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コメディアンとして才能を発揮し、
ドラマチックな演技でも好評を得た人気者
まもなく公開される「ソニック・ザ・ムービー」シリーズ最新作『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』(24)で3度目の悪役ドクター・ロボトニックを演じると共に、今回はドクターの祖父ジェラルド役も熱演するジム・キャリー。
1962年1月17日カナダのオンタリオ州出身のキャリーは、父はフランス系カナダ人で母はスコットランド系。まもなく63歳を迎えるが、子供のころからショービジネス界に憧れを持っていて10歳の時、アメリカのコメディ女優キャロル・バーネットに履歴書を送ったほど。「ピンクパンサー」シリーズや“モンティ・パイソン”のファンでもある。
(家庭の経済的理由もあって)16歳で高校を中退し、地元のコメディ・クラブに出演。19歳でアメリカに移住、多くのTVショーなどにゲスト出演しながら、映画にも脇役で登場するようになった。無名時代に出演した作品にはフランシス・フォード・コッポラ監督の『ペギー・スーの結婚』(86)やクリント・イーストウッド主演の『ダーティハリー5』(88)『ピンク・キャデラック』(89)などがある。
そんな彼がブレイクしたのは1994年。TVシリーズ「イン・リビング・カラー」で名が知られた後、主演のコメディ映画『エース・ベンチュラ』『ジム・キャリーはMr.ダマー』と『マスク』の3作が全米で大ヒット。特に『マスク』は日本でも大受けして、キャリーは一躍最も期待されるコメディ・スターとなった。真面目な銀行員が偶然手に入れた木製の仮面を付けると、異常にパワフルな怪人マスクに変身して変幻自在の大活躍を見せる『マスク』の主人公は、キャリーのコメディセンスと個性にぴったりで、これ以降、キャリーというとハチャメチャな喜劇俳優というイメージが定着。『バットマン フォーエバー』(95)のリドラー役、『グリンチ』(00)のグリンチ役などテンションの高い役もこなし、売れっ子スターのトップに立った。
ただ「品性に欠け、顔芸だけ」などと言う否定的な批評にも苦しんだことも。しかし実際には確かな演技力も持ち合わせ、ピーター・ウィアー監督と組んだ『トゥルーマン・ショー』(98)、ミロス・フォアマン監督の実話物『マン・オン・ザ・ムーン』(99)では2年連続でゴールデングローブ賞主演男優賞(前者はドラマ部門、後者はコメディ/ミュージカル部門)を受賞。一風変わったタッチの感動作で実力を発揮するようになり、『マジェスティック』(01)『エターナル・サンシャイン』(04)『イエスマン“YES”は人生のパスワード』(08)『フィリップ、きみを愛してる!』(10)などは好評を博した。
私生活では無名時代に結婚したメリッサ・マッカーシーとの間に娘ジェーンが誕生したが、95年に離婚。『ジム・キャリーはMr.ダマー』で共演したローレン・ホリーと96年に再婚したものの、これも8か月で破局。その後、恋人はいたが結婚はしていない(一時期レネー・ゼルウィガーと交際していたことも)。2014年にはアイオワ州のマハリシ経営大学から名誉学位を授与された。これは彼のコメディアン、アーティスト、作家、慈善家としての業績を評価しての授与という。
ジム・キャリーが一人二役を熱演する人気シリーズ最新作
『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』
2024年12月27日(金)公開
出演:ジェームズ・マースデン、ジム・キャリー
配給:東和ピクチャーズ
演技派ジム・キャリーの実力を味わえる感動作3
『トゥルーマン・ショー』 (98)
離島で暮らし、一度も外の世界に出たことのない青年トゥルーマン。実は彼は生れた時から閉ざされたセットの中で24時間全てを撮影されており、そのリアリティ番組が世界中に放送されているのだった。何も知らないトゥルーマンの周囲で異変が起き始めるが…。
『マン・オン・ザ・ムーン』 (99)
伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンを描く実話ドラマ。コメディクラブを転々としていたアンディは、名プロデューサーのシャピロと出会い人気お笑い番組に出演。スターの仲間入りを果たすが、次第にそのパフォーマンスは常軌を逸したものになっていく。
『エターナル・サンシャイン』 (04)
元カノのクレメンタインが自分の記憶を消す手術を受けたと知って動揺するジョエル。彼も同じ手術を受けて彼女の記憶を消そうとするが、施術後になって「この記憶を消したくない」と思うように。彼とクレメンタインの愛の記憶は一つずつ消えていくが…。
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