日本でも問題になっているフィッシング詐欺をテーマに、被害者となった婦人に代わって復讐に立ち上がる男をジェイソン・ステイサムが演じる全米大ヒット・アクションです。(文・米崎明宏、ほりきみき(監督インタビュー)/デジタル編集・スクリーン編集部)

チェック・ポイント

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オーディションで選ばれた蜂

「蜂はあまり養蜂家を意識していないと聞いた。あまり人間が見えていないんだ」と言うのはエアー監督。「養蜂家は蜂の現実を形成する、見えない自然の力の一部のような存在だ。だから管理体制という概念──物事を修正し、社会全体を見通し、そこに生きる者を助ける術を知っているという概念が主人公のキャラを考える上で非常に役立った」という。映画に登場する蜂のオーディションも行われ、200万匹もの「女優」(全部雌なので)から条件に合う25万匹の個体が選抜されたという。また刺されたスタッフはいなかったとか。

画像: オーディションで選ばれた蜂

アメリカでも問題になっている詐欺

本作で詐欺行為の監修を務めた元FBI捜査官のチャック・ブルニアーは「この映画はまさに今起きていることを捉えている。どの家族にも同じような被害にあった人がいるはずだ。なので観客は共感を覚える。復讐したくても自ら犯人を追うことが出来ない。それをアダム・クレイがやってくれるんだ」と語る。エロイーズに起きた「テレマーケティング詐欺」はコンピューターを通して偽のアンチウイルスをダウンロードさせ、丸ごと個人情報を奪う手口。2021年の全米被害額は計400億ドルになり、まだ増えているそうだ。

デヴィッド・エアー監督 単独インタビュー

画像: デヴィッド・エアー監督 単独インタビュー

──ビーキーパーという設定が興味深かったです。

「巣が崩壊しないようケアするビーキーパーがいることで、ハチはそれぞれの役割を果たし、協業して社会を作っていく。しかし、ハチはその存在に気付いていない。それを我々の社会に置き換え、システムの外側にある“見えざる神の手”が差し伸べられることを描いています。アダム・クレイみたいに我々を助けてくれる存在がいたらいいですよね」

──ジェイソン・ステイサムと初タッグを組んだ感想は?

「素晴らしい協業相手でした。あれだけのステイタスがあるのに、僕が『やってください』と言ったことはすべてやってくれる。まるで歩くアクション映画辞典のように『あのキックは…あのパンチは…』とその歴史を語ることもありました。いちばん感心したのは、やはり自分でスタントをするところ。しかも、カメラに対するセンスもあり、カメラが人体の動きをどう捉え、どう動くと映えるのかまで把握しているのです」

──編集は監督作品の常連ジェフリー・オブライエンです。本作の編集で大事にしたことは?

「『スーサイド・スクワッド』(2016)が自分の手の外で全然違うものにされた経験があるので、編集はとてもセンシティブに考えています。いちばん注力したのは、ジェイソン・ステイサムをカッコよく見せつつ、いかに説得力を持たせるかということ。彼がカッコよく見えないと作品として成り立ちません。なので、彼のアクションシークエンスは最後に編集しました」

『ビーキーパー』
2025年1月3日(金)公開
アメリカ、イギリス/2024/1時間45分/配給:クロックワークス
監督:デヴィッド・エアー
出演:ジェイソン・ステイサム、ジョシュ・ハッチャーソン、ジェレミー・アイアンズ

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