カバー画像:『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』より © 2025 MARVEL
注目は夏に全米公開予定の
『ファンタスティック・フォー』と『スーパーマン』
2024年はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の劇場公開作品は『デッドプール&ウルヴァリン』1本でしたが、ソニーの展開する『マダム・ウェブ』『ヴェノム:ザ・ラストダンス』『クレイヴン・ザ・ハンター』、DC系からは『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』があり、それなりにアメコミ映画が多く公開された年です。そして2025年はアメコミ映画ファンにとってさらにハッピーな年になりそう。なんとMCUが3本! そしてDCでジェームズ・ガンが仕掛けるDCユニバース(DCU)の超大作『スーパーマン』が封切られます。
まず筆者が注目しているのは25年の夏、7月にMCU『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス(原題)』、そしてDCU『スーパーマン』がやってくること(※全米では2作品とも7月公開予定)。実はこの2作、コミックの歴史においては極めて重要な作品。まずスーパーマンは1938年にデビュー。スーパーヒーロー物というジャンルはここから始まったわけであり、後のDCコミック誕生につながります。つまりスーパーマンなくしてスーパーヒーローという文化は生まれず、DCも存在できたかわからない。一方マーベルは1961年のファンタスティック・フォーの大成功で花開き、後の大躍進につながります。ファンタスティック・フォーなくしてスパイダーマンもアベンジャーズもデビューできず、マーベルも消えていたでしょう。そう、DCとマーベル誕生のきっかけとなった作品がこの年映画になって同じ月に公開。しかも2作ともこれからのMCU、DCUのキックオフの位置づけを担っていると言われています。
夏公開
『スーパーマン』Superman
ジェームズ・ガン監督による新生スーパーマン
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のジェームズ・ガン監督による新たなスーパーマン誕生!スーパーマン役に抜擢されたのは『ツイスターズ』のデヴィッド・コレンスウェット。新DCユニバースの映画開幕作品。
監督:ジェームズ・ガン
出演:デヴィッド・コレンスウェット、レイチェル・ブロズナハン
配給:ワーナー・ブラザース映画
2025年公開
『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス(原題)』
The Fantastic Four: First Steps
マーベルのヒーローチームの“元祖”がMCUデビュー
マーベル最初のヒーローチームがMCUで始動。超能力を持つ個性豊かな4人による壮大な戦いが開幕。主人公の4人を演じるのはペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス=バクラック。
監督:マット・シャックマン
出演:ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
MCUの新たなヴィランであるドクター・ドゥームは
ファンタスティック・フォーの宿敵
興味深いのは2作ともヒーローのオリジン(誕生秘話)である「ファンタスティック・フォーは4人の男女が宇宙線を浴びて超人になる」「スーパーマンは崩壊する惑星クリプトンから逃げてきた子が地球でヒーローになる」は描かず、いきなり彼らがヒーローとして活躍しているところから始まるそうです。これはある意味正解で、ヒーロー誕生のくだりをくどくど描いて時間を割くより、いきなりもりあがるストーリーを見せたほうがいいということでしょう。
またこの2作は今後の各ユニバースに登場するヒーローたちを紹介する機能も兼ねており、『スーパーマン』には翌年公開の『スーパーガール:ウーマン・オブ・トゥモロー(原題)』に登場するスーパーガールも顔を見せるそうです。そして『ファンタスティック・フォー』にいたっては、ロバート・ダウニーJr.が演じることで話題のドクター・ドゥームが本作で初の顔見せとなることが期待されています。というのもドクター・ドゥームはもともとファンタスティック・フォーの宿敵だから。
ちなみにこの作品はMCUとは別バースの1960年代が舞台だそうで、要はアベンジャーズや他のMCUヒーローがいない世界。この彼らが映画の最後で恐らくマルチバースを超えてMCUに合流する、そして翌年公開の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』、翌々年公開の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』で重要な役割を演じると思われます。
スティーブ・ロジャースのパートナーだった2人が
それぞれ主役を演じるという展開
MCU前半の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『サンダーボルツ*』、まずこの2作が興味深いのは、前者はかつてファルコンとしてキャプテン・アメリカを支えたサム・ウィルソンが主役。後者の事実上の主役はウィンター・ソルジャーことバッキーで、彼ももともとキャプテン・アメリカの盟友でした。つまりキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースのパートナーだった2人がそれぞれ主役を演じるという展開です。なのでこの2作は、スティーブがいなくなった後のサムとバッキーを描いたMCUドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の続編とも言えるでしょうか? MCUはこのところマルチバースがメインテーマでしたが、この2作はそうした要素はほとんどなく、久しぶりにリアル社会に根付いたアクション映画になりそうです。
ただ予告のトーンだと『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はシリアスなサスペンス・アクション、『サンダーボルツ*』はノリのいいアクション活劇のようで、こういうテイストの違う作品を1つの世界観で届けることのできるMCUは、やはり懐が深い。前者の目玉はなんといってもハリソン・フォード演じるロス大統領がレッドハルクになること。赤鬼のようで日本だと節分に近い時期の公開なのでディズニーさんは豆まきと絡めたキャンペーンを実施でしょうか? 『サンダーボルツ*』については「*」の部分が気になります。注釈をつける時によくこの印をつけるので、サンダーボルツとはまだ注釈付きのチーム名、それはチーム名が途中で変わることを示唆。もしかすると彼らが新生アベンジャーズを名乗るのでは?と言われています。
2/14(金)公開
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』
Captain America: Brave New World
“正義の象徴”を受け継いだサムの新たな戦い
“初代”キャプテン・アメリカから最も信頼され、盾を託されたファルコンことサム・ウィルソン。“正義の象徴”を受け継いだサムは巨大な陰謀と戦いに巻き込まれていく。ハリソン・フォードがアメリカ大統領/レッドハルク役で登場。
監督:ジュリアス・オナー
出演:アンソニー・マッキー、ハリソン・フォード
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
GW(ゴールデンウィーク)公開
『サンダーボルツ*』Thunderbolts*
マーベル映画史上初!ヴィランたちが主役に
マーベル映画の超クセ者ヴィランが大集結! ブラック・ウィドウの妹エレーナやかつて悪の組織に洗脳されたバッキーといったアベンジャーズにも劣らない超個性派揃いの“ならずもの”たちが新たなバトルを繰り広げる。
監督:ジェイク・シュライアー
出演:フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2026年は『アベンジャーズ』の最新作も控え
お楽しみはまだまだ続く
残念だったのは2025年公開予定だったマハーシャラ・アリの『ブレイド』がまたまた公開から外れたこと。もしかすると『デッドプール&ウルヴァリン』のウェズリー・スナイプスのブレイドへの再評価が高まったのでこれを絡めたいのか? MCUは『ブレイド』はキャンセルではないと言っているので楽しみに待ちましょう。
来年を超えて再来年=2026年は『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』、トム・ホランドのスパイダーマン4作目、DCからはスーパーガール、そしてロバート・パティンソンの『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の続編も予定されています。お楽しみはまだまだ続きます!
トム・ホランド主演『スパイダーマン』第4弾は2026年夏日本公開決定
スパイダーマン/ピーター・パーカーをトム・ホランドが再演する『スパイダーマン』第4弾が2026年夏に日本公開されることが発表された。2025年の夏に撮影開始となる予定で、ホランドはストーリーの草案について「ゼンデイヤと一緒に読んで、時々部屋で跳び跳ねてしまうほど興奮しました」と期待を高める発言。監督はシリーズ3作品を手がけたジョン・ワッツから、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のデスティン・ダニエル・クレットンにバトンタッチ。全米では2026年7月24日の公開予定。