映画『君の忘れ方』は、“死別の悲しみとどう向き合うか”をテーマに、恋人を亡くした青年が、悲しみの状態にある人に寄り添う「グリーフケア」と出会い、自らと向き合う姿を描いたヒューマンドラマ。
本作で初めての映画単独主演を務めるのは、若手実力派俳優として振り幅の大きい演技で存在感を発揮している坂東龍汰。映画、ドラマ、CM、舞台と八面六臂の活躍をみせる西野七瀬がヒロインを演じ、坂東が演じる主人公の母親を南果歩が圧倒的な演技で体現。胸を打つストーリーに昇華させている。監督・脚本は、国際映画祭で数々の賞を受賞し、第79回ヴェネチア国際映画祭「VENICE IMMERSIVE」部門の正式招待を果たしたVRアニメーション『Thank you for sharing your world』のほか、映画『光を追いかけて』『アライブフーン』の脚本を担当した作道雄。人との繋がりやコミュニケーションにより、“孤独な日々”から抜け出すヒントが得られる感動のヒューマンドラマを繊細に紡ぎ出した。
付き合って3年になる恋人・美紀(みき)(西野七瀬)との結婚を間近に控え、幸せに満ちた日々を送る昴(すばる)(坂東龍汰)。しかし、「一緒に帰ろうよ」と留守電にメッセージを残したまま、美紀は事故で突然亡くなってしまう。愛する婚約者を亡くした昴は、深い喪失感に苛まれながらも、同じ悲しみを抱えるグリーフケアの仲間たちと出会い、少しずつ美紀の死を受け入れ始める。そんなある日、昴の前に突然、美紀が現れる。彼女は現実なのか、それとも“まぼろし”なのか…。
新たに公開された「ストーリー編」では、“まぼろし”として現れる美紀のシーンが増え、美紀の存在に深く依存していく昴の姿や、津田寛治や岡田義徳らが演じるグリーフケアの仲間たちの悲しみにより触れる内容になっている。西野が「感情を表に出さないことを心がけた」という表情や歩き方にも注目だ。
もう1本の「母の葛藤編」では、南果歩が演じる昴の母・洋子に焦点を当てた。深い喪失感に苦しむ息子を温かく迎え入れる洋子もまた、二十数年前に突然亡くなった夫のことで未だ悩み続け、息子の前では心配を掛けまいと明るく振る舞いながらも葛藤している姿が映し出される。南も坂東との共演を「自然に親子関係を築くことができた」と語っており、母と息子が対峙するシーンは見ものだ。
『君の忘れ方』
2025年1月17日(金) 全国公開
配給:ラビットハウス
Ⓒ「君の忘れ方」製作委員会2024