どんな人が活躍し、どんな映画が話題を呼んだか、まとめて振り返ってみましょう!(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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23年のWストライキの影響が24年にまで及ぶ
2023年にアメリカ映画界で一大騒動となった全米俳優組合と脚本家組合のWストライキはの影響は予想通り、24年になって映画のポストプロダクションを扱う業界などに影を落とした。23年に製作を中断した映画の撮影が再開されてもすぐには仕事がスケジュール通りに戻ることなく、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』など公開を25年以降まで延期した作品も少なくない。24年前半期の映画興行があまり振るわなかったのも、話題作を後回しにしたストの影響大と言われているが、サマーシーズン、感謝祭になってようやく復調が見られているようだ。
『オッペンハイマー』オスカー受賞後、日本でも公開
第96回アカデミー賞で最もスポットライトを浴びたのは、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』だった。作品賞、監督賞の他、キリアン・マーフィーの主演男優賞、ロバート・ダウニーJr.の助演男優賞など全7部門で受賞。本作は第2次世界大戦で日本に落とされた原子力爆弾の発明者オッペンハイマー博士を描いた作品として日本でも受賞の直後から公開され、連日マスコミで取り上げられたことから、普段映画館に行かない層まで劇場に詰めかけ、大ヒットを記録。被爆地の惨状がほぼ描かれなかったことで否定的な評もあったが、概ね好評を持って迎えられた。
アカデミー賞&エミー賞で日本の映画パワー爆発
24年のエンタメ界で日本の映画や映画人への注目度が上昇。まずは第96回アカデミー賞で『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』がノミネート。『君たち…』が長編アニメーション賞、『ゴジラ…』が視覚効果賞を受賞した。『君たち…』は一度引退表明した宮﨑駿監督の復帰作として彼をリスペクトする映画人たちから賞賛され、『ゴジラ…』はこの部門で初の邦画受賞の快挙。また快挙と言えば、日本を舞台にして日本人俳優が主要キャラクターを演じたドラマ・シリーズ「SHOGUN将軍」が第76回エミー賞で史上最多受賞の快挙を実現したことも大きな話題に。作品賞はじめ、真田広之の主演男優賞、アンナ・サワイの主演女優賞受賞など全18部門を独占した。
2024年に日本にやって来たスターは?
コロナ期を経て一時に比べるとキャンペーンのためのハリウッド・スター来日数がぐんと減ってしまったが、2024年は『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のポール・メスカル、デンゼル・ワシントンらがジャパン・プレミアのためそろって来日し、日本のファンと交流する機会を与えてくれた。本作も上映された東京国際映画祭では審査員長トニー・レオン、サモハンら香港勢が勢ぞろい。香港と言えばジャッキー・チェンが『ライド・オン』で13年ぶりの宣伝来日を果たし、アジア圏では韓国のマ・ドンソクも『犯罪都市NO WAY OUT』でついに公式初来日。映画宣伝とは別に大阪コミコンにはマッツ・ミケルセン、ノーマン・リーダス、トム・ヒドルストン、ジェイソン・モモアらが来場してファンを熱狂させた。ナタリー・ポートマンがディオールのイベントで来日したことも触れておこう。
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