ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞！ 疎遠になっていた正反対の性格の従兄弟同士が2人で旅を
『僕らの世界が交わるまで』で監督デビューを果たしたジェシー・アイゼンバーグが主演、脚本も兼ねた監督第2作。子供の頃は兄弟のように育った正反対の性格の従兄弟同士が、亡き祖母の故郷ポーランドを2人で訪ねるロードムービーで、アイゼンバーグ演じる生真面目な主人公に対する自由奔放な従弟をドラマ「メディア王 〜華麗なる一族〜」のキーラン・カルキンが演じ、第82回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞。アカデミー賞でも有力視されている。またアイゼンバーグは脚本賞でオスカー候補になった。舞台となるポーランドはアイゼンバーグ自身の先祖が住んでいたルーツとなる国で、かつてここを訪問した時の思いが映画化へのきっかけになっている。他に今注目の俳優・監督・『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』の脚本家であるウィル・シャープ、『ダーティ・ダンシング』のジェニファー・グレイらが共演。製作にはエマ・ストーンも名を連ねている。
STORY
子供の頃は兄弟同然に育ったデヴィッド（アイゼンバーグ）とベンジー（カルキン）の従兄弟同士。現在は疎遠だった2人は、大好きだった祖母が亡くなったことで、彼女の母国ポーランドを一緒に訪ねる計画を実行することに。空港で数年ぶりに再会した2人だが、妻子もいて地に足の着いた生活をしている生真面目なデヴィッドに対し、ベンジーは自由奔放で時に人を苛立たせる行動をとりながらも、結局相手を魅了してしまう個性的な青年。そんな2人が選んだのはホロコーストの史跡をめぐる昼食付ツアー。ポーランドに到着した彼らはホテルでツアーの同行者たち、ガイドのジェームズ（シャープ）と合流。ベンジーは彼らも意表を突く行動や発言で翻弄しながら、やはり全員を魅了してしまう。そんなベンジーを庇いながら複雑な気持ちで見つめるデヴィッド。ツアーの途中から2人は一行と別行動をとり、祖母の住んでいた家を訪ねていくのだが……。
登場人物紹介
デヴィッド（ジェシー・アイゼンバーグ）
幼いころ仲の良かったいとこのベンジーと2人旅をする生真面目で安定を好むあまり目立たない男性。亡き祖母の祖国でホロコースト史ツアーをめぐり、過去の家族の悲劇と向き合いながら、自分とベンジーを結びつけている絆を取り戻していく。
ベンジー（キーラン・カルキン）
デヴィッドと正反対で行動も発言も自己流で、あまり相手がどう思うかを気にしていない様子だが、他者を不愉快にさせながらも愛されキャラ的な魅力を発揮する。しかし少し前まで（今現在も？）精神的に危うい時期があったことが感じ取れる深刻な面も。
ジェームズ（ウィル・シャープ）
デヴィッドたちが参加するホロコースト・ツアーのガイドで温厚な人物。英国人だがユダヤ人の歴史に深い知識があり、逆にその点についてベンジーに意外な苦言を呈されたことで、自身のガイドのやり方に疑問を抱くことになる。
CHECK ジェシーによる「リアル・ペイン（困ったやつ）」の解説
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「A Real Pain（困ったやつ）」というのは自分を困らせる人に対して使う面白い表現ですが、脚本を書いている途中で思いついたフレーズです。自分が書いている脚本は本質的に悲しみの感情や痛みの感情に関することだと気づいたんです。デヴィッドにおけるベンジーのような人物のことを指していますが、もっと響く言い方をすれば「私たちはどのような痛みを妥当だと考えるか？」ということです。祖先たちはホロコーストのような壮絶な痛みを経験しているのに、現代のデヴィッドが感じる不安、軽い強迫性障害や、それより少し深刻なベンジーの心の問題は、祖先たちのトラウマや悲しみと比べてもいいのだろうか？ 私たちの痛みは議論できるものなのか？ ということを考えました。
『リアル・ペイン 〜心の旅〜』
2025年1月31日（金）公開
アメリカ／2024／1時間30分／配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督・出演・脚本：ジェシー・アイゼンバーグ
出演：キーラン・カルキン、ウィル・シャープ、ジェニファー・グレイ
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