カバー画像:『インサイド・ヘッド2』より ディズニープラスで配信中 © 2024 Disney/Pixar
その流れはさらに晩秋のサンクスギビングデー(アメリカでは11月第4木曜)の大型休暇シーズンに顕著になったような感触。ここでは7位と8位に位置しているが『ウィキッド ふたりの魔女』『モアナと伝説の海2』が連続公開され、前者は公開2週目、後者は公開1週目で2億ドル以上を稼ぎ出し、トップテン入りするという勢いを見せている。この2作に『グラディエーターⅠⅠ 英雄を呼ぶ声』も好調で、3作が牽引してサンクスギビングの週末興行界全体では歴代ナンバーワンの成績を記録したそうだ。この調子でいくと12月の年末には最終的にこの2作がトップ3に入って来る可能性もある。
『ウィキッド ふたりの魔女』
後に「西の悪い魔女」となるエルファバと「良い魔女」となるグリンダのはじまりの物語を描く人気ミュージカルの映画化。
『モアナと伝説の海2』
前作から3年後。ある呪いを解くためにモアナは仲間たちと共に再び冒険の旅に出る。しかしその先には数々の試練が待っていた…。
こうして全米のボックスオフィスはコロナ期以前のようなレベルに復調したように見える。一方で24年の期待作だった『マッドマックス:フュリオサ』『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』など予想を下回った残念な作品もあったが、このトップテンを見ても明らかなのはやはりシリーズ作品が強いという印象。『ウィキッド…』以外は、11位の『バッドボーイズRIDE OR DIE』を含めてすべて第2作以降のシリーズ作品だ(『ウィキッド…』も第2作が25年全米公開予定)。さらに言えば10作中4作がアニメーションであることも注目。逆にいわゆるヒーローもののランクインは『デッドプール…』だけになっているのも、時代の変化か今が過渡期なのかは25年に公開が控えるMCUやDCの新作を待ちたい。
ちなみに日本国内ではトップ3は全米と同じ顔ぶれ(順番は『インサイド…』『怪盗グルー…』『デッドプール…』になるが)。しかし興収20億円を越えたのもこの3作だけで、50億円を超えたのは『インサイド…』の1作のみだったのは少し寂しい。25年は「ミッション:インポッシブル」「ジュラシック・ワールド」シリーズなどの新作公開が予定されているので、洋画人気の復活を期待したい。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』
ゴジラがテリトリーとする地上世界と、キングコングが暮らす地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現。再びゴジラとコングが激突!
『ゴジラxコング 新たなる帝国』
発売中 Blu-ray=6050円(税込) 発売・販売元: 東宝
『カンフー・パンダ4 伝説のマスター降臨』
龍の戦士であるパンダのポーは、師匠シーフーから精神の指導者になるよう告げられ、新たに龍の戦士の後継者となる者を探すが…。
『カンフー・パンダ4伝説のマスター降臨』
ブルーレイ+DVD 発売中5,280円(税込)
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2024年度ヒット作トップ10
BOX OFFICE MOJO調べ、2024年12月1日現在、単位:ドル
1位 『インサイド・ヘッド2』(6億5298万)
2位 『デッドプール&ウルヴァリン』(6億3674万)
3位 『怪盗グルーのミニオン超変身』(3億6100万)
4位 『ビートルジュース ビートルジュース』(2億9410万)
5位 『デューン 砂の惑星PART2』( 2億8214万)
6位 『ツイスターズ』( 2億6776万)
7位 『ウィキッド ふたりの魔女』( 2億6319万)
8位 『モアナと伝説の海2』( 2億2544万)
9位 『ゴジラxコング 新たなる帝国』( 1億9635万)
10位 『カンフーパンダ4 伝説のマスター降臨』(1億9359万)
次点 『バッドボーイズRIDE OR DIE』(1億9357万)