです」

松山「みんなしっかりと爪跡…というか爪跡どころじゃない何か残しているのでびっくりすると思います(笑)」

画像2: ©中村光/講談社  ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

©中村光/講談社  ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

ーー中でも窪田正孝さん演じる“煩悩の化身である悪魔・マーラ”は強烈な印象を残していました。窪田さんとの撮影エピソードを教えていただけますか。

松山「2012年に大河ドラマ『平清盛』でご一緒した時に、彼は僕の息子役だったんです。今回久々にご一緒して、12年の間にいろんなことがあったんだろうなと思うぐらい窪田くんの雰囲気というかキャラが変わっていて驚きました。カメラが回っていない時もそうですが、カメラが回っている時は演技の質みたいなものも変わっていて。
そこがすごくおもしろかったです。ここまで人間って変わるんだなと思いましたね。きっと今後さらに変化していくと思うので、次に違う現場で会うのが楽しみ。また共演したいです」

染谷「僕はクランクイン前から窪田くんがマーラをどんな風に演じられるのか楽しみにしていて、いざ現場でブッダとして対峙したらすごく清々しいマーラで新鮮でした」

松山「なんかかわいかったよね」

染谷「想像を超えてきました。マーラなのになんでこんなに抜け感があるんだろうって(笑)。愛すべき敵キャラになっていて、一緒にお芝居していて楽しかったです。マーラが魔法少女に見えてしまう場面も、顔がバッキバキなのにすごく清々しいのが不思議で。窪田くんのチャーミングさが爆発していました」

画像3: ©中村光/講談社  ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

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