<尾上右近>hair & make/西岡達也(Leinwand) styling/三島和也(Tatanca)
ジャケット¥50,600/Ohal(オーハル) パンツ¥35,200/Ohal(オーハル)/共にJOYEUX
※その他スタイリスト私物
<松田元太> hair & make/宇佐見順子(JOUER) styling/日夏(YKP)
ジャケット¥57,200、パンツ¥33,000/共にCULLNI(Sian PR)
右近「自分がやりたいことや、夢を強く思うことは大事なんだなってすごく思いました」
ーーオーディションを受けたそうですが、『ライオン・キング:ムファサ』超実写プレミアム吹替版の声優に決まったときの心境はいかがでしたか?
右近「僕もげんげんの心境を聞いてみたいです(笑)」
松田「ホントですか!? じゃあ僕から話します。いつかディズニーのお仕事がしたいという夢もあったので、今世紀一番ぐらいの嬉しさがありました。オーディションの合否もわからないときから、自分にできることを本気でやろうと心に決めて。『ライオン・キング』のファンの方、これからこの作品を知る方のためにも、絶対受かって良いものを届けられるように挑戦してみようって気合いが入りました」
右近「僕は自分がやりたいことや、夢を強く思うことは大事なんだなってすごく思いました。僕もディズニーファンで、吹替版の声優をやりたいと長年思い描いていました。実はオーディションのお話をいただく前、今後目指したい仕事の方向性についてマネージャーさんとお話して。でもディズニーの声優をやりたいという気持ちを共有するのを忘れてしまって、でも不思議なことに、その翌日“『ライオン・キング:ムファサ』のオーディションのオファーが来ました”と連絡が来たんです(笑)」
ーーそれは運命的なものを感じますね。
右近「しかもストーリーを伺うと、今回は王の伝統の始まりであるムファサがどうやって王様になっていったかの物語で。僕は歌舞伎という伝統の中に身を置いていますが、歌舞伎俳優の息子ではないので、『自分の力で頑張る』という気持ちでやってきました。だから『ひとりぼっちのムファサの気持ちに寄り添えるのは僕のはずだ!』と。そんな自負もあり、絶対受かりたいという気持ちでオーディションに臨みましたが、なぜか帰り道はダメかもしれない……みたいな気持ちになって(笑)。なので受かったときは人の多い空間で、『オシッ!!』という声を響かせてしまいました」
松田「収録する前からけんけんの声を聞いて、勝手に安心感を感じていました」
ーーそれだけ嬉しかった、と。お互いがムファサとタカだと知ったときの印象はいかがでした?
右近「ムファサにとってタカは表裏一体のような存在でもあるから、自分の兄弟になるのはどういう人なんだろうと僕も一番気になっていました。げんげんがタカをやると聞いて、めちゃくちゃテンションが上がりましたね。タカにピッタリだし、早く声が聞きたいと思いました」
松田「タカがタカでいられるためにもムファサは大きな存在なんですね。僕は右近さん……けんけんさんって呼んでいいですか?」
右近「けんけんでいいよ(笑)」
松田「いいですか? じゃあ!(笑)、僕は勝手に安心感を感じていました。声を聞いただけで、絆のようなもの感じて、タカにとってムファサはお兄さん的存在だけど、松田自身もけんけんに強い安心感を感じて、甘えたいみたいな気持ちがすごくありました(笑)」
松田「僕が演じるタカでいなければならない。そうするのがすごく難しいなって思いました」
ーー収録前にどんな準備をされましたか?
右近「アニメーションの画の動きとリップを合わせるためには、秒数を意識しながらセリフに気持ちも入れないといけない。それが難しくて、何というか、事前の準備は備えようもないことに一生懸命備えている感じでした」
松田「わかる。めちゃめちゃわかります! セリフを言う決められた時間の中で、いかに感情を持っていって、一旦切って次に繋げるか。それは自分の全身を使ってお芝居するときとは、また別の感覚だなって思いました。しかも字幕版の声優をされている方の声から大きく変わってしまったら吹替にはならないのかなと思って。だから字幕版の声に寄せながらも、僕が演じるタカでいなければならない。そうするのがすごく難しいなって思いました」
右近「そうなんだ。その話を詳しく聞きたいな(笑)」
松田「めっちゃパニックでした。秒数を気にすると滑舌もちょっと甘くなるし。例えば語尾など、一言だけでも伝わるニュアンスが全く変わってしまうので苦戦しました」
右近「今でも毎回千秋楽の日に寂しいという気持ちを抱ける自分でいたいと思っています」
ーー今回は『ライオン・キング』のはじまりの物語ということですが、デビュー当時などで先輩に言われて心がけようと思った言葉や印象に残った出来事を教えてください。
右近「数知れないけど……、僕は歌舞伎の初舞台が7歳のときで、毎日舞台があることが幸せでしかなかったんですね。中村勘三郎さんの舞台で、子供なのでたくさん褒めてくださって、可愛がってもらいました。でも芸の上では大人。芸人としてしっかり教えてくださって、それが毎日続くなんて天国だと思っていたんです。でも天国は長く続かず、千秋楽の翌日はつらくてつらくて。学校に行けず、号泣しながら勘三郎さんに電話をしたのを覚えてます。『ダメだよ。学校行かなきゃ!オレも次の仕事に行くから』と言われて。でも、それは優しいトラウマで、一つの現場が終わって寂しいということは、それだけ気持ちがその仕事に寄り添っていたということだと思うんですね。今でも毎回千秋楽の日に寂しいという気持ちを抱ける自分でいたいと思っています。それは初舞台のときにできた基準のようなものだと思います」
松田「僕は堂本光一くんの『Endless SHOCK』に出演したときです。舞台の経験もそんなになくて、いろんな初めてがあったんですね。いっぱいいっぱいになって、光一くんとふたりきりになったタイミングで、『どうしたらいいですかね?』と相談したら、『無理してでも死ぬ気でやれ』と。それだけ言われました。僕にもその言葉の正解がずっとわからないけど、『無理してでも』という言葉通りではなく、真摯に真っ直ぐ向き合うことなのかなって思ったり。でも最近いろいろなお仕事をさせていただいて、『わ、これだ!』って感じる瞬間がけっこうあるんですね。その光一くんの言葉はずっと響いています」
Ukon Onoe
1992年生まれ。歌舞伎俳優。7才で歌舞伎座で初舞台を踏む。歌舞伎のほか、俳優、ミュージカル、バラエティなど幅広く活躍。
Genta Matsuda
1999年生まれ。Travis Japanのメンバー。2022年に武者修行で渡米し、同年10月に全世界配信デビュー。俳優やバラエティでも活躍中。
『ライオン・キング:ムファサ』
12月20日(金)全国劇場にて公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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