近頃、映画本編前に「NEON」のロゴを見ることが増えてはいませんか。パルム・ドール受賞作を5年連続北米配給、その内の一作『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー作品賞に輝くなど、観客に良作を多数送り届けている同スタジオ。その魅力に迫ってみましょう。設立8年、作品選びがキレキレです! 今回は注目のホラー作品『ロングレッグス』『プレゼンス 存在』を紹介します。(文・平沢薫/デジタル編集・スクリーン編集部)

独立系映画スタジオと言えば!NEON注目ホラーが日本上陸『ロングレッグス』

画像: 独立系映画スタジオと言えば!NEON注目ホラーが日本上陸『ロングレッグス』

父親が家族全員を惨殺し、自分も自殺するという凄惨な事件が30年間で10件も発生。すべての現場には“ロングレッグス”と署名された謎の暗号文が残されていたーー。昨年全米公開され、NEONの北米配給映画史上最大のヒットを記録、さらに昨年度の独立系映画の全米興収第1位に輝いた話題作。

連続殺人犯を追う女性捜査官が『羊たちの沈黙』を連想させ、奇妙な暗号文が、実在の殺人鬼ゾディアックを思わせつつ、ビジュアル面/ストーリー面とも「様々な部分は見えるのに、全体像がなかなか見えない」という演出で物語に引き込んでいく。例えば、幼い少女が謎の人物と対面するとき、その人物は腰から口元までしか画面に映し出されない。見えそうで見えない、分かりそうで分からない状態のまま目が離せず、ついに全体像が見えた時、強烈な衝撃が待っている。

主演は『イット・フォローズ』のマイカ・モンロー。ロングレッグス役はニコラス・ケイジ。オズグッド・パーキンス監督の新作ホラー映画『ザ・モンキー(原題)』もNEON北米配給で本年2/21全米公開。

あらすじ

1990年代半ば、雪が残る米オレゴン州。新人FBI捜査官リーは、過去30年間に10件も発生した謎の未解決連続殺人事件の捜査に抜擢される。その事件は、平凡な一家の父親が家族全員を殺して命を断つという異様な事件で、すべての現場に“ロングレッグス”という署名のある暗号文が残され、どの家族にも“14日”が誕生日の幼い娘がいた。事件の捜査に没頭するリーの自宅に、ある夜、ロングレッグスという署名のある暗号文が届く。

登場人物

画像: リー・ハーカー

リー・ハーカー

リー・ハーカー(マイカ・モンロー)

新人のFBI捜査官。並外れた直感力がある。他人と接するのが苦手で、一人で資料の解読に没頭するのを好む。

画像: カーター捜査官

カーター捜査官

カーター捜査官(ブレア・アンダーウッド)

リーのFBIの上司。ある事件でリーが異例の直感力を発揮したことを知り、彼女を未解決事件の捜査に抜擢する。

ロングレッグス(ニコラス・ケイジ)

正体不明のシリアルキラー。連続一家惨殺事件の現場に、いつもロングレッグスと署名した暗号文を残す。

恐怖の極限へ誘うニコラス・ケイジ

画像: 審美眼煌めかせる、気鋭のスタジオ「NEON」に迫る!
注目ホラーが日本上陸『ロングレッグス』『プレゼンス 存在』

特異なキャラクターの怪演で知られるニコラス・ケイジが、その技を極限まで高めたのがこの役。さまざまに変わる奇妙な声音、異様な佇まいで、強烈すぎる人物像を体現。ケイジは古典ホラー映画『オペラ座の怪人』(1925)でロン・チェイニーが演じた怪人と、フェリーニ監督『魂のジュリエッタ』(1965)の霊能者を意識したそう。

CHECK POINT 映し出される、全てが不穏

画像: CHECK POINT 映し出される、全てが不穏

連続殺人鬼が現場に残す奇妙な象形文字のような暗号を筆頭に、不穏な雰囲気に満ちたアイテムが次々に登場。凄惨な殺人の現場写真、悪魔崇拝を連想させる逆三角形、少女に似せた等身大の人形、人形の頭部に封入された球体、緊張病、「ヨハネの黙示録」、T・レックスの「Bang a Gong (Get It On)」など何もかもが怪しい。

『ロングレッグス』
2025年3月14日(金)公開
アメリカ/2023/1時間41分/配給:松竹
監督:オズグッド・パーキンス
出演:マイカ・モンロー、ニコラス・ケイジ、ブレア・アンダーウッド

© MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. All Rights Reserve

This article is a sponsored article by
''.