近頃、映画本編前に「NEON」のロゴを見ることが増えてはいませんか。パルム・ドール受賞作を5年連続北米配給、その内の一作『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー作品賞に輝くなど、観客に良作を多数送り届けている同スタジオ。その「NEON」が北米配給を担当し、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞ほか賞レースを賑わせている注目作『ANORA アノーラ』がいよいよ日本公開。どんな作品なのかご紹介!(文・編集部/デジタル編集・スクリーン編集部)

CHECK POINT

作品を彩るポップな音楽

画像: 作品を彩るポップな音楽

アノーラがイヴァンと出会う“最高の日”の始まりを描くオープニングパートでは、2008年に英国の音楽グループ“テイク・ザット”がリリースした「The Greatest Day」がテンション高く映画の始まりを告げる。ほかにも、ブロンディの「Dreaming」、t.A.T.uの「All the Things She Said」など数々なポップな楽曲たちが作品を彩っている。

ベイカー印の演出が満載

画像: ベイカー印の演出が満載

“ベイカー・レインボー”とも呼ばれる独特な色彩感覚は本作でも遺憾なく発揮。眩くゴージャスな場面が多数。また、監督お得意の、Fワードが飛び交う生々しくも小気味良い会話もたっぷり。少女たちの疾走をゲリラ撮影で収めた『フロリダ・プロジェクト』など過去作のラストに比肩する、衝撃的な終焉もお見逃しなく。

煌めく、新鋭スターたち!

画像: 左からマーク・エイデルシュテイン、マイキー・マディソン、ユーリー・ボリソフ Photo by Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

左からマーク・エイデルシュテイン、マイキー・マディソン、ユーリー・ボリソフ
Photo by Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

主演のマイキー・マディソンは、脚本段階から作品に参加。肉体的なトレーニングなくして挑めないポールダンスも華麗に披露し、本作に欠かせない存在として一際光る。『コンパートメントNo.6』のユーリー・ボリソフは、本作がアメリカ映画初出演ながら、優しさを秘めたイゴール役で人気拡大中。花婿イヴァン役のマーク・エイデルシュテインも「ロシアのティモシー・シャラメ」とも呼ばれる注目の一人で、キュートさ爆発!

ますます手腕輝く、ショーン・ベイカー!

画像: パルムドールの盾とショーン・ベイカー監督 Photo by Lionel Hahn/Getty Images

パルムドールの盾とショーン・ベイカー監督
Photo by Lionel Hahn/Getty Images

長編監督デビュー作、『Four Letter Words(原題)』(00)以降、一貫してインディ映画を撮り続けてきたショーン・ベイカー監督。たった3台のiPhoneで撮影した『タンジェリン』(15)で世界的に注目を集めると、『フロリダ・プロジェクト』『レッド・ロケット』が批評家たちから大絶賛。続く本作『ANORA アノーラ』はカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞し、米アカデミー賞に作品賞ほか6部門でノミネート。さらに目が離せない一人に!

ショーン・ベイカー監督 インタビュー

──あなたの映画はいつも、主人公たちが抱えている根本的な問題や困難を完全に解決せずに終わります。でも、夢は現実にはならなくても、それでも人生をあきらめない人たちに焦点が当てられているという前向きさが好きです。なぜ、登場人物の問題を解決を目指そうとしないのですか?

「だって、どんな問題も解決できないですから。人生はコントロールできないものだし、自分の問題さえ解決できていないので(笑)。だからこそ、どんな困難があっても生き延びようとする人々は面白いし、崇高だと思うんです。僕の映画のほとんどは、アメリカン・ドリームとでも言うべき夢を追い求める人々に焦点を当てています。でも、彼らは夢を追い求めながらも、何らかの理由でそれを完全には手に入れることができない。不法移民であるのかもしれないし、ライフスタイルのせいで疎外されているのかもしれないし、セックスワークのような汚名を着せられながら生計を立てているかもしれない。そういう場合でも、アメリカン・ドリームの追求はありますが、ルートや道筋を変えなくてはいけない。それは、社会学的にとても興味深いことです。特に、我々のいる資本主義社会においてはね」

『ANORA アノーラ』
2025年2月28日(金)公開
アメリカ/2024/2時間19分/配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
監督:ショーン・ベイカー
出演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、ヴァチェ・トヴマシアン

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